令和 徒然草

「思い出の品」

 皆さん、思い出の品はありますか。私は「車」です。普段乗る車は仕事でも使いますので定期的に買い換えますが、10年以上前に趣味で買った車は永久保存したいですね。

個人的な趣味で言えば、気に入った車を買って、修理・改造し何十年も乗り続けたい、と思っていますが、なかなかそうはいかないようです。仕事では顧客の目線が気になりますし、遠出で故障しても困ります。泣く泣く割り切るようにしています。

 あるお金持ちが古いフェラーリと新型のフェラーリを乗っていて、売るなら新しいのを売るとおっしゃっていました。古いのはバブル時代の若い時に買ったときの思い出、亡くなった奥さんとの思い出があって売れないとのこと。

 芸能人の夫を突然の事故で亡くした妻が、愛車をずっと売らずにガレージに置いてある話も雑誌で拝見しました。車に一緒に乗って狭い空間で話をした思い出がたくさんあるようです。

 また古い名車が高値で売買されています。若い時に乗れなかった車、若い時に乗っていて手放したが年を取って懐かしくなり再度買ったなど。

 25年経つとクラシックカーと呼ばれるようになります。私は、趣味で買った車は免許を返納してもガレージにずっと置いておきたいと思っています。エンジンをかけて車の中で本を読んだり、音楽を聴いたり、ラジオを聴くことになると思います。

令和六年 7月





「風が吹けば桶屋がもうかる 人に迷惑をかけてはいけない」

外国人観光客の日本への称賛では「トイレがきれい」「ゴミが落ちていない」「電車の時間が正確」というのが多いです。

トイレは売上・利益を生まないので商業ビルでは最小限にするのが合理的とされてきました。古いビルのトイレは狭く最低限の面積しかありません。ところがあるビルが豪華で広いトイレを設置したところ、テレビに報道され、女性が好んで買い物・飲食をすることになり、結果として来店客が著しく増加、テナントの質と賃料が上がったそうです。まさに「トイレを豪華にしたら売上が増えた」ということです。

 30年前オウム真理教のテロが原因で街からゴミ箱が撤去され、ゴミは基本的に持ち帰ることとなりました。一旦きれいになると人々はゴミを街に捨てるのに抵抗が強くなりました。「テロが起きたら街がきれいになった」 日本人は時間に厳格と言われていますが、同じくルールに厳しいドイツでは電車はあまり正確ではないそうです。日本人の深層心理として「人に迷惑をかけてはいけない」というのがあります。電車が遅れるということは多くの人に迷惑をかける、いわば「大罪」となるのでしょう。そういった面も多分にあるからこそ、ドイツでも達成できない電車の時間が正確なのではないかと思います。半面、日本では人に迷惑をかけないのであれば自由である、とも言えます。外国人が「日本では他人から服装について文句は言われない」「外でお酒を飲むことが許されている」とも言っています。

令和六年 6月





「お金の管理について」

MLBの大谷翔平選手が多額のお金を親しかった通訳に窃盗された事件が話題になりました。自分は銀行に17年勤めていましたが、銀行員の横領を身近に経験しましたし、取引先企業の横領事件も何件も経験しています。

 経営コンサルタントとして強く申し上げているのは「お金の管理は自分自身でやる」ということです。

 大谷選手が細かい送金なんかする時間はない、中小企業の経営者も同様のことを言います。横領されたのに決算に反映されていないことを理由に「粉飾決算だ」と銀行から指摘され新規融資がストップしてしまった企業を知っています。あまりに哀れでした。

 あれだけ厳しい管理体制を敷いている銀行でさえ横領が発生するのだから、100%ゼロにすることは難しいし、非効率です。ある税理士は中小企業は100%横領はある、とまで断言しています。

ポイントは
1 一定以上のお金についてはダブルチェック体制にする
2 担当を抜き打ちで変える
3 定期的に休ませる。その間にチェックする。

少額の横領はしょうがない、くらいの感覚が重要で、大口は絶対にやられない、という強い意志が必要ですね。

令和六年 5月





「豊臣秀吉が最もおいしいと思った食べ物」

豊臣秀吉は足軽から天下人まで出世したあまりにも有名な偉人です。私は名古屋出身なので郷土の英雄として子供のころから様々な逸話を耳にしました。

 秀吉の晩年は、日本中の様々な人からご馳走が献上されました。ただ彼はあまりご機嫌ではなかったそうです。その理由は、、、、、、

 「若い時に空腹で食べた、雑炊、これを上回るものがない」と不満を述べたそうです。

 自分は天下人となり、欲しいものは何でも手に入るようになったのに、結局人生で一番おいしかったものは、貧しかった時に食べた雑炊だったわけです。

 東京ではおいしいものは何でも手に入る、と言っても過言ではありません。日本の食材は世界一と言われ、パリの三ッ星レストランより東京の支店の方がおいしいのだそうです。

 私も今一番食べたいものはと言えば、三ッ星レストランのフレンチではなく、銀座の寿司でもなく、冬の北海道に行き、外気が入るようなボロボロの店の中で、震えながら味噌コーンバターラーメンですね。

令和六年 4月





「思い出を作る」

お付き合いのある経営者の方、富裕層の方から、財産を家族にどのように残せばよいか、と相談を受けることがあります。私は税理士ではないので、相続対策のような話ではありません。よく「美田を残すな」という諺がありますが、全部使ってしまうのがいいのか。

 私は「できる限り思い出を残しましょう」と申し上げています。将来、自分が本当に動けなくなったときに自分の思い出として残り、家族にも思い出に残るはずです。お金を残すことも大事と思いますが、バランスよく考えたいものです。

 「夫婦で3年間かけて日本の温泉巡りをする」「家族でヨーロッパ一周旅行する」「孫のイギリス留学費用を出す」など、物ではなくイベント・教育などに使ったらいかがでしょう。

 60代ならできること、70代でもできることを考えましょう。80代以降になるとできることは本当に限られてくるようです。私の父親は91歳で健康で自立していますが、それでも毎年できなくなることが増えていくようです。車の運転はできない、長くは歩けない、旅行も一人では恐くて行けない、食べられない・飲めない、要はお金がほとんど使えなくなるのですね。それでも75歳までは比較的活動的だったようです、お金が使えるうちが華なんですね。

 私は今年で62歳になります。75歳までに13年はあります。ただし若い時のように「いつか**してやろう」なんて考えていると、あっという間に過ぎ去りそうな時間です。「今でしょ」という感じで行動に移したいと思っています。

令和六年 3月





「幸せを感じること」

人生を楽しく生きたい、これは誰しも望むことですが、「楽しい」は「幸せを感じる」と置き換えてもいいかと思います。

私は今年で62歳となりますが、若い時は「自分の将来や夢」をいろいろと考えました。60歳を過ぎると今までできていたことが徐々にできなくなったりして、将来といえば「死」を考えないわけにはいかなくなくなってきました。つまり若い時に「将来や夢を考えること自体」が幸せなことだったと分かりました。

金銭欲と物欲が強い人はお金や高価な物を手に入れると幸せを感じます。それをバカにする人がいますし自分も軽蔑したりしましたが最近は違います。

幸せを感じるときは人それぞれで、幼少期や若い時の生まれ育ちによる影響があります。例えば貧乏だった人はお金を稼いで、贅沢な食事をしたり、豪邸に住めば幸せを感じます。幸せを感じることは人生の目的ですから、社会に迷惑をかけていなければ、他人にとやかく言われる理由なんかないわけです。

金持ちに生まれ家族の愛情もたっぷりあり、健康な人は幸せそうでうらやましいですが、本人は当たり前だと思えば、あまり幸せを感じていないもしれません。

年をとって最低限の蓄財ができて、老化で金銭欲も物欲も低くなると、幸せを感じることが少なくなってきたことに気が付きました。皆さんはどうでしょうか。今からでも新しいことにチャレンジして「幸せを感じる=楽しい人生」を少しでも取り戻したいと思っています。

令和六年 1月





「トッププロからの教え」

ユーチューブで様々なゴルフのプロ選手がレッスンをしています。ゴルフは奥が深く、やっていると様々な悩みが出てくるので、よく見ます。

 気づいたこととして、永久シードを取っているような青木プロ、倉本プロのような人のほうが、シンプルでとても分かりやすいのですね。とても意外でした。

 青木プロは「ゴルフはゴロフ」と言い、できるだけボールをあげない、「初心者のように転がして」ミスの少ないゴルフを心掛けているそうです。難しいセカンドショットは「グリーンに乗らなくても、ころがしてアプローチできる方にはずす、つまりピンから遠いほうにはずす」ことを強く意識するそうです。青木プロは、かつては「ぶっちぎりの青木」と呼ばれていました、大差で勝つことがよくあったからそう呼ばれていたそうです。ぶっちぎりで勝つと相手に恐怖を与えられてプロとしてとても有利になるのだそうです、 奥が深いですね。

倉本プロもやはり易しいミスの少ないゴルフを心掛けている。見栄なんかあまり気にしていない感じがしました。

 他のプロは、「プロであれば、いとも簡単にできてしまうが、アマチュア特に初心者には難しい打ち方を提唱している」ことに気が付きました。これができるには相当の練習が必要だし、本番では緊張して失敗することが多い。

 練習量が圧倒的に少ない私のようなゴルファーが、実はレジェンドと言われるトッププロのやり方・考え方の方が参考になる、というのは不思議でした。

 よくよく考えてみると、ゴルフは「失敗のスポーツ」と言われ、ましてやプロは緊迫した試合で結果を出さなくてはなりません。1打で賞金が何千万円も変わります。ミスが極限まで出ないやり方をしているからこそ、永久シードがとれているのではないか、とも思いました。

令和五年 12月





「大谷の手術で思うこと」

メジャーのスーパースター大谷翔平選手が右ひじを手術した記事が出ていました。手術は成功したのですが、気になったのは「人口の補強材を取り付けた」というところです。

 修復と補強の違いは微妙です。「元に戻す」のは問題ないと思いますが、「人口的なものを取り付けて強化した」となると後々問題になりはしないかと、危惧しました。

 なぜそんなことを考えたのかというと、筋肉増強剤が禁止されるまでは「自由」だった薬物問題があったからです。最初は恐る恐る試したものが、どんどんエスカレートしていったと考えるからです。

 事実トミージョン手術によって元に戻らないケースだけでなく、手術前より球速が早くなったケースがあると聞きました。いずれ一定の基準ができる予感がします。

 アニメで攻殻機動隊というのがありますが、人間、ロボット、アンドロイドなどが混在する世界が描かれています。あの世界ではスポーツ競技は描かれていませんが、あるはずなので一体どのようなルールになっているか、想像してしまいます。

令和五年 11月





「人権尊重と言論の自由」

ジャニーズ事件は連日のように世間を騒がせています。いったい全体、一人の男が「重い人権の蹂躙」をどうして長年続けることができたのか、そのために彼は何をしたのかということが問題です。問題は大きく二つあると思います。

一つは日本人は未だ人権意識がとても低い、ということです。彼はそれを見抜き、続けられると確信したのだと思います。

「いじめはなかった」と「蓋をされてしまう」のは今回のジャニーズ事件と似ています。名門学校ではいじめを告発するといじめられた学生が問答無用で「学校の権威を汚した」として退学させられたケースがSNSで見かけます。いじめをしている人、退学させた学校側に人権侵害をしている、という意識はおそらく全くないのですね。レベルが高いはずの名門学校で行われているということは、日本人の人権意識の低さを見事に証明しています。

もう一つは言論の自由は憲法で保障されているが、彼はそれを抑え込む方法を見つけた、ということです。その自信が無ければ続けることはさすがにしなかったでしょう。

 マスコミは、彼はどうやって言論の自由を奪うことができたのか、をきちんと検証して再発防止に取り組むべきです。彼にとっては言論の自由が憲法で保障されていることなんか、大した意味が無かったわけです。

 起こってしまったことを隠蔽するのではなく、全て詳細に公にすることが全ての出発点であり、再発防止につながるのだと思います。

中国では国家が様々な手法で言論の自由を奪っているようですが、それとは全く別のケースです。

令和五年 10月





「人に迷惑をかけてはいけない」

カナダのトロントから日本に観光に来た若い女性の旅行者が「日本は保守的で規律があるのに、好きな服装ができる。とても自由だ。」と大変驚いた記事がありました。カナダは先進国で多国籍国家でもあり自由なイメージだったので私も大変驚きました。

 別の番組ではヨーロッパから来た若い女性がコスプレを着て祖国で歩いたら、何回も注意されたり罵られたりしたのに、東京に来たら「素敵、かわいい、似合っている」と様々な年齢層の人から褒められたとのことでした。

日本在住の外国人が、その理由として「日本人は相手の立場を尊重するからだ。」と答えていました。果たしてそうなんでしょうか。

相手の立場を尊重するというより、「関心がない」のではないかと思います。

私は子供のころ「人様に迷惑を絶対にかけてはいけない」とよく親から言われたものです。逆に言うと「迷惑をかけなければ大概のことは許される、あるいは誰も気にしない」のが日本社会ではないでしょうか。

電車などの時間がとても正確なのも日本人が規律を大事にしているから、だけではないと思います。やはり規律をとても大事にするドイツの鉄道は日本ほど正確ではないが、「それくらいは仕方がない」と少々の事では文句はないそうです。たった1分遅れただけで、「お急ぎのところ遅れて大変申し訳ありません。」とアナウンスするのは恐らく日本だけでしょう。

令和五年 9月





「10億円の資産を作る大変さ」

ある人に「いつか10億円の資産を作りたい。どうすればいいのでしょうか?」と言われました。10億円といえば、いわゆる「ビリオネア」ですね。誰もが憧れるステイタスです。

 「正味10億円なのか、借金(あるいは会社の借入の連帯保証)込みで10億円なのか」で全然、難易度が違います。

借金を10億円して10億円の資産を持つことも実は簡単ではありませんが、ただ比較的現実的です。

 正味10億円となると大変です。

そもそも税金は50%を前提にしなくてはならず20億円稼いでようやく手元10億円です。

これ以外に日々の生活資金を稼ぐ必要があります。

 借金が10億円あれば資産は20億円必要ですから、税率50%とすれば40億円稼ぐ必要があります。プラス日々の生活資金ですね。

 借金せずに10億円の財産を築いた人としては「株の売買を本業にした成功者」「上場企業のオーナー」「スポーツ、芸能、作家等の超成功者」くらいでしょうか。

通常は、借入なしで事業を拡大して、大きく安定して稼ぐのは不可能に近いので、正味10億円の資産を築くのはとても大変だと思います。

令和五年 8月





「千葉銀行の行政処分と銀行の社会性について」

個人向けカードローンは一般的に年収の1/3までと法令で決められています。但し例外があり銀行のカードローンは年収制限がありません。これは銀行に対する国の信用を加味していることは間違いありません。

 千葉銀行とちばぎん証券、武蔵野銀行がリスクの高いデリバティブの投資商品を「高度な金融知識のない多くの人に販売し損失を出させた」として行政処分を受けそうです。少し前、スルガ銀行が不動産系の商品を融資とセットで、一般個人に販売し社会問題となり処分を受けたことを思い出します。「優越的地位の乱用」により半ば強制的に「買わせた」ケースもあったようです。

 デリバティブ商品はメガバンクを中心に多くの問題を起こしました。正直に言えば「まだこんなことをやっているのか」という感じです。

 銀行の収益力向上は金融庁の方針ですが、銀行に高い社会性があるからこそ、いざという時に税金で銀行救済をしているわけで、スルガ銀行と同様バランスの崩れた営業は大きな社会問題を引き起こします。スルガ銀行も同様でしたが、現場の暴走というより企業文化の問題と私は思っており、当事者は真剣に反省しないと再び問題を起こすことになると危惧します。

令和五年 6月





「テニスの失格と塞翁が馬」

先日、全仏テニスで日本人である加藤選手が危険行為をしたとして失格となった事件がありました。ボールガールに意図せずボールをぶつけてしまったことが原因でした。

 それ自体については意見が分かれるところですが、SNSの時代においては、こうした事件が動画付きで瞬く間に全世界に広がるということを改めて知らされました。

 相手のペアは労せず「勝利」となり、喜んだことは事実でしょう。ラッキーと思ったことと思います。

 ただ多くの選手、ファンなどの非難が、勝ったペアに向けられ、そして次の試合に負けてしまいました。次に対戦するペアの選手、コーチ、関係者としては相手の戦意喪失のためにも非難することは予想されます。華やかで弱肉強食なプロの世界ですから、ここぞとばかり、つぶしにかかる他の関係者も当然いることでしょう。

 逆に失格のペアは多くの人に同情されたあげく、別の試合で見事優勝を果たしました。

 中国のことわざに「人間万事塞翁が馬」というのがありますが、まさにその通りでした。幸運が実は不幸を招き、あるいは不幸が実は幸運を招いた事例でしたね。

令和五年 6月





「日本人の価値観の変化とSNSの普及」

日本人は国家の意向に従順であると言われますが、私は従順どころか「誰かに方針を決めてほしい、決めてもらわないと不安だ」と思っている人がかなりの割合で存在すると思っています。

「男は外で働き、女は家事を身につけ、20代で結婚をし、子供を二人以上生み、育てる。男は転職をせず定年まで同じ職場で働く。郊外の一戸建てを買い、がんばってローンを返す。」これが昭和の価値観であったわけです。私も含め、皆がこうした価値観から「はずれないように」頑張ったものです。

バブル崩壊による「土地神話の崩壊」と年功序列・終身雇用の終わり、長期デフレにより価値観は崩れ、多様性の時代になりました。またSNSの普及により様々な意見を発信したり聞くことができるようになりました。いろいろな人生、考え方があっていいのだと思うようになり、またそうした生き方をしている人が実際に多く存在することが分かりました。

 結婚を一生しない、子供を作らない、自宅を敢えて買わない、積極的に転職をする、早期のFIREを目指す、など昭和の価値観から見れば異端であるような考え方が、普通になりつつあります。

 「親が喜ぶ生き方」、「世間から認められる生き方」ではなく、自分にとって幸せな生き方とは何かを考え実行する価値観に日本人も変わりつつあるようですね。

令和五年 5月





「中国でのスパイ容疑」

先日、日本企業のサラリーマンが中国でスパイ容疑で逮捕されました。聞けば、結構な人数の日本人が逮捕されているそうです。

 以前、逮捕され6年の刑期を終えた人の話では、「外務省関係者と会って北朝鮮情報の質問をした」だけで逮捕されたとのことでした。ただ私の感覚では「とても危険なことをした」と思います。

 中国には20年前に初めて渡航した時に、空港内に多くの軍人がいてとても怖かった記憶があります。その後、北京オリンピックを契機に緩やかになった感じがしましたが、もともとはバリバリの共産圏ですから、体質は何も変わっていないのですね。

 中国はテロ対策で、ネット・スマホの文言、電話の会話で「政治的な言葉」を感知するシステムが導入されているそうですから、政治の話をすること自体、とても危険です。言論の自由はない、全て盗聴されている、ということをしっかり認識しないといけないと思いました。

令和五年 4月





「マスク無しの日常について」

3月13日からマスクの着用について「自己判断」に変わります。飛行機の中の着用義務は解除されるようです。さらに5月からは新型コロナについて、インフルエンザと同対応に変わり、一般のクリニックでも処置ができるようになります。いよいよ脱コロナということでしょうか。

 約100年前のスペイン風邪の時は約3年間で収束したそうです。ワクチンが無い時代です。今、ワクチンの副作用が議論され始めています。ワクチンがなくても数年で収束したのでしょうか、今となっては誰にも分かりません。

 コロナ禍で医療業界はもちろん、観光業、ホテル業、飲食業、飛行機・鉄道、物流などたくさんの業界に問題が発生しました。ようやく日常に戻ると「当たり前の事」がとても幸せに感じますね。

 マスクについて皆さん、どうされますか。外では使わずに、しばらくは室内だけ使う人が多い予感がします。そして徐々に「日常に」もどっていく。数年後、皆がマスクをしていた時代が懐かしく感じることになるのでしょう。

令和五年 3月





「人生のフィナーレ」

 ある大物歌手が終活のことを「人生のフィナーレ」と語っていました。終活というと後ろ向きの感じがしますが、フィナーレと言うと華やかな感じがしますね。人生というコンサートの最後の盛り上がりということでしょうか。

 今まで買って使ってきたものの中で、使わないものを売ったり、人にあげたり、家も一戸建ては階段が厳しくなりマンションに移ったりしたそうです。

 いつか必ず来る老後に備えて、体力的な衰えをカバーしたり、大きなケガをしないようにする準備は、まだまだ先のことと思っていました。ただ今の60歳は見た目は若くても、中身では確実に老化が進んでいます。寿命は延びましたが「健康寿命」は日本男子では72歳とのことです。ふと考えますと、家族だけでなく、友人・知人、仕事の関係者も確実に年をとっています。病気やケガの話題も増えましたね。

 現在は60歳が定年で65歳から年金をもらえます。車の免許の更新は70歳を超えるとやや厳しくなります。つまり60歳は「老人の入り口」で、「できなくなる」ことが増えてくるということですね。

 心身ともに健康であり続けるためにも、人生のフィナーレを飾るための舞台の準備は重要です。華やかな老後に向けて、楽しく前向きに舞台の準備をしていきたいと思う今日この頃です。

令和五年 2月





「脱コロナ禍に向けて」

 社長の細江は昨年還暦となりました。サラリーマンの同級生は定年退職です。男性は厄年でもあります。人生の大きな節目であることは間違いありません。

 自分だけでなく同級生、同世代の経営者の方々とお話すると気力、体力、健康が顕著に失われることを日々実感でき、とても憂鬱になることで一致しています。医学的には「更年期障害」として男性ホルモンの減少により、鬱の気分になるのだそうです。女性は数年で更年期障害を克服するのに対し、男性は死ぬまで続くのだそうです。

 若い時から食事、旅行、車などに興味を示してきましたが、「飽きた」というのもありますが、日々の生活の平凡さに満足している自分がいて驚きます。どちらかというと家にいるのは苦手な性格のはずが、今では家でゴロゴロしているのは億劫ではなくなりました。そこに坐骨神経痛になったり風邪をひきやすくなったりしたものですから、悪循環です。

 今年は「後厄」ですからまだ慎重に行動すべきでしょうが、コロナ禍も落ち着きつつあり、5月8日からはインフルエンザ扱いとなるのを機に、積極的な行動を意識したいと思う今日この頃です。

令和五年 1月





「還暦」

 私事で恐縮ですが、今月で還暦を迎えることとなりました。「人生を一周」したことになります。長いようで、あっという間でもあった不思議な感じがします。

 2000年に100歳以上の人口は約1万人程度だったのが、2021年では86000人以上と8倍以上に増えています。毎年増加中なので、このままですと90歳くらいまでなら生きるのが普通になりそうです。

 私としては75歳までは現在と同じような生き方をしていき75歳以降は「老後」を堪能しようと思っています。ただ90歳までの働かない15年間はあまりに長い気もしますが。

 海外旅行などは70歳くらいまでが安全かな、と思いますので、本当に年を取ったらできないことをこれからの10年は意識してやっていきたいと思います。少しずつ体の不調、老化を感じるようになりました、健康な体を維持できるかが、本当に大事と思う今日この頃です。

令和四年 8月





「安倍元総理の銃撃事件」

 安倍元総理が選挙応援のため訪れた奈良県で銃撃により死去されました。とても衝撃的で痛ましい事件です。

 犯人は自ら組立した銃を犯行に使用しました。今年の春には銃を完成していたそうです。安倍氏が奈良を訪問することは前日決まったとのことですから、犯人は安倍氏を銃撃することが目的だったのか、たまたまターゲットにしたのかは不明です。

 SPは何人もいたはずなのに背後から2発発砲されて2発目が致命傷だったようです。警護が甘かったことは否定できないでしょう。

 たまたま昨日、駐車していた車の前を家族が横切るときに、運転手がアクセルとブレーキを踏み間違えて、あわや轢かれそうになり、「死」を実感したところでしたので、本当に人生は「一瞬のできごと」「一瞬の隙」で大惨事になるのだと思いました。

 日々、安全で健康で生きていること自体が、とてもありがたい事なのだとしみじみ思います。

 安部さんは本当に無念の死だったと思います。心よりご冥福をお祈り致します。

令和四年 7月





「100歳まで生きる時代」

来日したトムクルーズが若さの秘訣を聞かれましたが、彼の回答は「働くこと」でした。

大卒の場合、23歳から65歳まで社会の第一線で働きます。2025年から定年は65歳が義務化されます。約40年間です。本来は定年以後は余生を過ごすことになります。

2021年100歳以上の人口は日本では8万6510人いて年々増加傾向です。2000年当時は1万人ちょっとでした。100歳以上生きるというのは、そんなに珍しいことではなくなりつつあります。65歳から100歳までは約35年ですから、まさに第二の人生ですね。

弊社は2056年社長の細江が94歳で会社は設立50周年となります。そのころは21世紀も半分が過ぎて世の中は今とは大きく変革していることでしょう。弊社も経営コンサルティング会社でなくなっているかもしれません。

令和四年 6月





「円安について」

 1ドル130円と円安になってきました。アメリカがインフレを抑えるために金利を引き上げたのに対し、円は引き続き緩和政策の継続を発表しましたので、当然の結果です。リーマンショック以来、アメリカは中国と並んで猛烈な金融緩和をしましたが、金融の引き締めとなればドルの価値は上がるのに対し、円は相変わらずジャブジャブに緩和していますから円の価値はドンドン下がります。

 円安になると海外からの輸入価格が上昇します。原油などのエネルギー、食糧などが上がれば日常生活に支障がでます。輸入企業は厳しくなります。

 逆に海外に資産を持っているとその価値が上がります。輸出する企業は当然利益が上昇します。

 日本にとって昔は円安が好ましいと言われていました。輸出型企業が多かったからです。現在は日本は世界1位の海外債権国ですから円安で債権価値が増加します。アメリカ国債だけで約160兆円相当所有し金利を受け取っていますが、金利が上昇しドル高で元本は10%上昇しますから海外債権はさらに増加します。

 日本は、貿易収支はトントン、配当などの収入の割合が増えてきました。日本自体が金持ちのパターン、製造よりも投資で稼ぐ国になりつつあります。

令和四年 5月





「ロシア・ウクライナ」

 ロシアのウクライナへの侵略は続いています。もともと兄弟国と言われていたはずが骨肉の争いです。日本で起きた殺人事件の半数以上が親族間だそうで、身近な関係=仲がいいとは限らない、いやむしろ統計的には気を付けなくてはならない相手ということですね。

 軍事力による侵略は今の時代にあり得ない、あっても途上国の蛮行と思っていましたがロシアは国連の常任理事国で大国ですから、本当に驚きました。ロシアの侵略を非難しないあるいは支持する国が数十ケ国あることを見ると、国連は当てにならず、自分の国は自分で守ることの大切さを改めて感じました。

 ロシアへの金融制裁、経済制裁は強烈なレベルで、抜け穴があるとしても、徐々にロシアは北朝鮮化していくだろうと思います。北朝鮮は小国でロシア、中国の支援で何とかやっているイメージですが、ロシアは規模がはるかに大きく、中国もアメリカの監視で支援が難しいことを考えるとより深刻と思います。

 プーチンの失脚と真の民主化政権の誕生は最低ラインですが、ロシア国民が大国であった旧ソ連の幻影を追いかけるのであれば、また繰り返す予感がします。「話し合いなんか通用しない、力が全て」のロシアが変わることができるのでしょうか。

 日本では7月の参議院選挙に向かって改憲論議が活発になるでしょう。共産党までもが自衛隊による国家防衛を主張し始めました。国内でも大きな影響がこれから起きると思います。

令和四年 4月





「スイフト除名」

 ロシアがウクライナに軍事進攻しました。世界が動揺しています。

ただウクライナ側の抵抗は強く制圧は予想より時間がかかっています。ベトナム戦争では圧倒的軍事力のアメリカ軍が敗北しましたし、アフガニスタンではソ連が退却しました。最終的にどうなるのか全く分からなくなりました。

 今回、西側の経済制裁のなかの柱として強力な金融制裁が発動されました。スイフト除名です。国際間の決済はスイフトに加盟して主に基軸通貨である米ドル、あるいはユーロ、円が使われています。 今後ロシアは米ドル、ユーロ、日本円、スイスフラン、イギリスポンドなどの主要通貨が使えなくなりました。主要通貨のうち使えるのは中国元だけです。あるいは現物の金による取引ですね。

 イランは2012年にスイフト除名され経済が悪化し、2015年の核合意に至ったと言われています。北朝鮮は2017年に除名され一層経済が悪化し今に至っています。ロシアは同様に今後、経済が大きく縮小していき、やがて北朝鮮のようになってしまう可能性がでてきました。はたして大量の核兵器を持つ最貧国となるのでしょうか。

 アメリカはロシアに協力する国にも制裁をすると言っています。主なターゲットは中国、中国元ですね。今までなら、ロシア、中国と経済的に結びつきが深いEUが反対したと思われますが、今回はアメリカとEUが結束しています。ロシアの侵攻はヨーロッパに激震を与えたことは間違いなく、これにより世界情勢は大きく変わりつつあります。

令和四年 3月





「パンデミックと経営」

今回のパンデミックの経験から、今後、人間の人生観は大きく変わると思います。健康・免疫力の維持・向上は人生を長く充実させるためにますます重要となります。時間的にも金銭的にも、健康・免疫力の維持・向上への人々の関心は高くなります。身を削って削って仕事で大成功し資産を築いたとしても、早死にしたら何にもなりません。「軽症で済む」体は何よりも重要となります。

当然、経営としての考え方も大きく変わる必要があります。

 「こんなことは想定なんか誰もしていない。しょうがない。」「こんなことは滅多に起きない」というのは、その通りですが、今後も発生する可能性は否定できません。次回は「何の対策もしていない経営者」として失望されるだけです。

また銀行は、混乱が収束したあと、企業のリスクを見る目として、「今回の混乱に対する対策」が審査に加味されるでしょう。現に優良企業であったANAやJTBは瀕死の重傷を負いました。銀行は金融支援をし、貸倒引当金を積んでいることと思います。銀行という職種は「しかたがない」ではすまない、許されないのです。「あらゆることを想定して判断する」業種なのですね。銀行自身、非常に厳しい組織なのです。

 社員がある程度減っても仕事が回るようにする、基本的にテレビ会議とするなどIT化を計画的に進める、など、いつ何が起きても対応できる体制の構築が必要です。「日本式の昭和的な仕事の仕方は大きく減る」というよりこれを機に、先進的な効率重視の経営体制に転換する、と前向きに考える必要があると思います。そうでない会社はまず、取引銀行から淘汰されることになりそうです。

令和四年 2月





「東大での未成年殺傷事件」

犯人は17歳の少年でした。進学校に進み医者になるのが目標だったようです。詳細は現時点では分かりませんが、本人にとって相当な葛藤があったようです。無差別テロを計画し一部実行、その後、複数の人を殺傷したもので、なかなか実行できるものではありません。

 私も大学受験は経験しました。今思えば、どこの大学・学部を受験するかはとても大事な選択なのですが、偏差値と知名度で選んでいた記憶があります。理系の優秀な人は医学部を志望していました。親の希望する大学にも希望する仕事にも受験すらしませんでしたが、幸いにも親は自分の意思を尊重してくれました。

 高校生の時に将来どういった職業をしたいのか、どういったことが自分に向いているのかなどはあまり考えていた記憶がありません。勉強だけではなく、子供の特性をいろんな大人が見て、特性を前向きに助言する世の中にしたいものです。

勉強の得意な子、体が健康で動かすことが好きな子、人と付き合うのが好きな子、パソコン・ゲームの世界が好きな子、などいろいろな人間が社会には必要です。

私は現在の仕事は、「好き」であり「得意」であり「とことん追及したくなる分野」であると思います。だから長く続いているんだと思いますし、金融・経営の分野が苦手な人からは必要とされているんだと思います。

17歳の少年は本当は何になりたかったのか。なんとなくですが医師ではなかったような気がします。

令和四年 1月





「大谷翔平選手とケガ」

アメリカメジャーリーグの大谷選手がMVPを獲得しました。私も子供のころは野球をしていましたから野球は好きですが、本当にすばらしいプレーの連続でした。コロナ禍で気分が落ち込むことが多かった中で本当に楽しい経験をさせて頂きました。

 記録は本当にすばらしいものでしたが、私が一番驚いたのは彼のタフネスさです。彼は細身で日本にいた時もよく故障していました。彼の投球スピード、バッティングパワーに体が耐えきれないイメージでしたね。アメリカでも初年度に右ひじ、翌年は左ひざをケガして成績は厳しかった。それが今年は体もたくましくなり、ケガによる離脱がなかった。

 彼は目標を聞かれて「一年間、無事に終わることが目標です」と言い続けました。そして「無事に終わりさえすれば、成績はついてくる」と。

企業もスポーツでいう「ケガ」のようなものが発生します。商品の事故、社員の不祥事、取引先の倒産、社長の病気など。企業も「無事にシーズンが終わる」ことが大切と思います。

 「無事に」というのは、人によって受け止め方が様々ですが、弊社から見ると、しょっちゅう「ケガ」に見舞われる企業はあります。社長は自分の会社しか知らないので気が付かないのですが、第三者的に見ると共通点があります。上場企業では「社外取締役」の役割が重要ですが、中小零細企業でもそれに代わる役割の人が必要と思います。

 ゴルフで自分はある程度いいスイングをしていると思っていたら、自分のスイングのビデオを見てがく然としたことがあります。「自分はこんなに力んで、かっこ悪いスイングをしているだと?」人に見てもらうことはとても大事なのですね。

令和三年 12月





「日本人と死」

「死んでもやれ」「死ぬ気でやれ」

最近はあまり聞かなくなりました。私が子供のころは、戦後20年以上は経過していましたが、よく耳にしました。アニメ、テレビでも熱血スポーツ、熱血青春ものが盛んで「死んでも」という言葉はよく聞かれました。

 言葉の意味からすれば「本当に死ぬのではなくて、死んでしまうことを恐れない意気込み」ということでしょうか。今、職場で発言したら「パラハラ」とされ管理職として問題視されそうです。

 福島原発の後処理で、東電の社員である父親が「死ぬかもしれないが福島に行く」と家族に言ったときに、妻も娘も泣きながら「いってらっしゃい」と言った話を聞きました。

そして本当に亡くなってしまいました。私の妻に言ったら「経済的な保証はあるのか?残された家族はどうなる?たくさん給料をもらっている役員がやればいいのよ。」と言われ、確かにその通りと思いました。

ちなみに欧米の映画ですと、主人公がピンチの時に逃げることは当然のようです。せいぜい「人類全体を守る=家族を守る」時くらいでしょうか、自己犠牲が発生するのは。

 このように「死」について日本人は明らかに他国と考えが違うと思います。

 個人主義の国では「死ぬのはいやだ」ということは当たり前になりますが、集団主義の日本では「全体のために死ぬことは貴い」ということとなります。

 私は家族を守るために自らの命を投げ出すことはありうると思っていますが、国や組織のために死ぬことは考えられません。皆さんはどうですか。

令和三年 11月





「国立大学と私立大学、国営企業と民間企業」

日本では従来、国立大学志向が強かったですが徐々に私立大学も人気がでてきました。

顕著な例が日本の総理大臣の出身校です。戦後の復興期から高度成長期までは東大をはじめとする国立大学出身者がほとんどといってもいいほどでした。バブル崩壊後は一転変わり、東大出身者は急激に減り、私立大学出身者ばかりとなりました。

 もともと東大生は官僚志向が強く、総理も官僚出身、大企業の社長も官僚とのパイプの重要性から東大出身者が多かったのだと思います。

 官僚の天下りが社会問題となったことで「うまみ」が減り、銀行の「ノーパンシャブシャブ事件」などで不透明な官民癒着が非難され、やはり「うまみ」が減りました。最近では安倍政権で官僚の人事権が政府に移行されました。結果、官僚の人気が落ち、東大生は外資を中心とした会社に就職する傾向が増えたそうです。

 アメリカはハーバード、エール、MITなどは全て私立大学で国立の有名校はあまり聞きません。OBからの寄付金も甚大でハーバードの現金資産は数兆円と報道されました。優秀な学生は潤沢な資金力のある大学で実質無料で学ぶことができます。

 企業では国鉄、電信電話公社などが順次民営化され、イギリスはサッチャー時代に国営企業が多く民営化されました。

 本来、国立・国営と私立・民間はそれぞれ役割が違います。これからは両者の特徴をしっかりと把握して適正になっていくことと思います。

令和三年 10月





「リーダーシップ」

菅総理が辞任を表明しました。私は縁あって「菅官房長官」の時代に4度ほど勉強会に出席させて頂きました。菅さんは、実務的にはかなり強い行動力があり、官僚をねじ伏せている感じでしたね。

 ただ総理になると聞いた時には「何か違うな」と率直に思いました。

中小企業のオーナー社長は大小関わらず「迫力」があります。戦国時代の城主のような感じです。「会社が倒産すれば全てを失う」わけで、いわば命を懸けています。「穏やかで人望がある」「実務能力にたけている」だけでは説明できない、「何か」が風貌、言動にあります。取引先、業界、社員に舐められない迫力があります。

アメリカの大統領はまずは「見た目」が大事と以前、複数の日系人から聞きました。特に「背が高い」ことは必須とのこと。「背の低い日本の総理は、とにかくやめてほしい」とも言われました。理想の大統領はレーガン大統領とも言われました。

日本の総理は国内では、外国に比べれば大きな問題は少なく、また優秀な官僚がいますから、強力なリーダーシップはさほど必要としないかもしれません。

ただ外交・安全保障は総理が当事者です。バイデン大統領、習近平主席、プーチン大統領、南北朝鮮のトップなど、日本は大変な国家に囲まれています。リーダーとしての迫力は必須で、菅さんは実務能力は卓越していても、総理としては国民に不人気だったのは私はそのあたりが原因と思います。安倍さんは背が高く、アメリカの議会で英語で演説をし、アメリカ大統領とゴルフをしたりして、リーダーとしての存在感がありました。今後も外交・安全保障重視で総理が選ばれるべきと強く思います。

令和三年 9月





「犬の散歩は横に置いて」

以前、テレビで面白い番組がありました。犬が飼い主の言うことを聞かないばかりか、買主の子供に暴力的で困っていると。プロがあることを指示したら、驚くべきことに犬は従順になりおとなしくなったそうです。

「あること」とは。

「犬と散歩をするときに必ず犬を自分の横に付けて、前を歩かせない」たった、これだけです。人の前を歩かせると「自分がリーダー」と勘違いするのだそうです。これは犬の動物としての本能だそうです。警察犬の訓練も必ず横ですね。

 人間はどうでしょうか。従業員が経営者に噛みつくことはしばしばあります。経営者が「偉い」というより、経営は経営者がやることで、社員は指示された業務を行うだけのはずです。もちろん従業員の意識が高い、モラルが高いことはいいことですが、経営責任は社員は負いません。

このあたりのさじ加減が難しいところですね。

令和三年 8月





「経営者と精神ケア」

テニスの大坂なおみ選手が鬱をカミングアウトした件で「なぜ最初から言わなかったのか」という批判が起きています。本当のことは分かりませんが、誰でも自分のマイナスのことは言いたくないものですね。アスリートは負けず嫌いの人が多いですから、一般の人よりより言いたくないと思われます。

 さて経営者、自営業の方と日々お付き合いをしていて感じることは本当に悩みが多いことです。事業が拡大中で銀行が積極的な場合もいろいろな事件は起きますが、心が前向きなのでさほど苦にならないのですね。

 ところが事業が後ろ向きのときは、悩みがもっと増える割に、後ろ向きの相談ができる人が少ないのです。また世間も、会社、個人問わず後ろ向き状態の人、会社とはお付き合いしたくないのが真実です。また経営者の方は負けず嫌いの人が多く、認めたくないし人に言いたがらない。

 弊社はそういう状態の経営者と日々お付き合いをしています。「どうしたらいいか分からなくなった」状態の経営者、ゴルフに例えれば、バンカーショットで5回打っても出ないような状態です。「頭が真っ白」状態です。

 よほど強靭な精神の持ち主でない限りは、精神ケアについて日ごろから専門家とお付き合いすることが大事と思います。負担が無くなることはなくても、かなり軽減できます。

令和三年 7月





「いい話は向こうからこない」

「いい話は向こうからこない」と言うと「そんなことは当たり前、おれはそんな愚かじゃないよ」とか「でもたまにいい話もあるよ」などと言われます。ただ経営コンサルをやっていると、相手からの提案を「運がいい」「チャンス」と考えてしまう経営者が実に多いのですね。

 また相手も巧妙で「さも、たまたま」のように見せかけていることが厄介です。また経営がいい時は比較的冷静な人でも、経営が厳しくなってきたときは飛びついてしまうものです。

 売上が低迷しても、やり方次第で意外と倒産とはならないと思っていますが、安易な経営判断で「大きなロス」を抱えると倒産は避けられません。また経営者自身が精神的なショックを受け、ゴルフで連続OBを打ったように頭が真っ白になります。銀行の支援姿勢が変わり、従業員の軽蔑の視線は厳しいものがあります。

そこで私はビジネスの場合は「相手からのいい話」は一律、関わらないことを提言しています。弊社自身も実践しています。それで損をすることはありそうですが、弊社の経験上はありません。

考えてみれば「いい話」は自分自身が独占するか、本当の身近な人にだけ話をするようなもので、なぜ「あなたに」話をしなくちゃいけないのか、冷静に考えたらおかしな話です。プライベートで人に親切にするのとは、違うのですね。

令和三年 6月





「ディスカウントキャッシュフロー」

金融を専門的に扱うと「ディスカウントキャッシュフロー」という考え方を聞くことになります。

 平たく言えば、「3年後の100万円より今貰うならいくら手にしたほうがいいのか」。というようなことです。時間の概念で言えば「金利」が分かりやすいですが、もう一つ大事なこととしては「そもそも獲得できるか」というのがあります。「獲得できる確率はどれくらいか」ということです。突然、相手の状況が悪化したり、あるいは世の中が急変することさえあります。

 相手が超優良企業なら今50万円貰うよりも3年後に100万円貰うことを選択する人は多いかもしれません。相手がうさんくさい会社なら、いくらでもいいから「今」貰うことを選択する人が多いでしょう。相手により変わるのですね。

債務カットなどはこの考え方でカット額の妥当性を考えます。50%は返済されるのに90%を債務カットすることは「合理性がない」ことになります。

 また3年後ならいいとしても10年後となれば超優良企業でも心配になる人は増加するでしょう。コロナ禍を経験している現在は特にそう感じます。

 様々なことを数値化して考えることは、まさに「確率」の世界です。日本人には確率というと不謹慎と考える人が結構います。40年前は「倒産する確率」は不謹慎と言われました。

今では「劣後ローン」という「返済順位の低いローン」も普通になりつつあり、リスクはあるが金利が高いというメリットにより商品としてニーズがあるのです。

令和三年 5月





「人間の欲望」

あなたが1000万円を受け取ることになりました。ただ「3年後であれば1500万円をお支払いします」と言われました。あなたなら、3年待ちますか?

「3年で500万円の利息は高い。相手にもよるが、待って3年後に受け取りたいな。」多くの人が選択しそうです。

 私は直ぐに1000万円を受け取ることを迷わず選択します。将来の金額なんて全くあてになりません。3年後に50%の金利は逆に高すぎて、リスクが高いということが言えます。

いい話は相手からはこない、と考えます。

 今回の新型コロナと同じで「一寸先は闇」です。何が起こるか分かりません。東日本大震災もそうです。世の中がひっくり返ることがおきないと誰が断言できますか?

 また今回は1500万円を受け取れたとしても、それで終われば成功ですが、私の経験では必ず次も「投資」をします。失敗が続いて、もともとの1000万円も失う、いや「ここで終わらせてたまるか」、別の資金(多くは借金)で大きく取り戻すことを実行します。「人間の欲望」はすさまじい、誰しも冷静さを失うものです。私には冷静に判断する自信がありません。

 「大きく成功している人がいるじゃないか」という人は、「宝くじが当たる人がいる」と言っているようなものです。人間ほどほどの欲望が大事、自分に言い聞かせています。

令和三年 4月





「約束手形の廃止」

約束手形が廃止される方向性となりました。支払いを先送りにすることで資金繰りが改善し、また手形の信用により確実に決済され、また銀行で手形割引により資金化できる便利な制度です。

 ただ以前から大企業では手形を廃止する方向でした。年間の印紙負担も大きいこともあります。

 下請けの中小企業等は手形が無くなり、例えば「3ケ月後振込」となると、手形割引ができなくなり運転資金が別途必要となります。

 それでも弊社としては約束手形の廃止は好ましいと思います。

 不渡り=取引停止処分=倒産という非常に厳しいルールがあり、資金が捻出できない場合、たった1回の不渡りでも実質ダメです。相手から安易に「支払いを待ってくれ」と言われるリスクは高まりますが、不渡りになった場合は「即時」倒産となり交渉の余地はありません。

 制度上は1回目の不渡りは取引停止処分とならないのですが、実務上は1回出すと近々に2回目が出るとして対象の銀行の当座預金がロックされてしまうことが多いので万事休すです。

 また銀行側としては、そもそも当座預金自体を廃止したい意向があります。定期的に信用リスクのフォローをしなくてはなりません。またコピー技術の発達により偽造問題も切実です。

 経営コンサルタントとしては「一発アウト」というシステムは弊害が大きすぎます。不渡りを出した会社はもちろん、倒産しないように支援したい銀行、取引先も「支援したら直後に倒産」となると背任の責任を取られることさえあります。

令和三年 3月





「コロナ禍とアジアの再評価」

コロナ禍ではアメリカが世界の感染者の25%を占めています。ヨーロッパ、ロシア、南米はいずれも非常に厳しい状況です。

対してアジア(インドは除く)は相対的に被害が少ない。これにはいろいろな説があります。

とくに日本では「70歳未満の人はBCG接種を受けているので重症化は少ない」「靴を脱ぐ習慣があるから」「マスクをすることに抵抗が少ない」などいろいろです。いずれ解明されることでしょう。

欧米の文化、生活様式は「清潔」と思われていたので自分をはじめ驚いた人が多かったのではないでしょうか。特にアメリカは、ウィルスは軍事的な意味合いからも対策は徹底していると思っていたので、現状は信じられない状況です。

日本は欧米の価値観を追いかけてきた歴史があり、先の大戦の敗戦でそれが一層強まりました。ただここで日本的なもの、アジア的なものを見直す、いい機会と思います。

アジアの途上国の女性と結婚した人がいました。奥さんの国は宗教的な意味からも、老人をとても大事にする文化なのだそうです。自分が老人になったときに身の回りの世話をしてくれことを期待しているようです。1000万円で豪邸が建ち、親戚含め大家族で一緒に住むと言っていました。かたや日本の老人ホームは超高級なところは設備は立派、サービスも文句なしですが、テレビで見た過ぎりではとても孤独で寂しそうでした。

私が高校生の時に祖父が亡くなりましたが当時の男性の平均寿命は73歳くらいでした。

今は60歳で定年となって男性平均寿命の81.45歳まで生きれば21年以上もあります。女性の平均寿命は87.45歳ですから27年以上もあります。いろいろ考える昨今です。

令和三年 2月





「コロナ禍の経営」

コロナ禍は再び拡大しています。しかも拡大ペースが従来より大きく増しています。冬場で乾燥していることと年末年始の飲み会が多かったことが原因のようです。経営者として大事なことは、このような時こそ、慎重で冷静な判断と実行力が大事です。

どうしても下がった売上をカバーすることだけを考えがちですが、利益を最低限出す、あるいはどうやっても利益が出ないレベルなら、赤字を1万円でも少なくする発想も重要です。売上利益率が低い会社なら経費の削減を最優先するのは当然です。

またこのような時は、「銀行の審査は厳しくなる」ことは必然です。「こういう時こそ銀行の出番ではないか」という意見はもっともですが、残念ながら銀行は預かった預金を運用しているのであって、ボランティアやバクチをするつもりは全くありません。

日本人(特に昭和の男性)はとかく「玉砕」型を好む傾向があります。「一か八か果敢に攻めるぞ」などとは考えず、やるべき手は打ったうえで、じっと時を待つことも大事かと思います。あと3ケ月、あと半年と言いながら辛抱強く粘ることです。リーマンショックで多くの建設関係の会社が破綻しましたが、その後の建設関係の好景気時にはライバル企業は減っていました。

またコロナ禍をきっかけとして、売上規模ではなく、利益、キャッシュフローなどのバランスのとれた経営をしていきたいものです。事務所家賃、人件費は2大固定費です。平時に事務所を縮小すると風評被害が心配されますが、今は大丈夫です。人件費は閑散期に合わせ、多忙期は多少高くなっても外注で賄うのは人件費を変動化できます。

ある会社で、「専門職の人が足らない」と社員が文句を言っていました。社長は「これ以上の受注は限界です」と社員に言われ続けたそうです。さこで専門職の仕事を全て外注にしたところ「もっと仕事をください」と言われ社長が呆れたそうです。その中にはかつて社員として働いて文句ばかり言っていた人間もいたからです。

令和三年 1月





「経営コンサル導入のメリットについて」

経営者から経営コンサルを導入するにあたってのメリットを聞かれます。経営コンサルといってもいろいろあります。

 会計事務所の場合は主に経営指標管理となります。これはこれで重要です。

 資金を借入できたら成功報酬で数パーセントを払うようなコンサルは弊社は行っておりません。「借入すべきではないものも借入するように勧める」ことになりやすく、金融ブローカー的になるのが嫌なのです。

 弊社は格付のアップによる銀行からの有利な調達と企業再生が主ですが、15年以上行っているうちに総合的なコンサルをするようになりました。幅広く経営全般です。場合によっては経営者のプライベートな相談にものります。

 社長の細江が弊社自身を15年間経営し、また数百人の経営者との深いお付き合いを経験したことで、実に様々なことを経験しています。実践的なコンサルを自負しているのは多くの経験によるものです。

一見安定している会社でも取引先、社員、役員、銀行、税務署など様々なトラブルが大小問わず発生します。ましてや「不安定な会社」は年間何度もトラブルが発生します。ほとんどが経営者が未経験の事柄ですが弊社は何度も直接・間接的に経験したことです。

 先般、車で人をはねてしまった芸能人がパニックになり、逃げたところを説得されたというのがありました。意図的に逃げたのか、あるいはパニックになってしまったのか。いずれにしろ「ひき逃げ行為をした」として極めて大きな汚点となりました。

 弊社に限らず様々なことについて経験豊富な人に社長が直ぐに電話できることは大事と思います。まずは初期動作を誤らず、次に必要があれば弁護士、税理士、会計士、社労士などに委託すればいいと思います。

また法的には問題がなくとも、また税務的には問題なくとも対銀行では「一発アウト」というのも実は多いことに注意しましょう。売上をあげるのは社長の仕事の一部分でしかないのですね。

令和二年 12月





「銀行員になる」

今年はテレビドラマの半沢直樹が大変大きな話題になりました。 

ただ「若手銀行員の退職が多い」とお付き合いのある銀行の管理職の人は嘆くことが多くなりました。私も退職した人間ですが、入ってよかったと思っています。ただ今は以前より魅力が減りました。

 銀行員としての一つの目標は「支店長になること」かと思います。支店長の待遇が良くて、その支店長が銀行員として一流だけでなく、人間的にもすばらしい人であれば、若い人は「自分もいつかは」と思うはずです。銀行全体として高いモラルを維持できます。

 収益ノルマ、銀行都合の商品販売は民間企業として避けられず、結果として若い人の士気を下げますが、弊社が最も問題と思うのは「支店長の権限」が小さくなっていることです。ある銀行では部下の前で副支店長が「支店長になりたくない」と明言しました。部下はうつむいていました。

 バブル時に支店長はじめ幹部行員の暴走が頻発したので、今度は性悪説を前提としての運営を徹底した結果、大きなケガは減ったと思いますが、支店長の元気が無くなってしましました。昨今のコロナ禍で言うならば緊急事態宣言を長期間行った結果、経済がボロボロになったようなもので、バランスが悪いと思います。私が退職した理由はいろいろとありますが、退職してコンサルタントとしてのほうが社会貢献できると思ったのは事実です。

令和二年 12月





「日本人と個性」

先日、エドワード・バンヘイレンというギタリストが亡くなりました。エレキギターで「ライトハンド奏法」という手法を約40年前に彼が作り上げました。私が高校生のときですが、大変衝撃的でした。美しいメロディーでエレキギター奏法に革命的な影響を与えました。有名なのはマイケルジャクソンの「Beat it」という曲の間奏です。当初はどうやっているのか分かりませんでした。

 日本では早速、解説本が出ました。ただその後、世界の有名なギタリストは決してこれをやらないことに気が付きました。反対に日本の有名なギタリストはほとんどの人が取り入れていることに気が付きました。

 この差はなんだろう、と思います。

 トイレのウォシュレットは日本人の発明ではありません。米国の個人発明家の特許をTOTOが買って製品化したものです。

 某日本車メーカーのデザインが無難すぎる理由として、ある雑誌に以前掲載されていました。最初は斬新なデザインでも、上司に回していくうちに少しずつ「無難なもの」に代わっていき、最終的に役員会では当初と全く違う無難なデザインになるとのことでした。

日本製品といえば、レベルの高い製品の代名詞です。今後は日本人の中から個性を発揮できる人や技術が生まれることを望みますが、「苦手なことは他人に任せる」ということも大事ですから日本人の長所を伸ばすことに集中したほうがいいのかもしれません。

令和二年 11月





「一流の仕事をしたい人に」

本やネットなどで得られる情報でコンサルをする人はいますが、そのレベルの情報にお金を払う経営者はいませんから長続きしません。ですから自分が「実際に経験する」ことはコンサルタントの出発点です。

    下記はほんの一例ですが

  1. 欧米だけでなく、アジアの主要な国、中国、韓国、タイ、フィリピン、ベトナム、シンガポール、マレーシアなどに訪問し、現地の人間といろいろと交流したことがある。工場、ショップ見学はもちろん食事をしたりゴルフをしたり。
  2. 飛行機はエコノミークラスではなく、プレミアムエコノミー、ビジネス、ファースト全て経験し、費用対効果を説明できる。
  3. フェラーリ、ランボルギーニ、ロールスロイス、ベントレーなどに乗ったことがある。超高級車と高級車、大衆車との違いを実感している。
  4. 高級クルーザー、高級マンション、高級ゴルフコース、高級時計、ミシュラン3つ星レストラン、銀座の高級クラブ、何が高級なのか?説明できる。

私は昔、「とにかく経験・投資しろ」と指導されたことがあり、上記の多くを意識的に体験してきました。確かに一流を経験すると「一流のコンサルとは、一流の仕事とは何か?」が自然にどういうものかが分かってくる気がします。

一流の社長は一流の仕事を求めますが、そもそも「一流の仕事とは?」が言葉ではなく、体感で分からないとどうしようもありません。「こんなに頑張っている」と言っても客観的に一流でなければ、一流の報酬は得られません。体験するにはお金がかかりますが、貯金しても僅かな金利しか生みませんから、是非、「投資」に回してみてください。いつか必ず大きな益となって返ってきます。

令和二年 10月





「社員の数」

「社員の数が多いほどステータスが高い。社員を多くしたい。」ある社長から言われて私は考え込んでしまいました。確かに社員が多い会社は基本的に売上が高く規模が大きいハズです。社会貢献という意味でも多数の社員がいる会社は従業員の生活確保に貢献しています。

 「小さい家より豪邸のほうがステータスが高い」これは間違いありません。高級車販売会社の営業はまず「どこに住んでいるか」を確認するそうです。服装や時計、乗っている車は当てにならないのだそうです。

 人工知能の発達により人が要らなくなる、あるいは減らせるのは間違いがない方向性です。財務的に言えば人件費は最も金額が多い「固定費」のことが多いです。日本は米国のように簡単に社員を解雇できる国とは違いますから、本当に「固定」した経費となり、企業再生には足かせとなり苦労します。また働き方改革、ブラック企業批判などを考えると様々なリスクや管理経費が内包しています。

 そうしたことを考えると売上至上主義はほどほどにして、従業員はなるべく少ないほうが良く、特に事務作業は外注、専門家にまかせることを推奨しています。

 弊社も業務を細分化して、様々な専門家に様々な条件で業務を委託しています。お金の管理と顧客情報に関することは自社でやっていますが、それ以外は専門家や専門会社に委託することで、極限まで固定費を減らしています。また法律変更や社会の変化に際して様々な対応が必要ですが、プロが間違いなく対応してくれます。管理・教育などの体力削減とリスク低減ができます。

令和二年 10月





「格式を上げたい、下げたくない」

「格式が高い」は「物事に伝統や品位が感じられること」と定義されています。格式を上げることは小手先では難しく、だからこそ格式が高いと評価されることは名誉になります。逆に下がることは大きな失望を生みます。

 G7でヨーロッパ諸国がメンバー追加に対して明確に意義を唱えたことは、格式がヨーロッパの先進国に厳格に存在している証拠です。日本も皇室が存在しているように格式には敏感です。新メンバー追加によってG7あるいは自国の格式が下がると思われれば当然反対します。トランプさんは米国人であり、あまり執着していない気がします。

 アメリカは歴史が浅く格式には無頓着で、お金が全てだと思っていたら、格式は一部存在するようです。それは人種問題においてです。白人は主人で黒人は奴隷であった歴史は極めて重く、主人と奴隷が対等になるのは本当に可能なのかと思ってしまいます。金持ちになった黒人が高級住宅街に引越したら白人が次々と引越していった、という話を聞きました。

 日本人が非白人でありながらG7の当初からのメンバーである理由は、経済力だけではなく「日露戦争での勝利」もあると私は思っています。アジアで植民地にならなかったのは日本ぐらいで、日露戦争で敗北していたら間違いなくロシアの植民地となっていたと思います。

当時、南下政策をしていた帝政ロシアは世界最強の軍事大国で、ヨーロッパからアジアまで諸国を次々に併合していきました。日露戦争は白人に非白人が勝利した初めての勝利で、しかも相手が西欧諸国ですら恐れていたロシアですから欧米諸国並みの格式を認めざるを得なかったのだと思います。

またアジア諸国の植民地支配からの独立のきっかけともなり、安倍総理が「日本がアジアの代表」と公言しているのも歴史的な意義を踏まえたものと思います。

令和二年 9月





「結婚する時期」

「結婚はいつしたら、いつまでにしたらいいのでしょうか?」若い経営者に聞かれました。

「本当に好きな人ができたときが結婚する運命の時」と昔なら答えていたと思いますが、人生の後半戦にさしかかってきた自分としては、もう少し考えて答えます。

 結婚相談所の相談員が書いていた記事に「33歳の美人で学歴も高い女性よりも平凡でも28歳の女性を男は最終的には選ぶ」というのがありました。息子を持った母親は、ご自身はどんなにレベルが高くても、自分の息子には「少しでも若い女性」を勧めることが多いそうです。年上の女性と交際すると、例え相手が優秀な女性でも露骨に嫌な表情とのことでした。

 男は何歳が一つの区切りかと言いますと35歳かと思います。この年は転職斡旋会社の限界の年と言われます。どうして35歳なのか?おそらく35歳までにいろいろな意味で「スタイルができてしまう」からだと思います。言い換えれば、ある程度の経験を積み、「自分のスタイルができる」のがだいたい35歳ころなのかな?と。個人的には35歳前後に結婚するのがいいのではないかと思います。子供が成人するまで現役で働けます。それまでにいろいろと経験して結婚後は落ち着くことですね。

 結婚したら家の住宅ローンは必須ですが、団体生命保険に加入できないとローンが原則組めません。生命保険も家族のためには必須ですが病気をしたら入れないか増額できません。ですからある程度若くて健康でないと困ったことになります。

 出産については残酷なくらいはっきりしています。以前、不妊治療の専門医の先生の記事に次のように掲載されていました。「男は何歳になっても子供はできる。精子は3日で新しく入れ変わり、年をとると全体の量や質は衰えるが受精に関しては問題ない。女性は生まれたときに持っている卵母細胞は出生後、新たに増えることはなく50歳でほぼ無くなる。」

女性は35歳ころから「プレ更年期」と呼ばれるそうです。ダウン症発生率は25歳で1200分の一、40歳では100分の一と12倍になり流産率は50%と極めて高くなります。また最も深刻なのは、妊婦死亡率は20代前半で0.2%なのに、40歳以降では何と1.1%となることです。現代の日本でさえ100人に1人以上が亡くなっているという現実です。当然、命は助かったものの重症、重い後遺症の方はもっといらっしゃるはずで、まさに「命がけ」です。

ですから女性は特に子供が欲しければ結婚はなるべく早いほうが望ましい。母親が息子に少しでも若い女性との結婚を望むのは、女性だからこそ女性の現実をよく分かっているからであり、結婚相談所で男性が女性の年齢を非常に重視するのは、出産を考えると実はとても理にかなっていると言わざるを得ません。

令和二年 9月





「公私混同」

私は公私混同をすることは「とてもよくないこと」と肝に銘じています。中小企業のオーナー社長は「会社のお金もオレのものだ」という人が多いです。

銀行員はお金を日常的に扱うので「公私混同」はご法度ですが、一時が万事ということで銀行員同士の交際・結婚もよくないと言われていました。

会社にとって、自腹を切る人は一見良さそうにみえますが、公私混同していることに変わりはなく「いつも自腹を切っているのだから、たまに返してもらってもいいだろう」ということになります。そしていつしか「返してもらう」ことに抵抗感がなくなり、多額の横領につながったりします。社員はもちろん社長も同じです。

 私はいろいろな会社、経営者とお付き合いしている中で、公私をきちんと分けている会社、経営者は長続きしていると経験的に思うようになりました。

 いわゆるブラック企業は極端なサービス残業、社員に自腹を切らせることが多いのですが、社員が不満を持っていないはずがありません。気が付かないところで何をされているか分からない。変な風評も、様々な事故も運が悪いのではなく、「いつかはこうなった」ということです。

 かといって一般の中小企業では、銀行レベルまで徹底する必要性はないと思います。「公私混同はとにかくダメだ」と意識するだけでも違います。いろいろとやらなければいけないことが多い中で、大きく道を踏み外さないことが「長生き」につながります。

令和二年 9月





「芸能人の不倫」

芸能人の不倫問題や脱税問題、反社取引などで謹慎処分となる人が昨今増えています。

脱税や反社取引は明らかに刑事事件対象ですが、不倫はどうでしょうか。

不倫は日本では第二次世界大戦以後は刑事事件の対象ではなくなりました。韓国では2015年まで、台湾では今年の5月まで刑事事件対象でした。ただ今でも不倫行為は不法行 為として損害賠償請求の対象となります。

そもそも芸能人に対してどこまで品格を要求するのか。特にお笑い芸人と呼ばれる人に品格をそもそも求めるべきなのか?芸能人の私生活が多少荒れていても芸が良ければいい のではないか?

すると家内は「青少年に対しての教育という観点からみると影響は甚大」と言われました。「強ければいい」「金があれば許される」「仕事ができればいい」では世の中がすさ みます。

かといってまじめそうな人ほど、芸がちっとも面白くない気がします。スター性のある人ほど異性にもててスキャンダルも多い気がします。皆さんはどうお考えですか。

令和二年 8月





「夫婦別姓」

夫婦別姓は世界の流れで、先進国で現在でも夫婦別姓が認められていないのは日本だけだそうです。女性の社会進出や夫婦そのものの価値観がかわってきている中、いずれ別姓 は認められることになるでしょう。

 尊属殺人という言葉を皆さんご存じですか?47年前の1973年に違憲判決が出て25年前の1995年まで刑法に残っていた規定です。平たく言えば、「親からどんなにひどいことをされても、例え自分の身を守るためであっても、親を殺害した場合は死刑と無期懲役しかない」という法律です。そういった法律が25年前まで残っていたわけで日本の保守層の厚さを感じます。もしかしたら村山政権が誕生していなければ今でも残っていたかもしれません。夫婦別姓は、こうした保守層の厚い日本ではなかなか理解されにくい。

 正式な夫婦であることは夫婦同姓以外では、警察、税務署等を除くと、ほとんど分かりません。個人情報管理と漏洩の罰則は一層厳しくなりました。

ですから夫婦別姓が認められると、外部からはほとんど「正式な夫婦」かどうかは判別できなくなり、正式な夫婦でなくても「夫婦です」といえば「夫婦なんだ」と理解するし かないのですね。結婚式をあげないことも普通になってきました。すると例えば「世間体」で結婚する人などは、結婚する動機が薄くなります。また権力者や金持ちにとっては実 質的な一夫多妻制が起きると思います。世間的には「夫婦だ」と言えばいいわけで、離婚に伴う様々なリスクを勘案すると「結婚しない」ことを選択する人が増えそうな気がしま す。

中国は家族を大事にすると言われてますが、夫婦別姓です。子供は父親の姓を名乗りますから、財産・地位がある人はどうしても男が欲しくなります。結果、「女の子」が軽く 扱われます。また夫婦よりも自分の名字に帰属する傾向がでてきます。妻が夫よりも同じ名字である父親や(母親は別性)兄弟姉妹に帰属意識が高くなる傾向です。意外にも日本で も江戸時代から明治時代の後半まで夫婦別姓なのですね。何かあれば「実家に帰る=一族に戻る」ことになります。

非常に重いテーマで、単なる名字の問題ではなく、「夫婦とは?」「結婚とは?」という問題に発展してしまう気がします。

令和二年 8月





「ウォシュレットとおしぼり」

私は海外出張、海外旅行で気が重くなるのは、トイレにウォシュレットがないことと、レストランでおしぼりが出ないことです。今回のウィルスの件であらためて考えてしまいました。

 日本では今やトイレはウォシュレットがあることが常識です。手洗い時も自動で水がでて自動で止まります。本当に徹底していて「過剰じゃないか?」と思うことがありましたが、新型コロナのまん延を経験すると、今は非常に安心感があります。

 おしぼりも気になりますね。例えば米国では高級レストランでさえ、おしぼりは出ませんから、トイレで手を洗ってから食事にいったりしています。

 面白いのはこうしたことは日本人だけではなくて、日本に長期間住んでいる外国人も同じように「あって当然」となっていくことですね。習慣とは恐ろしい。

新型コロナの影響でマスクは世界的な習慣になりそうです。ウォシュレットとおしぼりも世界的な習慣となれば、私は海外にもっと行きたいと思っています。

令和二年 7月





「疑似資本」

「細江さん、運転資金の借入は月々返済するものではなく、疑似資本として考えるように銀行に言ってください。全然、理解してくれないのですね。」金融庁の幹部の方の発言です。 

私は「あなた方はバブル後、問答無用で、返済がない=不良債権などと厳しく指導をしてきたので、なかなか難しいと思います」と言いました。 ただ当局の人は本当に困惑している感じでしたね。

数十年前、普通銀行は短期資金しか調達ができなかったので、融資も半年から1年の短期融資ばかりでした。返済条件はほとんどが「期限に一括で返済する」というものです。

ただ実務的には期限がくると「同額で半年間か1年間延長」というものがほとんどでした。月々の返済はゼロでしたね。

工場建設などの長期資金は長期専門の銀行がやっていました。

金融円滑化法により今では30%以上の中小企業が返済を減額しているそうです。今回の新型コロナの影響でさらに増加することは間違いありません。「当初の返済条件を守っていない企業が普通」という日本の金融は異常事態です。

月々の返済がない時代に戻したい理由はこうした事情なのでしょう。

令和二年 7月





「経営シミュレイションゲーム」

学生時代、ある経営シミュレイションゲームを何度もプレイしましたが、何度やっても途中で倒産してしまいました。コンピューターメーカーの社長として毎月指示を出し5年間無事に経営すれば終了です。

 2年目にとても景気がよくなり、在庫が全部なくなるほどです。値引きも必要ありません。こうした状況が何か月も続くと、経営者は「もっと会社を大きくしたい」と思うのですね。

  1. 工場・設備を増設する。
  2. 営業拠点、社員を増やす。
  3. 給料・ボーナスの水準を増やしモラルを上昇させる。

などです。商品がいつも不足していて、気も大きくなるので①-③まで全て実行してしまいます。気分も最高です。

 ところが3年目にはライバル会社が新商品を発売し、また景気が下降となります。すると大変なことが起きるのですね。

 価格を下げても売れなくなり在庫が増加します。売上が減って在庫が増えると資金繰りが悪化します。しかたがないのでリストラします。徐々に「利益よりも目先の資金繰り最優先」となります。工場の一部閉鎖、研究開発費は大幅削減、地方の営業拠点を最終的には全て閉め、社員を大きく減らします。またボーナスも大幅減額しますが、すると「モラル」が下がりさらに売れなくなります。そして最後は業者への支払い、給料が払えなくなり倒産します。3年目の決算さえ組めない。

 しかもこのゲームでは銀行の融資枠は減らないのです。それでも、あっという間に倒産してしまいます。現実は、銀行の融資枠は減ってさらに倒産する日が早くなります。

 私が「売上至上主義」を危険と考えるのは、このゲーム体験が原因かもしれません。

 ちなみにこのゲームで無事5年間過ごすには、商品が飛ぶように売れても慎重に考え、開発費は横ばい、大きな投資はしないことです。すると景気が悪くなっても資金的な余裕があり、例え赤字でもギリギリ乗り切れるのですね。ただそれだと本当につまらないのは事実です。

単なるゲームなのに資金繰りがだんだん切迫してくると本当にあせって正常な判断ができなくなりました。現実なら本当に大変で「あぶない金融」に手を出す人がいても不思議ではありません。

令和二年 7月





「投資と回収1」

4月上旬にロールスロイスの中古車を購入した人がいました。新型コロナウィルス(以下コロナ)の影響で相場が下がっていたところに、期間限定の200万円のクーポン券が送られてきたそうで、購入を決断したそうです。ディーラーがさらなる景気悪化を心配して、在庫を一旦全て処分したかったようです。

 6月上旬にはコロナの影響が収まり株価も上昇しましたが、ロールスロイスの中古車価格も昨年末の水準に戻ったことに気が付いたそうです。またイギリスの工場が閉鎖されて受注済の新車の納車が中止となったことで、さらに今後中古車価格が高くなるのではとのことでした。6月上旬時点で2ケ月前の購入時より価格が約20%も上昇したので、「いい時に買った」と大変喜んでいました。ローンはディーラーのローンで、直ぐに審査がおりたそうです。

 リーマンショックで株価、不動産、リゾート会員券、高級車などの価格は大きく下落し、その後のアベノミクスにより価格は大きく上昇しました。リーマンショック直後に銀行に国内外の不動産購入などの融資の申し入れをしても、私の周りの人は、ことこどく断られました。

アベノミクスにより価格が上昇してからは、銀行は融資に積極的になりましたが、価格は既に上昇しています。高値で買った人で、新型コロナウィルスにより下落相場で売却しなくてはならなくなった人は多数いますが、銀行は担保を取っていて安値では全額回収できないので売却できません。返済猶予で先送りするしかないのですが、不良債権化したことは間違いなく、件数が膨大になると銀行の融資スタンスはネガティブになります。ですから「今がチヤンスだ」と投資をしようとする企業・個人にも融資をしないのですね。

令和二年 6月





「投資と回収2」

こうした悪循環がずっと続いているのが日本の現状です。シンガポール、香港、台湾などの華僑勢力が果敢に勝負に出てメリットを享受しますが、彼らはリスクをとって勝負しているわけで文句を言ってはいけません。日本人が投資をしないことで競争が低く、結果として安く買えるというわけですから成功の可能性は高くなります。

 日本の銀行はバブルの反省がきちっとできていないのではないか、と思います。まだまだ上がるという時は、実は「終わりの始まり」であって、投資は下がったときにするものです。アメリカは株価が大きく下がっても、逆に投資をする人がいて、ほどなく上昇します。

 リーマンショック、天災、ウィルスなど景気を極端に悪化させる事象は今後も繰り返し起きます。金額が少なくてすむときに投資をしていれば、景気が良くなったときに投資金額を全額以上回収できます。景気がいい時に高額の投資を行っていては、その後の景気悪化では投資の回収は誰がやっても難しく、企業は「返済猶予」をしなければならなくなります。政府保証の支援融資も重要ですが、同時に「アフターコロナ」に向けて積極的な融資もしていかないと、銀行の融資拡大も、採算向上も、行員の見識も向上しないのですね。

 麻生大臣が「銀行が制度融資以外の融資もやっているかチェックする」と発言し、銀行界から不満がでているとのことでした。大臣の発言の背景には、政府が「銀行は何をしているのか、銀行は必要なのか」という強い不満があると思います。銀行が融資をしなくても景気が立ち直れば、銀行の収益に悪影響と言われるマイナス金利解除は全く必要がなくなります。

令和二年 6月





「社会の分断」

日本は昔、「自民党=大企業・富裕層・アッパー中間層」、「野党=中小零細企業・若者・生活困窮層」というイメージで、社会は今より分断されていたと思います。ただ自民党自体が「派閥」という名の連合政権であり、そこに公明党が加わって一層バランスをとった政策がとられるようになったため、リベラルな野党の勢いが下がっていった。与党が野党の政策を吸収してしまった感じがします。これだけ保守の政権が続いているのに、個人への累進課税が年々強化され、世界一富裕層に過酷な課税となったのが、その一例です。

 黒人暴動が起きた米国の州の知事はリベラルである民主党だったそうです。白人優位でない政策をとったことで、白人に不満が溜まったのでしょうか。

 オバマ政権時、「逆差別」と言う言葉をよく聞きました。ハーバード大学のトップが白人青年だっのは「人種差別だからだ」という抗議によって、「非白人」がトップに代わったというのは、私にとってかなり衝撃的でした。映画でも黒人がトップで白人が部下という設定は、そのころ間違いなく多かった。

その後、白人至上主義者であるトランプ大統領が誕生し、今度は黒人が不満をうっ積したということでしょう。3年前から「白人の反撃が開始された」とも言われています。

 バイデン大統領候補は筋金入りの親中国ですから、トランプ大統領の反中国政策加速は必然です。イスラエルに加えて、今回は「反共の中華人」がトランプ氏のスポンサーになっていることは間違いないでしょう。極端な政策は加速しそうです。

 米国の共和党と民主党は、安全保障以外は激しく対立しています。「勝った勢力がやりたい放題」「敵に復讐する」というのでは韓国でも同様ですが、社会の分断は避けられません。以前、中国の高官が「民主主義が本当に最善なのか」と発言したの

もこうした背景があるからのようです。日本は、生真面目で極端なことを避ける国民性もあって、多数決と少数意見の尊重という民主主義がそこそこうまく機能している感じがします。

令和二年 6月





「資産はあるけど現金はない」

いろいろなお金持ちを見てきましたが現金は意外と持っていないものです。ヨーロッパの貴族も「資産はあるけど現金はない」と言われています。

 ここでは具体的な金額として「資産10億円の金持ち」としましょう。

 給料が1憶円あっても手取りは4500万円です。毎年3000万円貯金しても10年で3憶円ですから、給料所得で10憶円貯めることはかなり難しいです。

 広大な土地を相続した大資産家は、売却すると多額の税金がかかりますから通常は売却しないのですね。10億円の土地を現金にすると仲介手数料や税金を取られて半分くらいになったりしますから、損した気分になります。また「面大地減価」といって大きな土地は買手が限定されますから、一般的に計算上よりも安くなり、価格が不満でさらに売却しません。「私は10憶円の資産がある」と思っていた人が、「5億円に目減りする」と分かれば、強制されないと売却しないでしょう。

 会社が上場したらオーナー株の価値は、一挙に数十億円以上になります。でも売却しないと現金になりません。これにも売却したら手数料、税金がかかります。また経営者の株式売却はインサイダー規制等いろいろな制約があり、また他の大口株主が登場し経営権を揺るがす事態になりかねません。結果、株を担保に借入して現金を手にすることが多いのですが、しょせんは借金ですから、現金があるとはいえないのです。担保である株価が暴落すると大変な事態になります。

視点を変えると、豪邸やロールスロイス、クルーザーなどで10憶円の資産があれば、世間的に「金持ち」としてのステータスがあり「すごい、うらやましい」と称賛され本人や家族は満足するものです。一方、現金はいくら持っているか第三者は分かりません。

 また現金は経済の安定している国では利回りが低い。するとベンチャー企業や不動産等に投資して結局、現金は減っていきます。失敗して取り戻そうとするほどハイリスク投資をして、さらに現金は減っていく人を何人見たことか。

令和二年 6月





「日本人のトップの条件」

新型コロナウィルスの対策で日本は強権的なことはしていないにもかかわらず、短期間で収束に向かったことに世界が驚いているようです。

 日本のトップである安倍総理が対応の一部について謝罪し、丁寧に自粛を要請する姿はいかにも日本的です。「外出したら逮捕あるいは罰金だ」とはならないのですね。何故でしょう。トップは能力がないとなれませんが、人格者であることも日本では必須条件です。

僅かなワイロや公用車の私用などで地位を失った国会議員、知事を見ますと、日本人はトップの金銭的な不正を金額にかかわらず絶対に許さないのですね。「これだけの知識・経験・能力がある人を些細なことでクビにすることは損失ではないのか」という意見は支持されないのです。

TVドラマの水戸黄門はすごい長寿番組でした。毎回、悪役が最後に成敗されるパターンですが、これにでてくる悪役は「万人に嫌われて殺されてもしかたがない」という人間でないとダメです。スカッとしません。見ていますと「地位の高い人の横柄な態度、弱者いじめ」と「不正にお金を受け取る」この2点が最も効果的で、ある意味では悪役のおかげで長寿番組となったともいえます。

 日本以外ではトップはトップとしての特別な能力が求められ報酬も信じられないくらい高い。高い学歴、幅広い人脈、知識経験がビジネスマンとしての価値を上げる。欧米ではトップ、経営陣はエレベーターも他の社員とは別であるのが普通です。カルロスゴーン氏はおそらく日本以外では、ありふれた経営者なのかもしれません。

日本企業では、日本人の社長よりも外国人の副社長のほうが、給料が圧倒的に高いケースが散見されます。日本人のトップはなぜ高い給料をもらってはいけないのか?

ある中国人から「日本人は1人では、むしろひ弱に見える。ただ日本人が3人集まると龍になる」と言われたことがあります。確かに1人の人間の力がどんなに優秀でも結束した集団の力には勝てないことが多いでしょう。1人の能力よりも集団の力を重視するのは実は理にかなっているのかもしれませんね。

お金にクリーンで人格者であるトップのもとでこそ日本人は一致団結し、耐えがたきを耐え、結果として最大の力を発揮できるとすれば、諸外国から何と言われようと不変のトップの条件として続いていくと思います。

令和二年 6月





「ピーク残高と前例踏襲」

銀行員で法人担当の者は融資をするのが主たる仕事となります。毎日のように融資の稟議書を書くことになります。

 まずは決算時のスコアリングと格付、今後の見込み、採算などを総合的に勘案して決まった「年間方針」が重要です。銀行員はこの年間方針で1年間、顧客と対応します。また都度、業績、他行動向などを勘案して融資をするかしないか、またいくらまで融資するかなどを検討します。

 その中で若い時によく理解できないことがありました。「過去のピーク残高の範囲内かどうか」という融資判断です。上司に「どうしてピーク残高以内なら大丈夫といえるんですか?」と聞きました。

 答えは「過去のピーク残高は一度銀行が検討して融資をしている。それを超える場合は新たに慎重に協議をしなければならない。ただそれ以内なら、そこまでは一旦認めて返済が進んだのだから、再度そこまでの融資をすることは認めようという習慣だな。」

 つまり前例があるということでしょうか。万が一の時の責任が重くない、ということでしょうか。

 であれば「景気のいい時にこそ、お金に困っていないときこそピーク残高をあげて、万が一の時に備えることは賢明だ」と思いました。私は企業経営者にそういって「そんなにいらないお金」を融資したことが多かったです。銀行からも「よく借入してくれたな」と褒められました。

令和二年 6月





「保証協会の保証付融資のリスク」

小渕内閣時代、経営安定化資金として、5000万円の融資が保証協会の保証付で、簡単に銀行から借りられる時代がありました。当時、私は銀行の某支店の管理職で、銀行の方針として積極的にセールスしました。

 ところが、あるIT企業が5000万円の融資を受けた翌月自己破産したのです。

 保証協会からは「借りて直ぐに破産なんて、銀行の審査に重大な問題がある。計画的な倒産、詐欺ではないのか。保証の実行は難しい」と言われてしまいました。部下は顔面蒼白となり私は保証協会と話し合いをしました。

 5000万円が入金となって毎日カードでATMからカードで少しずつ現金を下ろし、無くなったところで破産したものでした。最終的には理解を得られたのですが、ひとつ間違えると背任となるところでした。

 つまり政府や保証協会が保証しても「重大な落ち度がある」とみなされた場合は、「保証を取り消すことがある」のです。そうなると社長の保証はあるものの、実質的に無担保無保証で融資をしたのと同じです。回収できなければ当然、関係者は懲戒処分、最悪は背任で銀行から訴えられます。

 ですから国や保証協会の保証はあっても銀行員は安易に融資をしないのですね。

令和二年 6月





「夫婦別姓と一夫多妻制」

昔、銀座で飲んでいたころ、自分が銀行出身の金融コンサルタントということで臨席3人の男性から話かけられました。3人はそれぞれ子供が7人、8人、10人いて、もちろん複数の女性に「産ませた」とのことです。10人の子供がいる人は「一人100万円を毎月仕送りしているので大変なんです」と言っていて、さすがに驚きました。日本の金持ちは実質、一夫多妻制なのかと思いました。

国は夫婦別姓を認めていませんが、その理由の一つとして「夫婦であることが分からなくなる」というのがあります。「名字が同じでない夫婦」が普通になれば、金持ちの一夫多妻制は間違いなく加速するでしょうね。そして「愛人関係」でも、「夫婦」と公言するでしょう。結婚しない抵抗感は低くなります。

離婚時の慰謝料とかを考えたら正式な結婚は減るでしょうね。超大金持ちは昔の将軍のように「自称奥さん」が10人くらいいるのが、珍しくないことになりそうです。

中国で、離婚にクーリングオフ制度が導入されると報道されました。私が聞いた話では、すでに離婚届の月間の受付件数が制限されていて「今月はもう一杯だから来月届け出してください」と言われるのだそうです。新型コロナの影響もあって婚姻数の約半数が離婚している状況ですから、政府は何とかして離婚の件数を減らしたいのでしょう。

中国は夫婦別姓で子供は男親の名字を名乗ります。家族で奥さんだけが別の姓なのですね。奥さんは名字が同じである父親や祖父、兄弟姉妹と親近感を覚えるようです。(母親、祖母は別性です)名字が同じ同士の連帯感は間違いなくあるようで、同じ孫でも外孫、内孫という感覚が存在するようです。

ちなみに明治時代末期まで日本でも夫婦別姓だったのですね。おそらく夫婦・家族の連帯感を高めるために同一にしたのだと思います。

令和二年 6月





「大家と言えば親も同然、店子と言えば子も同然」

 新型コロナ対策である政府の自粛要請で、休業としている自営業の方は本当に大変です。売上が激減中の中、「固定費支払いが厳しい」という話が広がっています。固定費の多くは、人件費と家賃です、また後払いである税金も負担ですがこれは繰延が可能のようです。人件費は人員の削減や政府の助成金などで負担削減が可能です。

そうなると家賃負担が大きな障害となるのですね。

ビルオーナーといっても多くは銀行借入をしているケースがほとんどで、また固定資産税などの固定費や修繕費、また個人所有であれば最大55%という税務(昨年分)があり、資金繰りは余裕がないことは弊社の経験で感じています。

「一切要求には応じられません、以上」と言っても、払える人は払うでしょうが、払えない人はやがて延滞していきます。仮に追い出したとしても、今の時期、次のテナントは直ぐには決まらないでしょう。あるいは新規の申し出が仮にあっても相場は下がっていて、「現テナントから下げてほしいと言われた金額」さえ満たさないリスクもあります。破産すれば裁判所にしばらくロックされてしまいます。夜逃げとなると残置物の処分は非常に面倒で当面放置となります。

ですから強硬に「引き下げはできない、待てない」と門前払いをするのではなく「情けは人の為ならず」、やはり話し合いをすることが大事なのですね。

令和二年 5月





「マスクをしない人」

マスクをしない人がいます。「どうしてしないんだ」と思うと同時に「どういう人がしないのだろう」と考えてしまいます。

 家内は「宝くじで10憶円当たったらマスクするわよ」と言いました。

 なるほど、意外と核心をついているかもしれない。宝くじで10憶円当たったら「あれもやりたい、これも買いたい」と思うでしょうから、絶対に新型コロナに感染したくないはずです。つまり自分を大事にしていない人ということになります。

 マスクは飛沫感染防止のほかにウィルスの弱点である「湿度」をのどや鼻に保つ効果があります。

 マスクをしていない人は自分を大事にしていない人でしょうから、当然手洗いもしていないでしょう。ある意味、「危険人物」と自ら表明しているようなものですから、絶対に近づいてはいけないと思っています。

令和二年 5月





「浮気は裏切り」

異性関係のトラブルは夫婦間で深刻な影響を及ぼします。

いわゆるプロとの浮気であれば基本的に愛情はないので、まだ救われます。そうではない場合、プライベートならまだしも、相手が仕事関係者だったりすれば仕事・事業にも直接的に大きな影響があります。

 今の時代、浮気に関して男も女もありませんが、仮に夫の浮気とします。奥様と毎日寝食をともにしているのですから、妻から「裏切者」と認知されて生活に深刻な支障がでないはずがありません。安心して寝られない、あるいは妻の作る食べ物に、毒とはいかなくても「体に良くないもの」が長期間混入されても何ら不思議ではありません。

 夫が倒れて救急車で運ばれると、医師は必ず奥様を呼びます。医師はいろいろと奥様と相談します。奥様が何というか?「延命の必要はありません」と言われたら、まさに自業自得ですね。

映画・ドラマの世界では裏切者は軽蔑の対象で、また必ず死亡することになっています。浮気は「裏切り」です。昔と違って携帯などで気軽に撮影、録画、録音ができ、GPSで追跡ができる時代ですから昭和の時代とは違うと認識しないといけません。

ある社長が大金を妻名義にして銀行に預けていました。ある日突然、妻から離婚を言い渡され、探偵が撮った浮気の証拠などを突きつけられ「財産、お金は慰謝料として全て頂きます」と言われたそうです。その前日まで奥様はとても優しかったそうで、その社長は「人間不信になった」と言っていました。社長は「家内とは大恋愛で結婚した。妻は私にとてもよくしてくれる。100%信用している。」と私に話していました。社長が浮気をしている気配が全くなく、私も人間不信になりました。

令和二年 5月





「極端なことは避ける民族」

日本の皇室の歴史は世界で圧倒的に長いです。他国は、侵略や革命などにより多くの王制が断絶してしまいました。「中国、フランスやロシアの皇帝・王室が残っていたら」と少し残念な気がします。日本の皇室が長期に現存している理由の一つに、日本人が「極端なことを避ける」文化があったからだと思います。

 第二次世界大戦当時の日本は軍事政権で強権的な時代でしたが、これは例外ではないでしょうか。信長のような人間はいましたが、統一間近で部下に殺害され、最終的には家康が勝者となりました。江戸幕府後は戦国武将をはじめ改易を多く行い、250年以上の天下泰平の世となりました。

 敵対的M&A、戦闘的資本主義は欧米では当たり前で、資本家と労働者という階級が現存しています。日本では階級は厳密ではありません。日本は格差が拡大しているとマスコミは言いますが、中国よりも社会主義的ではないか、とさえ思います。

奴隷制度は人身売買として戦国時代の日本でもありましたが、欧米のように大規模にはなりませんでした。

 今は新型ウィルスへの対処が世界的に大事な課題となっていますが、日本政府は極端な政策を明らかに回避しています。悪く言えば「不徹底」ですね。

中国はレストランなど全て「封鎖」しました。感染が収まって旅行などが広がっているニュースをTVで見ましたが、現地の人に聞けば、今でも市内でマスクをしない人を「特別な監視員」が全員バスに誘導し乗せているとのことです。(その後、どうなったのかは分からないとのこと)どうも緩んでも日本以上のようですね。

令和二年 5月





「アビガン飲みますか?」

今、新型コロナに感染し医師からアビガンを勧められたら飲みますか?

私は即、「お願いします」と回答することにしました。というより陽性が分かった瞬間、自分から「アビガンお願いします、先生」というつもりです。

 理由は?

銀行員17年、経営コンサルタント17年の中で、経験的に最も大事と思っていることは「最悪は何か?それの回避を最優先する」ことです。

 もちろん最悪は「死亡」ですから、副作用よりも生きることを優先します。死ぬリスクがあるのに副作用を心配するのは「木を見て森を見ず」です。

次に「セカンドワースト」は「肺へのダメージが重症で仮に治っても一生ダメージに苦しむ。厚労省が副作用が強いということで限定的使用とした薬アビガンを大量に長期に飲み続ける」ことかと思います。この薬はインフルエンザの場合の何と3倍も飲む必要があります。

 昔、ある開業医の先生から喘息やアトピーに処方される「ステロイド」を「自分は最初から出す」と言っていました。先生の子息が喘息で、経験的にそれが一番いいのだと。ステロイドは医師は一般的に使用をためらうのだそうです。しかし、結果として悪化するとステロイドを使うことになり、しかもステロイドの中でも非常に強いランクの薬をたくさん使うことになるのだそうです。

 ある芸能人が新型コロナに感染し当初はアビガンを断ったが悪化し「死にそうに苦しく」なり、処方してもらった。が何と一回当たり9錠を飲まなくてはならなかった。症状が軽くなったら4錠となったとのことです。

 最初から飲んでいれば4錠ですんだのでは?結果として肺のダメージは軽くすんだのでは?と思います。

 やけどは軽くて直ぐに応急処置をすれば痕があまり残りませんが、ひどいやけどの場合は一生痕が残ります。同じかと思います。

令和二年 5月





「売上をどうしても増やしたい」

売上をただ増やすだけなら実は秘策があります。

  1. 売上代金の回収をできるだけ遅くしてあげる。
  2. ややリスクのある会社と取引する。

  1. の方法だと相手は取引するほど資金に余裕ができますから、資金上のメリットで相手は取引拡大を強く望みます。極端な話、商品を仕入したが「半年後払いでいい」となればどんどん仕入れるでしょうね。
  2. 信用調査でリスクの高い企業ほど、そもそも取引してくれる会社が限られますから、取引拡大は容易です。少々無理な条件でも呑んでくれます。

実は、銀行の本業である「融資」も同じなのですね。借入期間が長ければ「借りたい」というニーズは高くなります。極端な話「50年返済」だったら、借りたい人は多いと思います。またリスクが高い会社ほどお金には苦労していますから、「借入ニーズ」は高いです。融資を増やすことは簡単です。

規模を拡大するだけなら、「資金力」と「リスクを取る」ことができれば、いくらでも売上は拡大できます。ですから売上が大きいことを自慢されても、「危ないことをやっている?」「黒字倒産?」とうがった見方をついしてしまいます。

令和二年 4月





「米国人と中国人」

新型コロナ収束後、米国と中国の覇権争いについて日本はどうすべきか、という議論があります。

 米国は日本と軍事同盟を結んでいます。GHQ撤退後も、日本に米軍が駐留することを決定したのは吉田茂さんです。安倍総理の祖父である岸信介さんは、東条内閣の閣僚だったくらいですから、当然反対でした。その後安保改定をしています。ただ結果として米軍は駐留することとなり今に至っています。安全保障第一主義の米国として、これが解除されることは考えられません。対米黒字はとても大きく、他国経由も含めれば経済面でも米国は非常に大切なパートナーです。

 中国は近隣です。成田から沖縄までと大連まではほぼ同じ3時間で、帰りは偏西風の影響でたったの2時間30分です。また日本語は漢字を使っており、日本人の名前も漢字です。韓国、ベトナムが独自の文字を作ったのにもかかわらず、日本は一貫して漢字を使い、干支や七夕などの習慣も広く根付いています。本土には人口は14憶人以上いて、別途、香港、台湾、シンガポール他世界中に「中華人」のネットワークがあり、中国語ができれば世界中で空港に着いたその日から生活できるくらいです。今後も巨大な市場であり続けることは間違いありません。今や「アジア人を見かけた=中国人だろう」というのが世界の風潮です。絶対数が違いすぎます。「あなたは、日本人だったのですね」と言われる時代に変わったのですね、寂しいですが。

 結局、日本人としては両者とうまく付き合うしかない、というのが結論ですね。

ただ苦言とすれば、米国人はアジア系に対する卑下の見方が非常にきつい。日本人だと言えば対応が変わりますが、日本人が白人の米国人とロシア人を区別できないのと同じです。

 中国人は当たり前ですが日本人を「人種差別しない」ですね。嫌うのと人種差別は違います。お互いに「同じ人間だ」という認識ですから。ただ中国人の途上国への卑下はとてもひどい。

令和二年 4月





「新型コロナと世代間の軋轢」

新型コロナの抑え込みを最優先するか、経済を最優先するか、今、究極の選択が問われ始めました。

 新型コロナは65歳以上の高齢者は危険との統計的なデータがあります。65歳以上の人の多くは年金生活者で、収入は安定しています。公務員や十分な財産がある人は抑え込みを優先することは当然です。

 半面、若い人ほど新型コロナの死亡リスクは低いです。経済悪化で収入が減ったり、無くなると生活ができなくなります。若い人は十分なストックが無いのが普通ですから、フローが止まると経済的な死が現実となります。事実、失業率が1%上がると統計的に自殺者は数千人単位で増加します。

 立場によって見事に利害が相反することになりました。

 民主主義の原則は、多数決です。投票によって政治家が選ばれるとすれば、政治家はどちらを優先すればいいのか?ちなみに出口調査では自民党への投票者は、若者ほど高い傾向があります。

令和二年 4月





「生き残ることと臆病さ」

「想定外のことが起きた」

東日本大震災の時によく言われました。特に「想定外の高さの津波」です。3階建ての建物の屋上に避難してもダメだった。ところが実際は裏山に石碑が建っていて「ここまで津波が来た。これより下は危険だ」というようなことが書かれていたとTVで見ました。とすれば全然「想定外」ではなかった、ということです。

 今般のウィルスは想定外かというと実は100年前にスペイン風邪で、さらに昔、ペストで世界はパンデミックになっていますから、やはり「想定外」ではなかった。まさに「天災は忘れたころにやってくる」のです。

 それでは企業経営としては、どうすればいいのかという問題ですね。細かくは事業内容、規模などで全く違ってくると思います。ただ、多忙なのが経営者ですから弊社は3つの提案をします。

  1. 現預金、資産の換金について
    困ったときには銀行は融資をしません、というより背任を恐れてできません。平時に借金してでも手元資金を意識的に持つ。不動産含め利回りよりも換金性重視とする。
  2. 保険加入について
    経営者保険、団信付融資、火災・地震保険などを強く意識する。
  3. 倒産するシミュレイションで危機に備える
    (これは別途述べていていますので省略致します)

ただ以上のどれも考えていない、実行していない経営者が実に多いのですね。特に「営業大好き社長」や「職人気質社長」には経験的に多いです。意外とマイペースでテキトーにやっているような社長がしっかり考えていたりします。

私は小学生のころから愛読しているマンガでゴルゴ13というのがありますが、天才である主人公は成功に大事なのは「10%の才能、20%の努力、30%の臆病さ、残り40%は運」と言っています。また「タイガーのような男は長生きしない、俺は臆病だからまだ生きている」とも言っています。

徳川家康は三方原の戦いで武田信玄によって死にかけましたが、影武者を使って何とか生き残り、逃げ帰った時の自分のぶざまな姿を絵かきに書かせ、深く反省したそうです。

信長はタイガーのような男で、家康は臆病だったのかもしれませんね。

令和二年 4月





「決定できない人々1」

昔、銀行員の時に、本部が極端に優柔不断でちっとも融資の稟議が通らなかった時期がありました。しょっちゅう顧客への回答期限を過ぎて「時間切れ」でうやむやにする。他の支店に聞いても同様でした。口では「支援しなくてはならないし、本部も承知している」と言いながら、承認もせず、断るわけでもなく、いろいろな質問をして、回答したら次の質問。ただ先送りする。顧客は仕方がないので他で資金を調達する。

 そんなことがあまりに続いた時に、支店長から、ある会社の件で「支援を打ち切りたいという事前稟議書を提出しろ」との指示がでました。メインバンクが支援を打ち切る=倒産やむなしということです。

 本部は「支援しないとは言っていないし、そんな極端な意見には賛成できない」として「支援の打ち切り」に明確に反対したのです。メインバンクが支援しなければ他行は支援するはずもなく、倒産してしまうから、ということです。結局、私が顧客と相談して半分の融資額として、残りは顧客側の努力で解決しました。そうしたら本部のスタッフにものすごく感謝されました。「当初の半分で済んだから即、承認する」と言われ、本当にその日に承認されました。延々と議論したものは実はほとんど関係なく「金額が半額で済んだことに満足した」ということです。本当に情けなくなりました。

令和二年 4月





「決定できない人々2」

今般、政府の「一律10万円支給」に対して紆余曲折がありました。比較して都知事は休業者に50万円-100万円支給を早々に決定しました。

都知事は、「私は都民から直接選ばれ任せられた」という意識が強く、また任期が迫っていて再選を強く意識したことなどから、決定する意識が強かったと思います。

野党の支持率が低迷しているので、自民党に「次に野党化する緊迫感」がなくなったことで政治家が官僚化してしまい、「大きく失敗しないこと、万が一の言い訳を作ること」に執着することになっていると思います。長期に身の保全を守るにはそれが一番だからです。映画「シンゴジラ」の冒頭はまさにそういったシーンでしたね。

 平時には、こうした状態は極端な失敗が起きないので必ずしも悪くはないのですが、未曾有の危機の時には機能不全となることが再確認できました。バブル崩壊後の国家再建の超長期化は機能の問題と思っています。国民は失敗を許さない、失敗した人の経験を重要視しない体質なので、前例踏襲・大きく失敗しない路線は仕方がないことかと思います。

つまり「ないものねだり」です。「親や先生の言うことをきっちり守る子がいい子」と子供に教育しておいて「もっと斬新なことができないのか」としかるようなものです。たまったもんじゃありません。

 ブラジル大統領は、ついに経済優先を決定しました。ある程度の期間、感染し死亡者がでても貧困を防ぐことを優先すると決定しました。米国も一部変わりつつあります。

長期化が避けられないと判断した時、日本もいつか決定しなくてはならないでしょう。

そうしないと、航空会社、旅行業、ホテルは数か月以内、超優良企業、銀行でさえも1年以内に全て倒産してしまいます。国の支援は無尽蔵ではありません。いつ誰が決定するのか、と言えばトップしかいないと思います。間接的とはいえ国民に選ばれた「総理」が決定し、皆が従うということです。

令和二年 4月





「新型コロナウィルスと自殺者」

新型コロナウィルス(以下、コロナ)で世界中がパニックに陥っています。これの恐ろしいところは、まだ薬やワクチンがないことと、感染力が非常に高いことです。私も毎日、控えめな活動をしています。

 ただデータだけを見ればインフルエンザの方がはるかに恐ろしいといえます。タミフルのような特効薬があって、毎年予防注射をする人が少なからずいるにもかかわらず、毎年数千人の人が亡くなっています。(なのに冬場は映画館やカラオケ、バーには行かないようにしよう、などとは誰も言っていない。)

 ですから薬さえ開発されれば、コロナが「毎年の恒例行事」程度となる日がくると信じています。もう少しのガマンです。

 それより自殺者が毎年2万人以上いることが大問題です。多い年は3万5千人です。推測ですが原因のトップ3に間違いなく「経済的な理由」あると思っています。将来を悲観しての一家心中、借金・倒産・失業等を苦にしての自殺などです。弊社はこれについては関与していけると思い、日々研鑽しています。ただ正直、しばらくは自殺者は増えると思います。

 誰もが、なるべく長生きして、いつか死ぬとしても安らかに死にたいと思っているはずです。病気や事故での突然死、自殺で死ぬことは避けたいと思っているはずです。人生、運任せのところは多々ありますが、やはり何事も日ごろの行いの積み重ねだと思います。

令和二年 4月





「志村ケンさん」

志村ケンさんが新型コロナウィルスで亡くなりました。ドリフターズを見て育った自分としては、また70歳だったことから本当にショックでした。私は東京に上京して初めて住んだ町が三鷹市牟礼で、偶然にも志村さんの近所でした。本当に残念です。

 志村さんのコントで一番好きだったのは、バカ殿様でしたね。追悼番組を見て改めて爆笑してしまいました。最近、こんなに笑ったことはないしテレビ番組も面白くなくなりました。

 志村さんはストレス、プレッシャーで胃に穴が幾つもあいて、たばこも酒もヘビーだったようですが、身を削って人を笑わせていたのかと思うと本当に頭が下がる思いです。

 聞けばご実家は父親、兄弟ともに堅い職業の方ばかりのようで、根はものすごくまじめな方なのだと思いました。本当にお世話になりました。ご冥福をお祈り致します。

令和二年 4月





「半沢直樹」

半沢直樹の新シリーズが始まりました。前金融庁長官が「銀行員は彼を見習え」と言った銀行員です。(金融庁と敵対している主人公なのに、懐が深いのか、それともそれだけ現在の銀行員に危機意識をお持ちなのか)

私がまだ25歳くらいの時に、職場の先輩にある日言われました。「細江、何を悩んでいるんだ。銀行なんて強きを助け弱きをくじくんだ。当たり前だろ。大体、朝礼で、お客様を第一に考えましょう、なんて確認する会社がどこにある。」

 ドラマ半沢直樹が高視聴率だったそうですが、多くの銀行員は「あんなもんじゃないよね」と言っていました、私もそう思います。つまりもっと非情な組織ということでしょうか。

 ただ今のような国家的な危機に際し、銀行にしかできないことがあるはずです。

 東日本大震災の時に、助成金のつなぎ融資で、回収が問題ないにもかかわらず民間銀行5行全てに断られた会社がありました。結局、実行してくれたのは、某政府系金融機関でした。その課長曰く「こういう時こそ政府系の出番です」と言われ、彼が半沢直樹に見えました。つなぎ融資は何の問題もなく数か月後に返済しました。津波で崩壊した建物が建替えられました。「復興支援」と言っても民間銀行の実態はその程度です。

 悩んでいる銀行員は数多くいると思いますが、悩んでいること自体素晴らしく、自分にできることを、できる範囲で頑張ってほしいと思います。こういった時期だからこそ、銀行員に誇りと使命感がより高くなることを強く望みます。

令和二年 3月





「倒産するシミュレイションの勧め」

国税庁が発表した企業の寿命は5年15%、10年6%、20年0.3%です。5年続かない会社が85%もあるというのは正直驚きですが、20年続く会社が0.3%というのもかなり驚きました。どうしてこんなに続かないのだろうか?と経営コンサルタントとしては興味を持ちます。

最大の原因は「リスク管理の甘さ」につきると思います。「自社が倒産するときはどのような時で、どのように倒産するだろうか?」というシミュレイションをできれば外部の会社にしてもらうことですね。どんな業種でも、倒産につながる危機が「20年に1度」は必ず起きると考えて経営をすることかと思います。

今回、トヨタはメインバンクGに1兆円の融資枠の申し出をしました。大きくなると安全弁も「兆」の単位になるのだと感心しました。昔、某銀行のトヨタを担当した方の話では、トヨタは無借金だが銀行との付き合いをとても大事にしている、というのを聞きました。トヨタが決して甘い会社なのではなく、危機管理がしっかりしている会社なのだと思います。

 さて、弊社はいわば「拡大依存症」というべき経営者を多数見てきました。

ギャンブルが趣味の人の話でよくあるのは「**も儲かった」という話です。「**使ったからそんなに儲かっていない」という冷静な話はまずありません。この場合は「儲かった」ことに興奮を感じているようです。企業経営者でも同様のことがあります。「こんなに大きくなった」ということにただ「興奮している」のです。隠れたリスクも大きくなっていることなど気が付いてもいない感じですね。

弊社のような経営コンサルタント会社は、正直、今回のような社会的な危機では売上が急増することになります。ただ安定した経営のためにはバランスを持った経営が必要だと思っています。弊社は1年に1度「自社が倒産するシミュレイション」をしています。弊社では社長が急死することが最大の経営リスクですが、保険等で借金が全部払えて、数か月分の運転資金が残る準備をしています。また大口取引先が突然解約となったときのリストラのシミュレイションももちろん行っています。好景気が続くと減収減益となりますが、不景気の時に不動産などの投資を行っていて含み益が拡大することになっています。

令和二年 3月





「反社会的勢力を回避するには」

いわゆる暴対法ができてから、反社会的勢力(以下、反社)に対する厳しさは増しています。交際するのは論外で、食事を数回しただけでも自分が反社になると考えなくてはいけません。役員に入れるのは論外で、テナントの入居者として入れてもビルオーナーがアウトとなります。銀行は融資を引き揚げます。

 ただ実務的にだれが「反社」で、どこが「反社勢力の会社」なのか、分からないことが多いものです。弊社はまずは「銀行からの借入があるか」を確認します。銀行が新規融資をする場合、社長、役員、株主、仕入販売先、関連会社などを全て調査します。以前、決算書の買掛金に記載されているたった1社が「反社に近い」ということで、新規取引を断られた会社がありました。たまたま担当者が話をしてくれたもので、本当は無言で断りますから、ますますわかりません。

 ある会社の社長が「無借金会社です」と自慢していましたが、弊社が反社の話をしたらショックを受けていました。つまり「無借金じゃなくて借りられないのでは?」と見られているのかも、ということですね。私は住宅ローンもクレジットカードもない個人とは絶対にお付き合いしません。

 「見かけが悪そうな詐欺師」はいないものです。一見良すぎる会社、親切すぎる人は疑ってかからないといけないと思っています。利用されて信用失墜した人がいて未だ復活できていません。

令和二年 3月





「新型コロナウィルスの拡散と経営破たんの拡散」

経済的な影響が露見し始めました。経営破たんの拡散は経営者だけではなく、従業員の失業や取引先の連鎖倒産などを考えると、少なくとも「ウィルス」と同様に議論しなくてはならないと思います。残念ながら、マスコミではあまり議論がされていません。

新型コロナウィルスは世界に拡散し感染者は増加の一途です。中国では共産主義政権ならではの徹底した隔離政策がされており、患者は減少に向かっているとのことです。ただ、ただでさえ中小企業の支援機構のない中国中小企業にとって、曖昧さのない徹底した政府の政策は、ダメージが甚大です。例えば中国のレストランは日本のように「顧客が減った」レベルではなく、「営業不可」か、営業許可が下りても「顧客ゼロあるいは商品全てお持ち帰り」ですから日本より悲惨な状況となっています。

 日本政府は、中国に忖度しているとか、対応が遅い、曖昧・不徹底と非難されています。ただ私は日本政府は、難しい絶妙な舵取りをしていると感心しています。

徹底した隔離は実は難しくはありません。中国人の訪日禁止に始まり、韓国人、イラン人を訪日禁止にする。そして日本人の海外渡航も原則禁止にし、学校休校のみならず、人の集まる集会等は全て禁止にする。そうすれば感染者は僅少になるはずです。そこに人種差別は許されませんから、イタリア人とイタリア人が自由に行き来できるEU全体、また同盟国の米国人もいずれ入国禁止にしなくてはいけません。

問題は経済的なダメージです。既に株は暴落し為替は円高に振れました。春節の観光客を受け入れしたことで非難がありますが、倒産、夜逃げが減ったことは間違いないと思います。

中国は米国を抜いて日本最大の貿易国です。極端な政策は反作用も甚大です。倒産、夜逃げは一般の方は身近ではないかもしれませんが、自殺や重度の精神疾患になったり、ヤミ金などの反社会的勢力などに娘が誘拐されるなどの悲劇が日本中に間違いなく起こります。

「ウィルスの死者は僅少に収まったが、自殺者・行方不明者は数千人になった」というのでは、メデタシメデタシとは絶対に言えません。むしろ、ウィルスはいずれ収まるでしょうが、日本では一旦破綻した企業や経営者は再生することは極めて難しいのです。

申し上げたいことは、国全体を見ればバランスが大事で、冒頭の通り日本政府は絶妙に舵取りをしていると思います。

令和二年 3月





「キャッシュレス決済と現金、クレジッカード」

日本もキャッシュレス社会になりつつあります。中国ではほとんどすべてがキャッシュレス決済です。タクシーはもちろん、屋台のようなところでも現金はお断りです。お札はともかく、小銭の清算や持ち歩きが不要なのは楽ですね。日本では数年後に紙幣が変わりますが、中国では必要性がない気がします。 

日本のお札の発行残高は約100兆円です。他の先進国の平均割合でいけば25兆円が妥当な水準となるそうで75兆円多い計算になります。タンス預金の金額は70-80兆円とのことですからタンス預金分、多いということのようです。

 私が高校生の時、今から約40年前、クレジットカードが普及しだしました。当時、クレジットカードでの買い物は顧客も店側もいやがった。店は手数料がもったいないし入金が翌月になるので現金のほうが歓迎されました。顧客はサインなど時間がかかり面倒がった。ですから当時、店へのカード端末機導入がカード会社の営業として重視されました。「日本ではクレジットカードは普及しない」論が大変強かったのを記憶しています。

現在は立場が逆転し、カードが使えない店は顧客が入りにくいです。カードが使えないとカード手数料は必要ありませんが、売上自体が間違いなく減ってしまいます。クレジットカードは支払いを約1ケ月繰延べできるので、現金払いを増やすと手元の資金負担が増えることになります。言い換えると仮にクレジットカードを止めて現金払いに戻すには2ケ月分の資金が必要となります。ある有名レストランで「現金のみ」というのを知らず、清算の時に慌てました。味はおいしかったのですが、二度目はありませんでした。

 カードは万が一、紛失し悪用されても一定期間は保険が適用されるので実質的なリスクはありません。むしろ現金のほうが危険です。ただ東日本大震災の時は、停電で数日間カード決済ができず、現金が必須だったようで、多少の現金を持っていることは必要ですね。

 昔、都心の立ち退き交渉をする不動産会社社長に聞いた話では、ビルの立退き交渉時には相手に現金を見せるのが効果的とのことでした。例えば「5000万円云々」と口で言うより、5000万円の現金を実際に机に並べるほうが説得力が大きく増すのだそうです。5000万円ですと5キロありますから、なかなかの迫力です。「今日決めてくれれば置いていくつもりでしたが、分かりました、一旦持ち帰ります」というと「ちょっと待ってください」という感じとのことです。

令和二年 3月





「吉野家」

吉野家は主力商品が牛丼なのに、BSE問題で牛丼が長期間、一切販売できないのを乗り切った会社です。どうして乗り切ることができたのか?

 「なぜ券売機を置かないのか、非効率でないのか?」

一度、「食い逃げ犯」を目撃しました。大学生の時です。初老の男は牛丼を食べた後、「払っただろ」とバイト男性をにらみつけ帰っていきました。松屋は券売機ですからこうしたことは発生しません。

 数十年後、経済雑誌で社長が「お客様との会話が無くなるので券売機は設置しない」と発言しているのを見てびっくりしました。ただ、これは深い話と思いました。

私は東京に来た時に当初ホームシックになりました。当時は携帯がなく、当初はテレビも電話も部屋にありませんでした。コンビニももちろんありません。そんな時に徒歩10分のところに24時間営業の吉野家に夜食を食べに行くと、オーダーとお勘定の時に店員と僅かですが話をする機会があり、何だか気がまぎれた記憶があります。「あれは敢えてしているのか?」

 「社会に必要とされる会社は存続し、必要がなくなった会社は消える。」良く言われることです。吉野家が存続してほしいと思う私のような人間が、実は社会の中に多くいて、そうしたことも存続できた要因の一つかもしれません。

令和二年 3月





「韓国の司法リスク」

以前、ある日本の中堅企業X社が破産しました。韓国とのビジネスでのトラブルが原因でした。最後は韓国企業A社と韓国で法的に争って決着しようとしたのですが、現地の弁護士が「日本人を応援するのか」と脅され辞めてしまい、後任もやはり脅され、弁護士が決められず絶望的になりました。逆にA社は結果として十数億円を日本企業X社に支払わなくてすみました。

 A社の子息が海外事業部長として日本のX社に常駐しビジネスを拡大し、それ自体は真剣なものだったようですが、一旦状況が厳しくなったら「行方不明」になってしまったそうです。

 世界の国別好感度調査では、対日本では韓国が世界でダントツで好感度が低く現在も変わっていません。

反日国との取引は様々なリスクがあるのですが、司法リスクまでも勘案しないといけないことが大変です。当然、取引銀行はこうした事例を他にも把握していますから、企業が想定している以上に見方が厳しくなることを覚悟しなくてはなりません。いい時はいいが、悪くなったときに法的な対処ができない実例があるということです。韓国は途上国ではないイメージですが、日本に対しては歴史的経緯もあり中小企業としては特に注意が必要のようです。

令和二年 3月





「復興支援と投資」

「日本のホテルは部屋が狭くて内装も貧相で、ガッカリ」日本に来た海外の富裕層がよく不満を言うのだそうです。政府は一生懸命に海外、特に欧米の富裕層の来日を働きかけていますが、残念ながら満足できる部屋が大変少ない。海外の富裕層はおそらく100平米未満の部屋は泊まらない、と思います。できれば150平米以上の広さと高級な内装・家具が必要です。欧米は階級社会ですから、「ステータス性」はとても重要です。

 そこで高級ホテル建設に日本政府が積極的に関与することが発表されました。

 ネットでは「そんなお金があるなら復興に優先的に使うべきだ」という意見がありますが、これは混同しています。復興支援は当然「すべきこと」で投資ではありません。憲法で日本人は生存権が、いわば保証されています。復興支援といえども税金で賄われるものですから、根拠はそれに基づいていると思っています。

 高級ホテルを作って海外の富裕層の来日を増やして、日本ファンを増やすことは国の「投資」です。ラクビーは欧米の富裕層ファンが多いそうですが、ワールドカップで来日して不満が多くでたのでしょう。

投資を「いかがわしいもの」と考える人がいますが、決してそんなことはありません。

たくさん税金を払う人、法人は間違いなく社会に大きく貢献しています。儲かった人ほどたくさん税金を払うことができます。お金がなくては本当に何もできません、ボランティアは限界があります。富裕層に沢山、来日して頂き、リピーターになってもらい、沢山の売上・利益を日本に落としてほしいものです。それが復興の財源ともなるのですね。

令和二年 2月





「選択と集中」

弊社は広く経営コンサルタント業務をしていますが、本業は資金調達と企業再生です。

時々、事業譲渡などもお手伝いしております。

昔、銀行員時代、ある世界的な外資系会社の日本法人と新規取引を開始することができました。今でもいい思い出です。米国本社には3つの事業部があり、それぞれ相応の利益が出ていました。

ところがある日、そのうちの1部門をライバル会社に売却したのです。世界シェア1位の他国の会社に売却しました。儲かっているのになぜ、売却したのか。

 売却した資金で一部は負債の返済に充て財務改善を狙い、残りは新規事業に充てました。売却した部門は今は高収益ですが将来性は悲観的で、今のうちにライバル企業に高く売却して別の成長分野に投資すべき、と判断したようです。ちなみに新規投資した事業はアジアの農業でした。

 この話は平成6-7年ごろで、日本で事業・会社再編を容易にした「会社法」ができる10年以上も前の話です。バブル崩壊後さほど時間が経っていない中でしたので、私は当時すごく驚きました。目先、売上・利益が激減することを日本の経営者が断行することなど全く考えられませんでした。

また銀行はメイン銀行の下に100行との取引がありました。但し企業が交渉するのは2-3行で他は毎年変わります。いわゆるシンジケートローンですね。銀行は保険の再保険のようにリスク分散して投資のような感じでした。

 財務基盤の改善と将来性のために今のドル箱事業を売却する、これが本来の選択と集中であって、傾いて赤字になってから二束三文で売却するのではありません。「実はジリ貧の事業」を「高収益事業」とだまされて高値で買い取る日本企業が多いような気がして心配しています。

令和二年 2月





「売上15憶円の会社」

以前、M&A仲介会社の方から次のような話を聞きました。「営業上のターゲットは売上15憶円程度の会社」。経験上からくるものだそうです。

 売上が15憶円というのは月商約1憶円超ということになります。一般的に、在庫や売掛金から買掛金を引いた運転資金として、大雑把ですが約2-3憶円程度が必要となります。

 保証協会と政策金融公庫などで0.5-1億円が借入できるとして、銀行3-4行からプロパーで1-2.5憶円程度調達の必要がありますが、それほど難しいことではないと思います。

 ところがプロパー借入が5憶円、8憶円、10憶円と簡単に増えるかというと、いろいろな理由で難しくなります。つまり運転資金の問題で事業拡大が止まってしまうことになります。あるいは無理して拡大して黒字倒産に至ってしまうことは決して珍しくありません。

 中小企業は売上増加に見合う管理強化がほとんど後回しです。いわゆる「CFO=財務の専門家」がいないことが多い。税理士は税務の専門家です。よって売上をあげることは得意な社長が「営業部長化」して暴走することが経験上、本当に多いのですね。

 ある銀行の本部の審査のベテランが言うには「売上がずっと伸びている会社は経験上、倒産する確率が本当に高い」と発言しています。営業と管理のバランスが極端に崩れることが多いということかと思います。

つまり売上15憶円程度の会社は資金上の問題から規模拡大に悩んでいることが多く、会社や事業を売却することが多いのではないかと思います。これより小さいと規模が小さすぎて買う側のメリットがあまりない、とのことでした。

令和二年 2月





「敗者復活と性善説の社会」

罪を犯した人の再起について日本人は厳しすぎるのではないかとの指摘を、ある人から受けました。

 経営の世界で言えば、米国は一度失敗した経営者のほうが「経験を積んだ」として、むしろキャリアにさえなる、と聞いたことがあります。日本では、著名な弁護士の先生に以前聞いた話では、「破産はもちろん、民事再生も統計上ではめったに再生しない」というのを聞きました。民事再生により例えば負債が90%カットされ、また債務カット益により自己資本比率が高くなるのだから、その企業との取引を続けたほうがいいような気がします。ただ銀行員によれば、「再生しそうでも万が一、再度、破たんしたら背任になるから一切支援できない」と皆さんおっしゃいます。銀行の支援が得られないのであれば存続は難しい、有力スポンサーが付いた場合でないと資金繰りが破綻して万事休すです。

 企業、個人の「失敗からの再生」がどうしてうまくいかないのか?

 私はこれは、日本人社会が性善説を前提にしていることが大きいと思っています。

 横断歩道で青信号となるとほとんどの人が、すぐに横断を始めます。これは「車が信号を守るに決まっている」という性善説が前提でないとありえない光景です。赤信号でも横断することが日常の国では、「安全かどうかは自分の判断で最終的に決める。ルールを守らない車は少なくないし、事故となれば命を落とすか重体になるのだから、信号なんて鵜呑みにできない」ということかと思います。

 日本が、特に東京のような大都会が整然と機能している理由は性善説が前提だからだと思っています。夕方のスーパーやお昼のランチで清算とおつりを皆がいちいち確認していたら大渋滞して皆がイライラするだけでなくマヒしてしまいます。

 性善説は人や企業を信じることが大前提ですから逆に期待を裏切ったときの損害、落胆はとても大きくなり、ペナルティは厳しくなります。「決して許さない、二度目はない」という「理不尽なくらいの厳しさ」が性善説の社会を維持するには必要なのだと思います。

令和二年 1月





「経営者の家庭環境」

私は顧問先の、ある程度親密になった経営者の方からは、社長の奥様の生まれ育ちをよく聞きます。奥様は最も社長に身近であり、従って特にオーナー企業の場合、経営がうまくいくかどうかに大きな影響があると経験的に感じています。

特に重視するのは奥様のお父様の職業ですね。父親が公務員、大企業勤務の家庭環境の人は中小・零細企業の奥様は難しい、と経験上感じています。脱サラ社長、実家を継ぐために公務員・大企業を退職した二代目社長の場合は特に問題になります。最近、後継者難と言われていますが、奥様の意見で家業を継がない人は結構いるのではないでしょうか。

「ご主人のお仕事は?」女性同士で当然交わされる会話の一つです。答えは「社長です」ということになります。社長といってもまさにピンキリですが「社長」という響きは世の中で独特のものがあります。いいイメージとして「成功者、羨望、金持ち」といったところでしょうか?ただ「胡散臭い、下品、成金、どうなるか分からない」といったネガティブな印象を持つ人も少なからずいるようです。

父親が商売人であれば、家庭環境に好不況があって当然です。収入が大きく入って贅沢なことができることもあれば、ほとんど入らなくて車や時計を売却したりすることも珍しくありません。サラリーマンでは到底住めない豪邸に住むチャンスもあれば、自宅を失うことすらあります。また定年が実質ありません、定年があるとしたら「働けなくなる時」ですね。違いは本当に多いです。

奥様だけでなく、社長自身の育った環境も当然大きな影響があります。

 私の母は勉強面はかなり優秀だったようですが、実家が会社をやっていて昭和20年代ですからまさに戦後の復興期で、商業高校に行きながら会社の経理を任され、途中実家の都合で何度も休学させられ、税務署とのやりとりも10代から一人でやったと言っていました。直ぐ下の最愛の弟は栄養失調という名の「餓死」で亡くしています。映画「ほたるの墓」の世界ですね。戦後の復興期をたくましく生き抜いた一人でした。ですからそんな女性のもとで育った私も姉も、それぞれ経営者となったのは必然だったと思う今日このごろです。サラリーマン家庭にあこがれつつ、満足できなかったということです。

令和二年 1月





「ゴルフは人柄がでる」

ゴルフは本当に不思議なスポーツで人柄がでます。
例えばパットで私が「OK」をしたとき、しようとした時に大体以下のパターンがあります。

  1. 「ありがとうございます」と言ってボールを拾う人
  2. 無言でボールを拾う人
  3. 無視してパットを続ける人
  4. 「OKでいい?」と要求する人
  5. 「これがOK?」と怒ってプレー続行する人

また、ちょっと違いますが、相手には絶対にOKしない人
他にも

  1. ショートホール以外、ドライバーしか打たない人
  2. ロングホールの2打目はスプーンしか打たない人
  3. 林から真横に出してリスクを回避する人とハイリスクを負う人
  4. スコアがしょっちゅう過小申告の人
  5. ボールを探すときに必ず手前から探す人と奥から探す人
  6. パットをショートに打つ人、オーバーに打つ人
  7. 相手のスコアにムキになる人とマイペースな人

皆さん、いかがでしょうか?

令和二年 1月





「マリリンモンローとアインシュタイン」

マリリンモンローとアインシュタインは私にとってプライベートで非常に親近感のある方々です。

モンローは米国を代表する女優で1962年8月5日にロサンゼルスで亡くなりました。自殺ということになっていますが、現職の米国大統領がモンローにメロメロになって浮気をしたと言われ、死亡には陰謀説もあるくらい魅力的だった女性です。実は私の誕生日は1962年8月6日で、米国と日本は約1日の時差があることからモンローが亡くなった日に私は生まれたことになります。この事実を知ったのはつい最近のことです。大リーガーのスーパースターのディマジオと結婚したモンローが新婚旅行に日本に来たことを調べている時に気が付きました。

アインシュタインは有名な相対性理論を発表した20世紀最大の物理学者と言われる人です。彼は5歳まで言葉を発しなかったという記録が残っています。実は私は3歳児検診で言葉をほとんど発しなかったために両親が大変心配して名古屋中の医師にかかったと聞いています。その後、中学生の時に弁論大会で優勝したこともありますから、言葉が遅いというのはあまり心配がないと思う根拠としています。(家内からは「自分が天才とでも言いたいの?」とひどく笑われましたが。)

令和元年 12月





「切腹の文化」

日本では企業の不祥事が起きると社長の「謝罪」と「辞任」がセットになるケースがあります。そして深々と頭を下げ辞めると、そこで終了です。しつこく追及すると追及した人が責められることになります。本来、裁判で有罪が確定してから辞めるのが正当と思えてもとにかく辞める。

 大臣、社長など組織のトップによくみられ、昔で言えば「お殿様」に該当する方ですね。

カルロスゴーン氏は外国人ですが、謝罪も辞任もしませんでした。

私はこれは江戸時代の切腹の文化から来ていると思います。トップが切腹することで全て終わらせる、長引かせない。トップは組織を守るために責任をとることが最大の仕事。

潔く見事に腹を切ることが大事。

ある会社で、非常に重要なポストがあって、そのポスト経験者は歴代100%役員になっていたそうです。ただ一人の例外が発生しました。それはそのポストにいたときに「ある始末書を断固拒否した」人だったそうです。始末書・顛末書は人事部に保管されているものだそうですが、逆に最も早く常務取締役に昇進した人の始末書・顛末書の数は歴代最多であったそうです。

組織のために文句を言わず「全ての責任をとって」辞める、降格する覚悟を持った人が組織には必要な国なのですね。自分は優秀だ、組織に必要だなどと勘違いしてはいけないのですね。

令和元年 12月





「選択の科学」

盲目のインド系米国人の女性が書いたこの本は私に大きなインパクトを与えました。自分が日本人論に昔から興味があって 日本人が何度も登場することも興味を持った理由です。特に下記については強く印象に残っています。

  1. 選択が多すぎると売上が下がる
    商品のバリエーションがある程度あったほうがいいが、多すぎると迷って買わない(選択しない)可能性が高くなる。商品が6種類より24種類のほうが集客効果は1.5倍高かったが実際に買った人はなんと1/10だった。合算すると6種類のほうが24種類より売上が6.7倍となった。迷って選択しにくくなり結局買わない人が増える。「選択が多ければ多いほど絶対いい」というのは間違い。彼女は親が決めた結婚さえメリットがあると言っています。
        自由はいいが、自由すぎると何をしたらいいのか分からなくなる。子供は自由に教育させることが親として一番いいと思っていましたが、本人の適性をみて選択肢をしぼるほうが親の役目ではと考えなおしました。
  2. 日本人と米国人
    ある絵を見たときに米国人と日本人では視点が違う。日本人は絵の全体を見るのに対し米国人は絵の一部を詳細に見る。個人主義と集団主義が「無意識に」ある。
    日本人は、全体の調和は無意識に考えるので、逆に個性を十分に意識することが必要のようです。また謙虚すぎることは美徳ではなく、殻に閉じこもることはやめて時々「冒険」をすることも大事かと。
  3. 動物園の動物の寿命
    アフリカ象の寿命は野生が平均50年、動物園の象は平均15年で、実は動物園の動物のほうが、かなり短い。これは人生や日々の生活に選択がないことが影響している。
    転職するときに2ケ月間休みがあったのですが、良かったのは最初の1週間だけで、そのあとは退屈過ぎてつらかった記憶があります。朝起きて何も予定がない、ことが続いた時期でした。独立した時は不安よりも充実感があった記憶があります。

令和元年 12月





「差別をしない世の中」

小学生の時に学校の先生から言われた言葉があります。「一人の人間がゴミを捨てても大したことにはならない。ただ日本人1憶2000万人が「自分だけは大丈夫」と思って捨てると膨大なゴミになる。そして汚くて住みにくい世の中になって自分にも跳ね返ってくる」

 差別感情は私は、「人間が多かれ少なかれ全員が持っている感情」だとさえ思っています。いろいろな人がいろいろな差別意識を持っていて、「自分だけは大丈夫」と思って皆がそれを公言する社会は、やがて自分や家族が予期せぬ差別を受ける可能性が高くなり、苦しむことになります。もし皆が差別をしない、差別をしない気持ちを強く持ったら、社会が住みやすくなり、自分自身や家族も不愉快な思いをしなくて済みます。「言葉の暴力」は時に実際に殴られるよりもこたえるものです。

 今般、東京大学の准教授が「中国人は採用しない云々」と発言しました。スポンサー企業が支援を中止しスイスの機関が提携を直ぐに解除しました。止めてもそういった人物を支援した事実は消えません、恩をあだで返すとはまさにこのことですね。

さらに今後、彼と「付き合う」個人、法人は「反中国人」とみなされるのを覚悟しなくてはなりません。彼らには強烈な「メンツ」というプライドがあります。中国人、中国系の人は大陸だけではなく、台湾、香港、米国、シンガポールをはじめ世界中にいます。既に差別主義者としてのレッテルを張られた人物と付き合う人は今後現れるのでしょうか?

自分は学歴が高い、収入も高い、生まれ育ちもいい、容姿も水準以上だと今回のような差別発言をしてしまうのかもしれませんが、「中国人差別主義者」だけではなく、残念ながらほぼ永遠に「差別主義者」として今後の人生をハンディキャップを負って生きていかなくてはなりません。今度は自分が差別される側になりました。

社会的な立場が高くなるほど、様々な勉強をしなくてはならないと思います。水戸黄門や暴れん坊将軍、徳川吉宗が弱者の味方で人格者だからこそ人気があるのであって、彼らが「身分の低い庶民が云々」とか「貧乏人が云々」などと発言したら、一般の人よりとても影響が大きいのです。

令和元年 12月





「GSOMIA」

飛行機の搭乗で優先なのは、日本では妊娠中の女性、赤ちゃんを連れている人などが該当しますが、米国ではそれに現役の軍人が入ります。日本では自衛隊の方は優先されません。

 ハワイのホノルル空港がダニエル・イノウエ空港に変わりましたが、イノウエ氏は第二次大戦でナチスドイツと戦って片腕を喪失しました。政治家として日系人としては最高の地位に就いた方です。

 「韓国にいる米国兵の安全を守るのに不可欠なGSOMIAを破棄しようとした」ことを米国は絶対に容認しませんでした。米国の共和党と民主党は激しく対立しますが、安全保障だけは全くといいほど対立しません。今回も上院での韓国へのGSOMIA継続に関する決議は直ぐに成立しました。米国は人権、自由などを重視する国ですが、安全保障はそれよりも優先する国だからです。それは徹底されていて日本、韓国とは大違いということです。

 オバマ政権の後半から米国が日本を重視するようになった理由は、安倍政権が行った機密情報保護法案と集団的自衛権法案の成立が要因、と政府関係者の方から聞きました。米国と機密情報を共有し、米国軍を自衛隊が守ることになり、米国の安全保障に貢献すると評価されたわけです。「北朝鮮のロケットがグアムに発射されたら日本が撃ち落とす」と防衛大臣が発言したことは、米国の大衆でも高く評価され日本への好感度が上がりました。

 韓国のGSOMIA破棄は真逆で、米国軍、米国の安全保障をただ後退させるものです。米国から見れば、そもそも「貿易管理」とバーターするものではないのです。(テロリストを恐れる米国としては韓国への貿易管理強化は実は間接的に米国の安全保障を強化します。) GSOMIAの意義だとか云々ではなく、ただただ「米国の」安全保障を後退させることは「徹底して例外なく阻止する文化」とさえ私は思っています。

 金融の世界で米国は圧倒的な地位を持っています。米国の格付機関や監査法人が韓国の上場企業に対して、例えば「戦争の危機が高まった」として格付を「一定以上」下げたら、韓国から資金が「システム的に」流失します。格付低下を無視して、投資資金を放置することはありえないのです。株価、通貨は暴落し韓国企業は銀行をはじめデフォルトかデフォルト危機となります。大量失業が発生しますから与党は選挙で敗北確定です。事実つい最近、米国の格付機関が韓国の上場企業群の格付引下げをほのめかしました。

 別の見方をすれば、日本が今後も米国の安全保障に具体的に貢献する場合、経済的な圧力は以前ほど激しくならないのでは、と思っています。

令和元年 11月





「アポロ」

日本も宇宙関係の話題が増えてきました。自衛隊にも米国、中国に対抗して宇宙軍創設のような話が先般ニュースで報道されました。

 私は幼少のころ、米国のアポロ計画で月面に人類がはじめて到着するのをテレビで見て、母親に「僕はアメリカ人に生まれたかった」と言った記憶があります。戦争で疎開を経験した母に強くにらまれ「日本は必ず復活する、そんなことを言ってはいけない」と言われました。昭和40年代前半のことです。なぜか鮮明に覚えています。

 日本は高度成長、バブル時代と失われた20年、リーマンショック、アベノミクスと変遷してきました。

GDPは世界3位ですが、世界最大の債権国を四半世紀以上維持しています。ドイツが近々に債権国として日本を抜くと言われていましたが、ドイツ経済は昨今失速気味です。米国債の保有額は日本がトップです、一時期中国がトップでしたが。ノーベル賞は毎年のように受賞して例年行事となりました。

 GDPには海外での経済活動は入らないのですが、人口減少が続く日本としては、今後も海外での経済活動を増加させていくことでしょう。中国も近年、海外投資を拡大させています。

ご参考 
GDPでは米国は日本の4.1倍、中国は日本の3.4倍
GNI(海外での経済活動含む)では米国は日本の3.4倍、中国は日本の1.8倍

令和元年 11月





「白人至上主義」

トランプ大統領になって初めての米国出張をしましたが、些細な事ですが、オバマ大統領時代とは何か変わったような経験をいくつかしました。人種差別をテーマにした映画「グリーンブック」を飛行機の中で見た後だったので余計に感じたのかもしれません。

ハワイでは、有名なステーキレストランがあって日本人の店員がいることもあり予約して行きました。そこは廊下を挟んで右側が白人部屋、左側が有色人部屋でした。白人と一緒に食べたいわけではありませんでしたが、気分のいいものではありませんでした。人種隔離政策?

日本にもある有名なジャズバーではその日はたまたま白人の歌手でしたが、客はほとんどが白人で有色人種は我々と現地ハワイの夫婦だけでした。うまく言えませんが明らかに店員から「困ったような」対応をされました。いわゆる「空気を読め」という感じでした。日本にいるときに予約しており、「貸し切り」では無かったのですが。

米国本土では、ある高級ホテルのバーに行ったのですが、ガラガラで、広いソファが全て空いていたのでちょっと躊躇しましたが日本人2人で座りました。黒人のウェイターが直ぐに来て「そこは大口の予約席なので移動してほしい」とのことでした。「やっぱり座らなければよかった」といいながら移動すると、すぐに白人の夫婦が入ってきて広いソファに座りました。しばらくして先のウェイターが来て今度は私たちに、「広いソファ席に戻っていい」と言いました。これも何か気分のいいものではありませんでした。

 日常の些細なことだけに余計に気持ちが悪いといいますか、何とも残念な経験でした。

令和元年 11月





「階段の踊り場」経営

弊社はクライアントによく「階段の踊り場」が重要と助言しています。

 50階のフロアーに階段で登ることを想像してみてください。もし50階まで一直線の階段であったとしたらどうでしょうか?

 まっすぐわき目もふらずに進めるので、一見無駄がないように見えますが、途中で足がおかしくなりそうです。無事、50階まで登れても体調が良くない人であれば、入院することになるかもしれません。途中で転んだら下まで転げ落ちて大けがか最悪、死亡してしまうでしょう。

 踊り場のある階段は、途中で息を整え、もし足腰に異常があれば気が付く時間があります。転げ落ちても直ぐに止まります。大けがはないでしょう。

 経営も同じで、いくら売上が調子よくてもそれを何年も続けていれば、何か副作用が起こると思わなくてはいけません。踊り場を歩く時間をあえて作る勇気が絶対に必要です。

これは社長にしかできません。

 先般、多店舗展開している会社が民事再生をした記事がありました。粉飾決算、多重リースなどを長年繰り返していたようです。この会社は踊り場がなかったようです。売上が下がると銀行の支援が心配だったのかもしれません。

 ただ計画で「今年は売上は増やさず、不採算取引の見直し・再交渉、リスク管理・資金管理に重点を置く。」と宣言したらどうでしょう。ほとんどの銀行は反対どころか好印象を持つと思います。

 実は銀行自体がそういったマネジメントをしています。例えば店舗開設50周年として2年間、営業重視であった支店で、後任の支店長が融資畑で2年間、最低限の営業しかせず足元を固める、というケースです。そうした場合「今度の支店長は後ろ向きで合わない」という経営者がいらっしゃいますが、銀行はわざとしているのです。バランスをとって経営するのではなく、営業重視の期間と管理見直しの期間を交互に行うのです。

令和元年 11月





「ある多店舗企業の社長の決断」

ある全国チェーン展開している会社がありました。借入が50憶円としましょう。担保物件はテナントとしての入居保証金くらいしかありません。必要資金は店舗出店資金と運転資金です。ただ銀行はなかなか融資をしてくれなくなりました。いわゆる「枠が一杯」となった状態でした。

 50憶円の借入に対して手元預金は3憶円程度しかなく、銀行返済は月々1憶円以上ありました。この会社は100憶円まで借入を増やしましたが、ほとんど使わず手元預金は約50憶円となりました。

 「何のために借りたのか、利息がもったいない、愚かな経営者だ」と思いますか?

 借入が100憶円あっても手元預金が50億円となると、銀行員は「手元資金が潤沢で心配ない、少なくとも自分がいる間は大丈夫」と考えます。借入期間5年であれば利益がゼロとしても(黒字でしたが)、年間20憶円の返済ですから、2.5年は手元預金だけで返済できることになります。銀行は競い合って融資をしましたが、相変わらず資金を使いません。金利は2%台からついに1%割れと半分以下となりました。つまり借入は2倍になったのに支払金利は減ったのです。また借入期間は平均4年から6年に伸び、さらに楽な返済になりました。

 また全国の店舗のビルオーナーに預けていた何億円もの入居保証金のうち多くが返還されるようになりました。後述の理由で、出店ペースを減らしたことで、「是非出店してほしい」という要請が高くなり、結果、新規出店は保証金が大幅減額かゼロということになりました。既存の入居保証金の高い店で収支が芳しくない店は優先して閉鎖しました。

 私は「なぜ出店を拡大しないのですか?」と聞きました、答えは意外でした。


  1. 今まで新規出店資金だと銀行が簡単に貸してくれたので無理してでも出店した。また売上減少すると対銀行で心配だった。これだけ手元資金があると銀行は穏やかで、無理をする必要がなくなった。
  2. 実は人材面を中心に管理面で支障がではじめていて、これ以上の店舗増加はしたくなかった。三分の一は赤字店舗なので、当面は赤字店舗の黒字化か撤退、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドで全体の数は増やさないつもり。
  3. 銀行の融資がないと直ぐに返済が滞るような状況が何年も続き精神的にもきつかった。今は平穏でこの状況を維持したい。

いろいろとやりたい経営者は多いのですが、事業拡大のペースが速すぎると銀行の支援は続きません。ご参考にしてください。

令和元年 11月





「天皇即位と日本人のアイデンティティ」

10月22日に天皇の即位の儀式が行われました。地上波のテレビは全てこの中継でした。雨が強かったのですが儀式が始まると同時に止んで虹がかかった、と奇跡のような光景をみました。家が皇后陛下のご実家の近くなので、当日近くのレストランで外食をしました。

 日本は中国の、あるいは中国皇帝の属国・臣下ではなく、天皇という皇帝が存在する独立国家であると古代より対外的に主張してきました。

 約1356年前の白村江の戦いで日本(当時は倭)が中国の唐に大敗をしたことがきっかけで、中国の諸制度を採り入れ、国名を日本とし、唐の首都長安に習い約三分の一のスケールで「京都」という新首都を作りました。古代中国文化を踏襲し残っているのは実は日本であり、多くの中国人が京都を訪れて懐かしんでいます。米国にディズニーランドが無くなって、米国人が東京ディズニーランドで船に乗って古き良き米国の文化に懐かしさを覚える、そんな感じでしょうか。

 74年前の敗戦では米国の諸制度を取り入れ、新憲法のもと天皇の象徴制が始まりました。22日のテレビで、昭和天皇と吉田茂総理、宮内庁トップの生々しいやり取りが紹介されました。昭和天皇の先生は日露戦争の英雄である乃木大将で、馬車での通学から徒歩での通学に変えるように言われ素直に実践されたそうです。乃木大将は息子が二人とも戦死し、家督の断絶を受け入れ明治天皇が亡くなったときに夫婦で自殺されています。侍の時代から世界的な植民地時代、そして天皇の絶対君主制から象徴制への変貌。

マッカーサーは当初、天皇を最悪、死刑にするつもりだったようですが、日本の今後のことを総合的に考えて天皇制を残すことに変えたと言われています。後に当時の米国の通訳は、昭和天皇が「全ての責任は自分にだけある、部下は命令に従っただけだ、また国民に食べ物を与えてほしい」と言ったのでマッカーサーは天皇の責任を問うのさえ止めた、と証言しています。ドイツの国王は第一次大戦後、「私は本当は関係なかった」と命乞いしたらしいのですが、真逆でした。

日本に生まれ育った日本人のアイデンティティの中に「天皇への特別な感情」があると私は思っています。ポジティブであろうとネガティブであろうと特別な感情を持っていて、天皇や天皇制への畏敬の感情と、悪用されかねないという警戒の感情など複雑なものが入り混じっているのが、日本人だけが感じる共通認識だと私は考えています。

令和元年 10月





「もっと優秀な部下がほしい」

先日、岐阜県庁でパワハラによる自殺が起きて話題になりました。上司は優秀で、ほとんど毎日叱責したそうです。精神的に参ったレベルではなく、自殺にまでいってしまったのだから、厳しい言い方ですが「管理職としての適性が無かった」ということです。

 実は私は銀行員時代、「もっと優秀な部下がほしい」と不満を言っていた時期がありました。プレイヤーとしては自分は実績面などで結果を残し何度も表彰を受けていましたから、自信がありました。ところが30代前半になって管理職になり部下を持つようになってなかなかうまくいかず、イライラした時期が続いたことがあります。

 ある日、人事スタッフとの面接で次のように言われました。「細江さん、優秀な人は例えば100人に1人しかいないから、優秀と呼ばれるのです。基本的にはいないと思ってください、いても細江さんのところにはいかないと思ってください。優秀な人材は、優秀な人の部下に付けません、そんな余裕はないのです。」さすが人事部は優秀だ、言い方が絶妙でした。

 米国のメジャーリーグでピッチャーが6回を3点以内で抑えることをクオリティスタートと呼びます。ノーヒットノーランは華やかですが、安定してクォリティスタートを達成できることは、長期的にみたらもっと大事かもしれませんね。

 私は、その後「俺の部下になったら100%優秀になっているはずだ」という思い込みでAかBの評価しかつけませんでした。部下のいいところだけ記録して人事評価に添付し、自分が大半やった実績も100%部下の成績として振り分けました。ちなみにCが「水準」で合格です。

 部下の私生活のうち特に健康面は気を付けて「仕事なんかよりも健康第一。銀行なんて長い人生でほんの短期間しかいない。体調が悪かったら直ぐに医者に行くか休め。」と何度も言いました。(若い銀行員はそれでも働きますから、応接に呼んで繰り返し言わないといけなかった。)

こんな評価をして自分は大丈夫なのか、と思ったことはありましたが結果は意外でした。

例えば高い評価をして昇進して異動した部下が何人もいましたが、異動後低い評価となった部下がいました。支店長に言われたのは「細江さんの部下では優秀だった、彼は部下の力を発揮させる能力が高い、マネジメント能力が高い証拠だ、逆に異動後の上司こそ能力が低い」ということになったそうです。ある人から「銀行員は減点志向なので高い評価をする人は本当に少ない。意外と人事は細江さんのように高い評価をする人を重宝するのかもしれない。」と言われました。真相は分かりません。

 部下は人事との面接で、どうも私のことを「感謝している」というようなことを皆言っていたようです。それで私の評価が高くなったとのことでした。プレイヤーの時よりも何だか楽して出世した感じでした。調子にのって「自信のない、パッとしない部下はドンドン私のところに回してください」と言っていました。

令和元年 10月





「金田正一さん」

先日、金田正一さんが亡くなりました。400勝投手で有名です。10代でのノーヒットノーラン、完全試合達成などこれもすごい記録です。愛知県の生んだ野球の偉人としては、三河のイチロー、尾張の金田です。

それにしても毎年20勝して20年かかるというのは信じられません。しかも最後は巨人でしたが当初は弱小と言われた国鉄に所属していました。守りも打線も期待ができない中、巨人キラーとしての400勝はすごいことだと思います。

 金田さんは今の愛知県稲沢市に生まれました。私は名古屋に生まれましたが、幼少のころ稲沢市に引越しました。まさに同郷です。明治生まれの祖父が創業社長で、稲沢支店をつくるということで両親は泣く泣く引越したと聞いています。

 また織田信長が生まれた勝幡城があったところです。JR東海道線では「稲沢駅」の隣が「清州駅」です。清州は信長の城で有名です。ここから桶狭間にいる今川の大群に向かっていったのですね、熱田神宮で戦勝祈願をして。まさに信長の故郷といえる場所です。

 話は変わりますが、ソフトバンクの工藤監督は1歳年下ですが、母校である千種高校が地区予選で8-0の完封負けをされた相手です。当時、応援に行きましたが全く歯が立ちませんでした。今は監督として頑張っていて、尾張出身同士として応援しています。

令和元年 10月





「3ッ星レストランでの話」

先日東京で、有名な3ッ星レストランで食事をする機会がありました。食事中に外国人のマネージャーと話をする機会がありました。10年前にパリの1ッ星レストランで食事をした話をすると「味は東京のほうがいいはずです。パリの本店より東京の店のほうが絶対においしいはずですよ。理由は食材の違いです。日本の食材は本当に良くて他の国はかないません。パリからわざわざ東京に食べにくる方がいらっしゃるくらいです。」とのこと。

 食事の味はシェフの腕が一番大事だと思っていました。テレビでシェフの腕を争う番組がありましたが、確かに言われてみれば、そもそもの食材が良くなければ、おいしくなるはずがない。野菜、果物など日本の食べ物を北京の超お金持ちが、大金を出して日本から取り寄せるのも、当たり前ですが日本の物が一番おいしく中国にはないからですね。

令和元年 10月





「10年後の10憶円より今の50百万円」

ある会社(A社)のテレビコマーシャルを見て、「この会社は昔、担当したことがある」とふと思い出しました。 

今から約25年前、A社から2憶円の運転資金の申し出を受けました。結果、本部から減額で50百万円しか承認されませんでした。本来はA社に出向いて説明をするところ社長が来店されました。

その会社は増収・増益でしたから、是が非でも満額やりたかった。社長から何か文句の一つでも言われるのを覚悟していました。

社長曰く「細江さん、そんなに恐縮する必要はありませんよ。弊社は必ず大きくなります。10年後に銀行さんがポンと10憶円貸してくれる企業になります。でもそのころ貸してくれる10億円より今の50百万円のほうがはるかにありがたいんです。本当に助かりました。」と言われました。まだ若く見た目は頼りない感じでしたが芯のしっかりした方と思いました。

何百人の社長にお会いしてきましたが、この社長は私にとって記憶に残る方でした。テレビコマーシャルを見て、本当に大きくなったのだと、うれしくなりました。

令和元年 10月





「日系人からの問い」

米国出張時、ロサンゼルスの日系人から質問されました。「日本人は何故、自分で自分の国を守ろうとしないのか?」

 北朝鮮の核問題は米国でも話題になっているようですが、憲法改正をしない日本人に対して、日系人として米国社会でいろいろと言われようです。ちなみに彼はオバマ前大統領の支持者です。

自衛隊の方には申し訳ありませんが「安全保障についてだけは、日本人は日本人を信用することに不安がある。」と答えました。相手は沈黙してしまいました。

「中国や朝鮮、ロシアが日本を先制攻撃する確率よりも、日本が先制攻撃する可能性のほうが高い。」「パールハーバーを忘れるな、これは日本人にも当てはまる教訓だ。」

 日本は米国との戦争で国の存続まで危なくなりました。実際、降伏のきっかけは原爆ではなくソ連の参戦だと言われています。つまり国が分割されてしまう、最悪は亡くなってしまう、チェチェン人や昔のユダヤ人のように。

 清、ロシアとの戦争で得た領土・権益は全て無くなりました。もし米国と戦争をしていなければ、また戦争しても米国から先に攻撃されていたら、変わっていたかもしれません。

1941年12月8日は日曜日で、米国人がゆったりしている時にハワイを奇襲攻撃したことが、米国を一致団結させ、日本人を徹底的に叩く理由を与えてしまいました。

 炎天下の甲子園の野球で、高校生に丸刈りを強要し、ろくな休みもなく試合を続ける。

ピッチャーには何百球と連投させる。夏の甲子園を運営する左翼的な朝日新聞ですら、こうした「気合と根性」的なものが美化され強要されています。

最近、ようやく青年の体調管理の重要性が言われるようになりました。集団の重要性を否定しませんが、個人も重視するバランスの取れた運営は野球だけでなく社会全般に必要と思います。日本がそうした社会となれば、安全保障での不安はなくなる気が致します。

令和元年 10月





「早稲田大学3号館を訪ねて」

用があって久しぶりに母校を訪問しました。早稲田大学の3号館は正門から近い場所にあり、政治経済学部の校舎です。政経学部は早稲田大学の看板学部であり、全国にあるOB会「稲門会」の会長は歴代、政経学部か理工学部出身者というところもあるくらいです。

ある大手テレビ局を銀行員時代に担当した時、局長10名のうち6名が「早稲田の政経学部出身」ということを知り、大変驚きました。

 3号館は私が学生のころは大変古く、地下にサークルの部室がいくつかあり、一番奥に「シャンソン研究会」というのがありました。隣は「落語研究会」でした。私はここに4年間、在籍しました。慶應大学、日本女子大学、白百合女子大学と提携し、年に一回は大隈講堂で合同コンサートを行ったものです。

 私の2学年上に北川悦吏子さんがいて、1年生の私は何回かバックでギターを弾かせて頂きました。彼女は脚本家として大変有名になりましたが、当時は音楽家志望だったと記憶しています。高田馬場の居酒屋で夢を語った記憶があります。

 3号館は数年前に建替えられタワーとなりましたが、驚いたことに昔の建物の外観を一部残す画期的なものでした。エスカレーターが常設され何とも感慨深いものがあります。

 中国共産党結成のメンバーに2名早稲田の留学生がいて、うち一人は初代総書記になったことから、中国では早稲田は一番有名な日本の大学です。江沢民主席、胡錦濤主席は大隈講堂でスピーチをしました。2020年春、来日する習近平主席はスピーチされるのでしょうか?(ちなみに2019年12月末まで大隈講堂は全面改装中で立ち入りできません)

また韓国のサムソンの創業者と2代目は早稲田の留学生で新3号館の図書室を寄贈されています。辛亥革命の孫文の家は早稲田の正門前にありました。昔からアジアと縁が深く、今もアジアからの留学生が大変多いです。

 銀行員時代、早稲田大学を担当したことがあり大隈庭園近くにあった財務部によく出入りさせて頂きました。自分の母校の財務内容を知るのは何とも言えないものでした。

 また縁あって早稲田の代議員を数年間経験し、日本記者クラブで年に一回行われる会に出席させて頂き、歴代総長や歴代総理をはじめとするOBの方とお会いしました。

 立派な食堂ができましたが、反動で大隈商店街は寂しくなりました。高田馬場の栄通りの「鳥やす」は今も営業しており、以前TVでゴスペラーズが出演したときにサプライズで差し入れされていたのを思い出します。

 同期には前大臣の世耕氏、デーモン小暮氏がいらっしゃいます。デーモン氏は友人の友人で、本当は35年前、卒業コンサートを新宿で一緒に行う予定でした。「化粧をしなくてはいけない」と言われ、「女装はいやだ」と勘違いし、米国旅行を優先してしまいましたが、今となれば後悔です。

令和元年 10月





「経営者にとって節税は本当にいいことなのか?」

弊社は設立して約10年間で、税金、社会保険料など累計5憶円以上の滞納金を中小企業に支払わせた実績があります。また節税関係の助言は基本的にしていません。弊社は税務署等と何ら関係はなく、弊社独自の考えでそういった指導をしています。

理由は

  1. 有利な資金調達をするには、一定以上の利益を出すことが必須なので、結果として節税の提案はしないものです。
  2. 企業再生であれば、税務署等の差押えは、致命的な問題となるもので、銀行返済よりも優先する必要があるからです。
  3. 税金が仮に10百万円少なくなっても銀行の融資枠が1憶円減額されたり、金利が上がったりしたら、結局は損であると思います。銀行はある会社に融資をするときに、当たり前ですが「返済できるかどうか」で判断します。住宅ローンの場合で、年収比率で借入できる金額が決まるのと似ています。(節税しすぎて住宅ローンが満足に組めない個人事業主はいらっしゃいます。)
  4. 「最終的には返せば文句ないだろ、担保を入れているじゃないか」という経営者はいらっしゃいますが残念ながら全く理解できていません。銀行員としては、「理論上、無理なく返せる金額のみ融資したか?」が大事なのですね。その場合は「融資を実行した時点では問題なかった」として、仮に将来回収不能となってもおとがめはありません。担保はバブルの時代までは「絶対的」とみられていましたが現在は「参考程度」でしかありません。
  5. 企業が再生を目指すときに、いろいろと不測の事態が起きます。破産のきっかけとなるものに債権者の「差押え」があります。ただ一般の債権者は「差押えをしたら潰れてしまうのではないか」などと心配したり、裁判所に費用をかけてしなくてはならないので、時間と費用などの問題で実行しないことがあります。税務署等は職権でできてしまいますし、破産した場合は優先債権として、処分資産等から裁判所が税金を優先的に払ってくれます。事情が全く違うのですね。

令和元年 10月





「日米の安全保障意識の違い」

韓国のGSOMIA延長破棄問題で米韓が対立しています。特に、米国の「在韓米軍の危険が増大する」というコメントが深いです。言い換えれば「兵士の死亡するリスクが増大することを韓国はした」ということでしょうか。

 10年以上前ですが、ある在日韓国人経営者が米国系銀行に新規融資取引を申し出しました。弊社も同席し、日本の銀行はメガバンクはじめ数も量もそれなりに融資していたことから、当初は和気あいあいとした感じだった記憶があります。

 ところが後日、新規取引は口座開設を含めて一切不可、との返答が銀行からあったようです。

 当時、弊社は理由が分かりませんでした。その社長、曰く「自分は今は韓国籍だが、朝鮮学校を出ている。それが理由だったようだ。」つまり「実質北の人間=敵」とみなされたということなのでしょうか。日本の銀行は皆、融資をしているにもかかわらずです。

 これは「日本と米国との安全保障についての意識の差」を痛感した事例となりました。

 日本では反社会的勢力については厳しい対応が定着していますが、先の事例は人種差別と非難されかねず、大変難しい問題です。米国は人種差別に対して厳しい認識を持っていますが、安全保障はそれを上回る、ということのようです。

令和元年 9月





「独立と信用」

私はサラリーマンを退職して会社を設立しました。これを読んで頂いている方の中には独立を考えている人、独立間もない方もいらっしゃるでしょう。
さて独立当時に感じたことを思い出すと、、、、

  1. 設立当初は特に、支払の時のクレジットカードをチラチラ見られた。
  2. そもそもコンサルという職業が認知されていなかった。
  3. 銀行を40歳で副支店長なのに退職したことは、100%ネガティブにしかとられなかった。
  4. 住まいを聞かれる。車を持っているか何に乗っているか聞かれる。
  5. 学歴・経歴はあまり信用補完にならない。そもそも国会議員でも学歴詐称が問題となったり、テレビで有名なコンサルタントが学歴・経歴詐称を暴露されたことは記憶に新しい。

上場会社しかも銀行という看板・信用が無くなっただけでなく、横領とか何かまずい経歴があるのではないかと見られたわけです。「自分から辞めるわけがない」ということです。

  1. カードはブラック、プラチナカード
  2. 接待ゴルフは名門のプロのトーナメントコース
  3. 家、車、時計も社長らしいもの、一目置かれる=安心感
  4. 接待は、銀座で食事+クラブ

プライベートでは焼き鳥+ビールが本当に大好物で今なお開拓中ですが、こういったものを無理してでも買わなければと思い、今も努力中です。弊社が中小・零細企業の社長が見栄を張るのを否定しないのも、自らの経験からきています。

  余談ですが、今は安定してきたので全く行かなくなりましたが、銀座ブランドはすごかったですね。お金は沢山必要ですが、それ以上に仕事としてメリットがありました。300万円使っても1000万円のメリットがある感覚です。

最近とてもうれしいことがあります。それは職業区分で昔は「コンサル業、コンサルタント」というのがありませんでした。いつも「その他サービス業」というのを選ぶしかなかったのです。本当に最近ですが「コンサル業」という職業区分ができてきました。これは私のような者にとっては、とてもうれしいことです。あらためて思うのは13年前にコンサル会社を設立したことは、世間から見れば異質だったということです。ただ当時は競争が少ないという裏返しでもありました。

昔は「財務顧問」として銀行に社長と挨拶に行くと、社長が後日「お付き合いをやめなさい」と銀行に言われたことがありました。今は外部のチェックを受けることは企業格付でもプラスとなるようにまで変わりました。

 船井総合研究所が上場しようとしたきっかけは、創業者の船井先生が、新幹線でたまたま隣に座った某銀行役員と意気投合したことがきっかけでした。それまで話が盛り上がっていたのに、名刺交換したら「コンサル会社とはお付き合いしない。上場会社なんて一社もないじゃないか」と言われ、そのくやしさから上場を目指したのだと。

 弊社を設立したのは「会社法」ができる1週間前でした。5/1から「有限会社」を設立できなくなる1週間前の4/24にあえて「有限会社」として設立致しました。当時、「何で株式会社ではなく有限会社にしたのか?」とやや非難的に言われたものです。ただ会社が長く続けば希少価値となる、逆に古い会社の証拠となると。

 私が「ヴィンテージ」ものが好きなのはもともとは、趣味のエレキギターからきています。私のギターは1978年製のフェンダーストラトキャスターなのですが1960年代の初期のものは値段が高いだけでなく、材質が本当に良いものしか使われていません。弊社もヴィンテージと呼ばれるまで頑張りたいと思います。

令和元年 9月





「中国の変わりよう」

今から13年前、初めて中国本土に行きました。場所は大連です。
当時は以下のようでした。

  1. 空港は古く、いたるところに兵士が立っていた。共産圏に来たという第一印象。
  2. タクシーは皆古く、運転手席は金網のようなもので囲まれていて、車の中は何とも言えない緊張感があった。
  3. 名門ホテルに宿泊したのですが、ほとんどのスタッフの愛想が悪かった。
  4. 外食で生ものを食べて腹痛を起こす。中華料理しかなかった。
  5. 町にはゴミが散らばっていて、夏は臭かった。車は少なかった。
  6. 一般女性で化粧をしている人はほとんどいなかった。
  7. ホテルのマッサージ代は日本と変わらなかったが、地元の人が行くところは数百円でしかも、かなり効いた。
  8. 道路を渡る人々が、引かれそうになっていた。車はとにかく乱暴。「車は何で止まらないのか?」「車を持ってる人は金持ちで、エライから。自分も早く車を持ちたい。」と言われカルチャーショックを受ける。
  9. 紙幣はかなり汚い。(日本では少し古くなると銀行が日銀に送ってしまう。自分も新入行員時代に経験した。) 外出からホテルに戻ると毎回、手を洗うことを勧められた。

中国はたった13年で大きく変わり、また変化し続けている感じがします。

  1. 空港は新築され広くきれいになった。兵士は見かけない。入国手続きのスタッフをユーザーがその場で評価するシステムがある。
  2. タクシーはきれいになり、金網はない。運転手は前よりはフレンドリーな感じ。特に高級タクシーは車もマナーもよく飲み物付き。日本に何度も遊びにきている運転手は特別サービスがいい。「日本が本当に大好きです」と日本語で言われた。若い運転手からは帰り際に「ジャーネー」と言われた。(タクシーの中で日本語で話をするときは気を付けなくてはならない。)
  3. 外資のグランドハイアットホテルは近代的で、スタッフはスマートになった。部屋のトイレはTOTOの最高級製。レストランのカワイイ系の女性スタッフはてっきり日本人かと思った。中国人は一般に額を出す習慣があるが、一部の若い女性は前髪を垂らしていた。(中国では額が広いのが大事で、額の整形まである)
  4. 相変わらず中華料理店がほとんどだが、日本料理、米国系カフェ、イタリアンなども増えた。高級ウニ餃子の店では、マスク、ビニールの手袋をつけてガラス越しに製造工程を見せて「清潔」をアピールする店が繁盛していて味も大変おいしかった。
  5. 表通りはゴミはほとんどない。ただし車は多くなり空気はかなり臭かった。
  6. 女性は多くの人は皆、化粧をしている。日本の化粧品が人気。
  7. 地元のマッサージは多少値上がりしていたが、それでもかなり安い。
  8. 運転マナーは向上している。年配の人はまだダメだが、若い人はかなりいい感じ。
  9. 紙幣は本当に全くみかけない。老人含めて、屋台のようなところでも、ほとんど全てスマホで決済。徹底ぶりに驚く。

中年、老人は大きくは変わっていない感じがしましたが、若者は男女問わず大きく違う感じがしました。今の若者が中年になった中国はさらに変わりそうな感じがします。

北京では、日本人医師の美容外科の料金が東京の4倍、美容院も日本人美容師だと日本の2倍と聞きました。しかも予約で一杯。「投資をしないと誰からも相手にされない」と言われました。

 日本も再び、いいところは中国のマネをする時代になったのではないかと思います。また日本人はもっと投資とスピートアップをしないと、将来本当に負けてしまうのではと心配になりました。

令和元年 9月





「京マチ子さん」

先日、女優の京マチ子さんが亡くなりました。彼女は黒沢映画の有名な「羅生門」のヒロインです。この映画を見て思ったのは、人間は、知らず知らずのうちに「自分に不利なことを隠し真実を捻じ曲げる・美化する」ということです。映画の最後にでてくる「真実の回想シーン」の人間は、皆がみにくく、こっけいだが、人間らしい。その前の回想シーンは全てどれも嘘ではないが真実でもない。本当にすばらしい映画です。

日本では当初理解されず、映画会社の社長が「何だこれ?」と怒って制作関係者を左遷してしまいました。その後、ヨーロッパでグランプリをとってしまったのですが、先の社長が「誇らしい」と言ったことで、周りの関係者が「まるで羅生門そのものだ」と嘆いたそうです。また、敗戦で自信喪失していた日本人に希望と自信を与えました。黒沢監督は「日本人はもっと自信を持とう」と言っています。

私は最後の「人間は恐ろしい。人間があまりに恐ろしくて鬼が逃げて行ったくらいだ。」というセルフがとても印象に残っています。

 ドラマ半沢直樹で銀行、銀行員のシビアな世界が描かれて話題になりました。ただ私を含め元銀行員、現役銀行員は「実際はこんなもんじゃない」と思うようです。

 「金融は人間の醜い部分に多く触れる世界」だと思っています。ただお金は企業活動や個人の生活に、とても大切なものであり、避けては通れません。

令和元年 8月





「広島」

広島と言えば、弊社の経理を外注している会社の社長が広島出身で、米国に対してはやはり複雑な感情を持っているようです。

 実は私の誕生日は8月6日で広島原爆記念日です。子供のころから、この日は「黙とう」をする日であり、とても自身の誕生日を祝う気持ちになれませんでした。

 ただ中国では8と6は大変縁起のいい日であり、中国では8月8日に次いで8月6日は出産ラッシュということです。中国では「8/6に生まれるためにいくらお金がかかったの?」と真顔で聞かれたことがあります。

 中国のアリババ創業者のジャック・マー氏のカラオケの18番は「広島の恋」だそうです。但しこれはフランス映画のタイトルで日本の演歌ではありません。ナチスドイツの将校と禁断の恋をしたフランス女性が戦後広島に仕事で来て日本人の男性と一夜限りの恋をする映画です。

 広島といえば「広島風お好み焼き」が有名ですが都内にはあまりありません。故母の作ったお好み焼きは「広島風」だったので、時々食べたくなるのですが残念です。

令和元年 8月





「中根千枝さん」

先日、中根千枝さんが東大初の女性教授になられたと報道されました。私は受験生の時に彼女の有名な「タテ社会の人間関係」という本を読んだことがあります。またその英語の翻訳本を読んだこともあります。

 自分が読んだ初めての日本人論で、この後、「甘えの構造」はじめ、いくつかの日本人論を読むようになり、やがて「統計学」に興味を持つきっかけとなったと思っています。

 またこの時、日本人論だけでなく日本語についても考えるきっかけを与えてくれた本でした。というのは、日本語で読むよりも英語で読んだほうが理解しやすかったからです。

 理由はその時は分かりませんでした。後から思ったのは、経済・政治・文化的な文章は英語のほうが説明しやすい、日本語は分かりにくいということでした。日本語を英語に翻訳したのに、まるで英語を日本語に翻訳したような感じがしたものです。

 それにしても女性初というのは意外でした。いくら何でも、遅すぎやしないかという違和感があります。

令和元年 8月





「輸入車と国産車の故障」

ベンツなど輸入車は本当に故障が多いのか?レクサスは故障が少ないのか?これはよく出るテーマです。弊社の見解は、、、、

  1. 故障と保証
    1. レクサスは、故障しないで有名な日本車の中でも、さらに故障しないとされるトヨタの高級ブランド。トヨタの中でも熟練した技術者が製造工程に関与し、部品も含めて全て日本製で、日本国内で組立されている。保証は5年間。
    2. ベンツは、以前よりは故障しなくなったとされる。10年程前は弊社の顧問先の複数の社長がベンツのSクラスを所有していたが、故障する人は故障続きだったようです。特にフルモデルチェンジ直後は多い。無料保証は3年間で、4-5年間は延長保証を付けられるが、Sクラスで保証料約40万円を別途支払う必要がある。(ちなみに車格が上のベントレーの延長保証は90万円。)
  2. 統計データ
    ネットで公表されているデータですと、故障しない車として日本と米国ではレクサスがともに1位。日本車以外は一般的に下位。
  3. ポルシェの故障
    統計上、輸入車の中ではポルシェは故障しない車として上位にランクされている。ちなみにポルシェは全てドイツで製造している。
  4. 結論
    1. ベンツなど輸入車は以前より故障は減ったようですが、「日本車と比較すると」劣るようです。また輸入車は「品質の一定」がやや弱い、つまり「当たりはずれ」があるようです。
    2. レクサスが5年間無料保証であるのに対し、ベンツSクラスの4-5年の延長保証が40万円を超えるのは、まさに金額が全てを物語っている?1200万円のベンツと2400万円のベントレーの延長保証の金額がほぼ金額に比例していることから、輸入車の故障率・修理費の高さは延長保証料が物語っていると弊社は推測致します。

    3. ポルシェはアウトバーンを「何時間も」200キロ以上で走ることを前提に作られており、別格ということでしょう。200キロで不具合があれば即死してしまいます。

令和元年 8月





「スーパースターのオーラ」

東京には有名人・芸能人が多数いらっしゃいます。特に港区のホテルやレストランでは、しょっちゅう遭遇します。

 私はその中でも二人の「スーパースター」に遭遇したことが、いい思い出となっており、酒が進んだりすると、自慢話としてしょっちゅう出るようです。

 一人は「郷ひろみ」。言わずと知れたスーパースターですね。子供のころからテレビの歌番組で、いつも見ていた方です。(ちなみに私のカラオケの18番は「お嫁サンバ」です。)遭遇場所は、ある病院の地下の駐車場へ行くエレベーターの中でした。郷さんと奥様、二人の赤ちゃんが検診に来た帰りだったようです。狭いエレベーター内で郷さん一家と私と家内は一緒になりました。エレベーターが開いて私が「どうぞ」と話をしたら郷さんから「ありがとうございます」と丁寧にお礼を言われ、奥様もお辞儀をされました。「郷ひろみ一家に感謝された」という記念となりました。

 もう一人は、永ちゃんこと矢沢永吉。場所はホテルのバーで、しかもクリスマスイブ。

私たち夫婦で食事をして、その後バーに行ったところ、時間が早かったせいかガラガラで、すぐ近くで飲むことができました。場所が場所だけに、まるでプロモーションビデオでも見ているようでした。オーラが尋常ではない!(自分が持っているビデオでは永ちゃんがバーのカウンターでゴルフのパットをしているシーンがある。) 六本木のモノマネショウでの「矢沢B吉」でも十分、感動する者としては、倒れそうなくらいの時間でした。

 中小企業の社長さんも「オーラ」のある方はいらっしゃいます。ただこの二人は別格でした。

令和元年 8月





「スーパーカー」

船井幸雄先生は「一流のものにふれる」重要性をおっしゃっています。お金が無くても、できる限り一流のものにふれる投資をすべきだと。

 中小企業の社長さんは車好きな方が多く、よく「スーパーカーとはどういう車をいうのですか?高級スポーツカー、高級ラグジュアリーカーとの違いは?」と言われます。私が思うスーパーカーは下記に全て当てはまる車です。

  1. ミッドシップ、2シーター。
  2. 価格が2000万円以上。
  3. 排気量は5000CC以上。
  4. パワーは500馬力以上。
  5. 最高速度300キロ以上。

米国のヒーローで「スーパーマン」というのがありますが、この場合のスーパーは単なる「すごく強い」という意味ではありません。それではスーパーではない。

いざという時に4人乗れる、1000万円も出せば最高級の車が買える、ダウンザイズ+ターボで税金も安く燃費もいい、300馬力以上なんて全く必要性なし、日本では100キロが制限速度だから、、、、、、、こんな「常識的な考えに全てあてはまらない」車がスーパーカーだと思っています。

ポルシェのカレラ、日産のGTRはスーパーカーなのか?という問いがよくありますが、4シーターというところが該当しないと思います。

子供の時に運がいいことに、赤信号で目の前にランボルギーニの赤の「カウンタック」が止まりました。あまりの衝撃に体が固まりました。「こんな車高が低くて、中の人はどうなっているのだろう」と思い覗き込んだ記憶があります。

当時の新車で2000万円くらいだったようですが今でも3000万円以上するようですね。スーパーカーの代名詞になった名車で価値が全く下がりません。

令和元年 8月





「時間にルーズな人にはお金を貸してはいけない」

時間を守るということはビジネスでは非常に重要です。「約束の時間に5分前に到着する」というのは、よく言われます。

私は昔、JR中央線沿線に住んでいましたが、中央線は朝しょっちゅう止まりました。ただでさえ朝は混むのにトラブルが発生すると絶望的に込みます。また朝から走ったりするのもいやなので、毎朝かなり早めに会社に入ってコーヒーを飲みながら新聞を読んでいました。かえって疲れないのですね。当時、他にも同じような人が結構いました。そうした人は、電車が少々止まっても遅刻しません。

 私の上司は会社の出勤時間にあまり余裕がない人でした。ある時、電車がかなりひどい事故で完全に遅刻しました。勿論、遅延証明書を提出しました。

 それが運悪く、頻繁に続いたことがあり副支店長の逆鱗に触れました。

「時間にルーズな人にはお金を貸してはいけない、銀行員の常識だ。時間にはルーズだがお金はきちんと返します、という人は存在しない。あなたのように時間の感覚が甘い人は、顧客交渉の結果である融資の稟議書も甘いと考えてしまう。オレが判を押した稟議書に判が押せないのか、という迫力が全然感じられない。」

電車が遅れることはしょっちゅうあることなので、ビジネスマンの管理職としてはそれでも遅刻しないようにするのはプロとして当然だ、ということです。

ビジネスの交渉で時間に遅刻すると「遅れてすみません」という謝罪から入らなくてはなりませんから、不利な状況から交渉がスタートします。一流の人はやりませんね。言い換えれば「プロ」意識かと思います。

私は今では年齢も上がり、相手も社長、銀行員などシビアな方々なので、初めての場所ですと30分前には到着して場所を確認し、トイレに行きます。マナーというより「決して相手に弱みを見せない」という感情です。

令和元年 8月





「経営者が投資するにあたって」

 ある経営者から「まとまったお金(数千万円くらい)が入ったから何か投資したい、買いたいが何か助言してください」と相談されました。皆さんならどう考えますか?

  1. 投資用として都心のワンルームマンションを買う。
  2. 超高級機械式腕時計を買う。
  3. 超高級車、クルーザーを買う。
  4. 高級リゾート会員権を購入する。
  5. 別荘を買う。
  6. 超名門ゴルフクラブに入会する。
  7. 海外のホテルコンドミニアムを買う。

 弊社としては仕事に対して何らかの直接的利益を生むか、あきらかに間接的利益を生む物への投資をお勧めしています。特に現役の経営者には重要です。またいざという時のために換金性も重要です。ちなみに間接的利益とはステータス性が高いなど、間接的に信用増加・仕事の受注に貢献が期待できることを言います。

  1. 仮に2000万円の物件で利回りが手取りで4%なら年間80万円が入ります。売却はもちろん可能で、価値が上がることも。ただし空室リスクはあり、立地の良さが重要です。定期的に修繕代がかかります。管理会社と契約すれば面倒なことは意外と少ないでしょう。ただしステータス性はワンルーム程度ならあまり期待できません。
  2. メンテナンスはあまりかかりません。数年に1回のオーバーホール代くらい。いざとなれば業者がそこそこの値段で買い取ってくれます。一般的に超高級時計の価値は下がらない傾向で一部は大きく値上がりしています。ステータス性は高いのですがダイヤ、金が付いたものは男性では日本であまり高印象がありません。ただ外国人には好印象です。
  3. 駐車場代、保険代、車検代がかかります。売却すると大きく下がります。修理代、タイヤ交換などの費用もかかります。ただし「ロールスロイスに乗っている」「ランボルギーニに乗っている」と言えば、ある一定の人間にとってインパクトは大きいのは事実。買うことも大変ですが、維持するのはもっと大変だということは皆が知っており、逆にステータス性はかなり高いようです。クルーザーは本当に海が好きでないと続かないですが、非常にステータスは高いです。ただ船酔いのひどい人は難しい。もちろん接待にも使えます。
  4. 超高級リゾート会員権は様々な場所が使えて便利です。維持費は年間15-20万円程度。 売却は比較的容易。接待や社員の福利厚生にも使えます。 ただし長期滞在はシステム上難しく不向き。夏休みなど繁忙期は予約が取りにくいのが難点です。
  5. リゾートマンションは通常、管理費等が高い傾向があります。戸建ては庭などのメンテナンスなどが結構かかります。月の半分、毎週末など頻繁に利用する人はいいでしょう。但し軽井沢などの人気地を除き換金性は一般的に低いのが難点です。
  6. まず入会が難しいのが問題です。また別の問題もあるようです。ある社長が超名門クラブに入っていて息子にも入会させました。そこでは70歳でも小僧扱いなので40歳代の息子はプレー中に他のメンバーとけんかをして直ぐに脱退してしまいました。ステータス性は以前よりは下がりましたが、一般では予約が取れないコースほどゴルフが好きな顧客は大変喜びます。入会が厳しいところは逆にステータスが高い裏返しでもあります。
  7. リゾートホテルの一室を買うことになります。普段はホテルに貸して自分が行くときはタダ同然で泊まれます。海外の場合、購入時、購入後ともにやや面倒で、購入後のホテルからの報告関係は全て英語です。ステータス性はハワイとかなら、まずまずといったところ。海外向けの税などの手続き、税理士に費用が発生します。固定資産税などが高く単純な利益狙いはお勧めできません。日本と海外の減価償却の違いを利用した節税目的もあるようで。

いかがでしたでしょうか?本業の事業に投資して稼ぎを増やすことが一番なのですが、中小・零細企業の経営者としてステータス、接待なども重要なのでご参考に願います。

令和元年 8月





「人間の感性とAI」

 先日、テレビで自動車の輸出に際し、停泊している船に自動車を乗せて駐車させる運転手の話が出ていました。隙間なく、もちろんぶつかることもなく、一発で駐車していく。
ほとんど人間業とは思えない。

 私が銀行に入行した時、出納係という、お金の勘定をする部署に配置されました。本当は3ケ月の予定だったのですが、事情により5ケ月間いました。責任者の女性は9年間一日中、器械と人間の手でお金を数え続けていました。彼女は、100万円から1-3枚抜いたり足したりしても束を持っただけで、ほぼ100%正確に言い当てました。1万円は1グラムですから1グラムが手の感覚・重さだけで分かるということです。

 最初は信じられませんでしたが、私も5ケ月後にはプラスマイナス5枚以上であれば、かなりの「違和感」を感じられるようになりました。

 昔担当した取引先で売上2憶円、経常利益1憶円という会社がありました。取引先は言えばだれでも知っている超大手企業ばかりです。実際、現金で年に何回か大口の入金があり売上2憶円というものです。どうしてこんなに儲かるのか?というより、どうしてこんな大企業が儲けさせてくれるのか?大きな謎でした。

 ものすごく古くて小さな工場と事務所でしたが、工場には機械が何台かありました。ただそれは大企業の研究所でもありそうです。

この社長の発言は私に強烈なインパクトを与えました。「所詮、最後は人間の皮膚感覚のほうが機械より敏感です。これで飯を食っています。」社長は息子に技術を日々教え、まさに「一子相伝」でした。イメージとしては機械で加工して最後は自分が「なでる」ことで修正し完成させるのだと。まるで芸術品のようですが、物は大企業から依頼された「試作品」や「特殊加工」です。確かにこれは大企業のサラリーマンでは不可能か。

私は金融の現場で日々仕事をしていますが、立場はいろいろ変わりましたが、34年間本当にいろいろと経験を積んできました。「カン」というといい加減のようですが、最近はクライアントの社長から何を質問されても、ほぼ瞬時に「違和感」や「大丈夫」といった感覚がでてきました。「これで自分は飯を食っている。」ものがようやくできてきた?

車をほとんど隙間なく、揺れる船の中で並べて駐車する作業は機械化すると大変だと思います。100万円は器械で十数秒で数えられますが、先の人は持った瞬間、分かります。

人間の手の感覚は極限では精密機械さえ超える。

 AI時代になると予想されていますが、人間の感性は捨てたもんじゃない、と思います。

令和元年 7月





「韓国の思い出」

日本と韓国が対立しています。日本政府が、重要物質の輸出に制限を加えたとして、韓国側が非常に立腹し困惑しています。

 日本製品が韓国製品の沢山の重要部分に寄与していて、韓国はむしろ組み立てに近い、というのは実は昔から言われていることです。ただ日本はなぜか公言してきませんでした。昔、米国から「日本たたき」が行われ、「隙間を縫ってサムソンが成長した」のではなく、日本こそが日本の対米国向けの貿易赤字を減らす手段として行ったのだと思っています。中国も実は同様なのですね。アイフォンを1台売却した時の利益が、米国より実は日本のほうが多いというのを聞いたことがあります。沢山の日本製が使われていて、代替がきかないため利益率がいいのではないか。

 さて、私は今から25年以上前の銀行員時代に、日本の取引先と韓国の会社との提携話で数回、韓国を訪問したことがあります。

 ただ現地の日本の銀行の支店は財閥系企業しか取引がなく、また取引する意思がなく、提携企業の口座すら開設できなかったので仕事は進みませんでしたが、代わりにカルチャーショックを受けて帰国いたしました。

 韓国の全てのホテルにはシングルルームのあるホテルがないということでした。理由は「韓国では男が一人で寝る習慣がないから」と。「まさか」と思いましたが、本当にシングルルームのあるホテルがありませんでした。韓国旅行でホテル代が格安なのは、ツインルームがシングル料金なので二人で宿泊すると半額になるとの説明を受けました。女性の性接待は欧米や日本とも違う歴史・文化があり、歴史的に「そんなに卑下されていない」ということでした。仕事としての地位・役割が他国よりも高く、だから公然としていたのだと。

 また今から15年前、今度はコンサルタント会社の社員としてゴルフの案件で韓国に数回訪問しました。今回は在日韓国人と訪問したこともあり、さらにいろいろと教えていただきました。サムソンの元副社長にも「大統領と昼食をした」レストランでごちそうになりました。ただ夜の高級犬料理はどうしても喉を通りませんでしたが。

  1. 職業格差が激しい。レストランでワインを売りに来た女性がいたが、自分がボトルを倒して台無しにしたのに謝罪も、雑巾でテーブルを拭く気もなかった。私と在日韓国人2人は大騒ぎでしたが、現地の韓国人は特に慌てていなかった。女性「もう一本いか がですか?」当方「ふざけるな、どうなってる」という会話が強烈に記憶に残っています。後から聞いたら「掃除をする人間は他にいる、彼女はワインを売る仕事で掃除なんかしない」という職業格差からくるものということでした。すごい違和感がありましたが、後にハワイの高級レストランで、やや似たことがあったので少しは理解できました。
  2. ゴルフ場が大変少ない。一部の大地主が極めて多くの土地を所有していてゴルフ場の開発をしない。プロゴルファーはコースに所属していてもコースに練習のお金を払う。一般的に雨ぐらいでキャンセルしたら二度とそのコースは予約がとれない。
  3. ついにいわゆるシングルルームだけのビジネスホテルができました。
  4. KBSテレビのスポーツ局長と面談できました。曰く「韓国は米国の傀儡。北は本当の民族の国家。統一する場合は南が北に吸収されるべき。」驚嘆致しました。
  5. 韓国ゴルフ界のルール委員長から「日本は必ずもう一度攻めてくる。」と言われました。 「小学生が選ぶ」男の英雄NO1は秀吉出兵を阻止した男性、女性の英雄NO1は先の大戦時に日本に逆らって獄中死した女性ということでした。
  6. 日本のあるカード会社が事業を開始したが、あっという間に延滞者が激増し中止してしまった。理由は生活の向上の意思が大変強く、収入以上の買い物を皆がしてしまったから。

さて将来、朝鮮半島が統一されるには、中国、ロシア、日本、米国の理解が必要です。

東西ドイツの統一の際も、ドイツは何度も戦争をしたフランスを説得する必要がありました。私の周りの中国人は、驚くほど朝鮮半島に興味が薄く、「どうでもいい」という人が結構います。中国人の関心は米国と日本だけ、という発言もありました。一般的な米国人 はアジアに関心が薄くロシアもおそらく同様かと思います。

こうした中、統一のキーパーソンは実は日本ではないかと思います。韓国は併合までして一度は同じ国民でしたから、なんだかんだと言っても結びつきは他国より強いと思います。韓国が「是非日本の協力が必要だ、お願いします」と言えば協力する人が少なからずいる気がします。

ただ現状をみると、こうしたことが起きる可能性は、当面は限りなくゼロにみえますが。 ただ日本の左派勢力が左派政権発足をきっかけに大きく弱体化し、以後保守政権が長期安定したように、何かのきっかけで大きく変動するかもしれません。

令和元年 7月





「契約を守る、交渉・話し合いの場」

 日本が植民地にならなかった理由の一つとして、欧米式の社会ルールに必死に順応しようとしたことがあげられる。契約、資本主義、自由などの日本語を生み出し、英語ではなく日本語で理解した。それができなかった国、言語では英語を学ばざるを得ない、欧米の言葉・概念がないのだから。日本人がノーベル賞の授賞式で「私は英語が話せません」といって驚かれたのは記憶に新しい。欧米の概念の無い言葉の国の場合は、契約は英語で行う国が多い。ただ日本人が英語が苦手の理由でもある、英語の必要性が低いからだ。

現代の中国の使われている言葉の半分以上が明治期以降の日本人が「開発」した漢字の言葉である。70%以上という人もいる。

中国と日本がもめている時に「漢字の特許料を日本人に請求しよう」という中国人がいたが、別の中国人が「日本にかえって沢山払わなくなるのでやめましょう」というのがあった。このへんは中国人は冷静で優秀な人もいて侮れない。「人民」、「共和国」という言葉も日本人が作った言葉だから、中国は国名を変えなければ膨大な「特許料」を日本に払い続けることになる。

 さて「契約社会」という言葉がある。特に米国では多民族ということもあり契約を守ることは極めて重要だ。だから契約時の確認も安易では決してない。「だまされる人が愚かだ」という考えは日本より強い気がする。

「ルール」を守らなくてはスポーツは成り立たない。日本の柔道、剣道、すもうなどと違い、欧米のスポーツ、例えば野球、ゴルフ、バスケットボールなどには細かいルールが多いのもルールをきちんと定めて、かつ守る文化があるからだと思っている。すもうで何度も「待った」をしてヒンシュクをかうことがあるが、欧米なら「2回やったら失格」等と明確化されると思う。

アカデミー賞を受賞した「グリーンブック」という映画で、理不尽な扱いで身の危険を感じても「でも契約をした以上、演奏を続けなくてはならない。契約は守らなくてはならない。」とため息まじりに言う場面があった。破れば違約金などの重い罰則が当然ある。
これがなければ社会が成り立たない。米国に弁護士が多いのは契約社会だからだ。

 日本は明治維新時、当初は不平等条約を結び、実績を重ねやがて平等な条約となった。
時間もかかった。交渉も沢山行われたことだろう。見方を変えれば欧米諸国は交渉に応じた。交渉は契約するに際して必須のプロセスという概念がある。

 オバマ大統領時代に日本と韓国で従軍慰安婦問題の最終合意をしたのは記憶に新しい。
現職米国大統領が仲介した。米国はこれで決着したと確信したはずだ。今後の日韓は未来志向でいけるはず。だが数年後、現文政権が一方的に破棄してしまった。

 これは「一方的な契約破棄」で非常に乱暴な行いだ。当然、罰則があるのだが国家間であるためウヤムヤになった。ただ何もペナルティがないと思うほうがおかしい。日本がどうでるか、どうペナルティを与えるか他国は当然注視している。何もしなければ日本との条約は都合が悪くなったら破棄すればいい、ということになってしまう。

 トランプ大統領はオバマ前大統領のしたことをひっくり返すのが信条でイラン問題などもそうだ。韓国は、先の合意はオバマ大統領が仲介したし、現在のトランプ大統領は自分も破棄したりしているから何も言わないだろうと思っていたかもしれない。現に韓国の高官が「米国もしている」と発言している。

 だが決定的に勘違いしていることがある。契約は実は弱者にとってより重要なのだ。アメリカはイランに対して強者なので破棄しても問題ないと思ったのだ。米国が世界最大のエネルギー産出国となったことも影響しているはずだ。韓国は日本に対して強者なのか?
現在の韓国の狼狽ぶりをみていると、冷静にきちんと分析をしていなかったのかと驚かざるを得ない。正直、これは致命的なミスである。

 中小企業と銀行との付き合いでも「契約」と「交渉」は重要だ。契約書に印鑑を押したら守らなくてはいけない。交渉を望んだら双方が場をもたなくてはならない。ただどちらが強いかは実は簡単ではない。

 銀行が社長の自宅、会社不動産、売掛金などを押さえているか、いつでも押さえられるのであれば銀行は強い。反対に企業の社長の自宅が賃貸で会社使用不動産も全て賃貸、売掛金は一般個人でかつ現金回収であれば、反対に銀行は強く出られない。

 ただこうした場合でも金額が銀行の経営すら揺るがすほど大きいと立場が逆転する。また連鎖倒産の心配や対象企業が社会性の極めて高い企業だと違ってくる。

 日本人は契約を守る概念は水準以上あると思う。ただ交渉・話し合いの場の重要性はやや薄い気がする。はっきり言わない国民性が影響している。

令和元年 7月





「社長になる」

就職活動中の若者の就職したい職業ランキングの1位は国家公務員で2位は地方公務員ということです。また海外も含め、憧れの職業の上位は医師、先生です。

日本が発展し安定している要因の一つは、公務員が優秀であることは間違いありません。ただ税金で国家も自治体も運営されている以上、税金を払う営利目的の民間企業もとても重要です。医師、教師も本来は営利目的ではない仕事です。

私は「社長」になりたい人が極端に少ないことが、とても残念です。この国の将来が心配にさえなります。

私は現在、コンサル会社の社長です。経済的な成功も大切ですが、一番いいと思うのは「自分のしたいようにできる」ということでしょうか。ただし全てが自己責任です。自分の好きな場所に本社を置く、社員は自分で選ぶ、取引先も自分で選ぶことができます。究極は会社を廃業する権利も売却する権利もある。休みなしで働くことも、さぼって旅行にいくことも自由です。

公務員、医師、先生に共通なのは「資格」です。ただ、当たり前ですが一定の業務の制限のなかでしか活動は許されません、勝手なことはできないのです。

社長は自由ですが、自由すぎて不安でもあります。自由すぎることに不安を感じる人には不向きですが、「私は自分の想う通りにやりたい」と強く思う人は是非、社長になっていただきたいものです。というか社長になるしかない。

弊社には社長になりたい、とコンサルを申し出される方がいらっしゃいます。ある社長の10年前を知っている人が、「自分もできるはず」といって、いらっしゃることがあります。モチベーションのために高級な家・車・時計などを買うことはあまり否定しませんが、ギャンブルだけは禁止しています。家・車・時計などは最悪現金化できるので全然違います。

令和元年 7月





「絶対と相対」

23歳、バブル時代、初めて融資をしたときの稟議書の担当者意見に「今回の融資は回収懸念は低く」と書いて上司に怒られました。「回収懸念はなく」と書き直しました。

私は統計学が専門なので「絶対」なんてありえない、と思っていました。銀行は「少しでも回収懸念がある融資はしてはいけない」というロジックで、バブル時代に不動産担保融資ばかりを行い、結果として膨大な不良債権を作りました。不動産も実は絶対ではなかったのです。

 アインシユタインは有名な「相対性理論」の中で「光の速さだけが絶対で他は相対」と言っています。絶対的なものとして誰も疑いすらしなかった「時間」を相対と考えたことで、いろいろな事象を証明しました。平ら、まっすぐのはずの空間が実は曲がっている、正確なはずの時間が実は早くなったり遅くなったりするわけだから、融資の回収など絶対なわけがない。

 後に米国の影響で「債権価値」という考え方が広がりました。言い換えれば「貸したお金の価値」ということです。当然、相対であり絶対ではありません。貸した瞬間から常に変動するのです。

 あなたが1億円貸すとして、トヨタと「給料が遅れてる会社」とどちらを選びますか?

といわれれば当然、トヨタです。言い換えれば、トヨタに貸した1憶円と「給料が遅れている会社」に貸した1憶円が同じ1憶円ではないのです。

 「そんなこと当然だろ」

 こんな極端な例ならだれでも分かりますが、もっと僅差の場合、どちらに貸すのが「回収できる可能性が高いか」というのは簡単ではありません。そこに「採算」も関係します。回収できても採算が極端に低すぎれば迷います。

 スルガ銀行の融資が問題になっていますが、不動産融資が悪いわけではありません。リスクの高い融資が必ずしも悪いのでもありません。目先の利益を重視しすぎて、実はリスクと全く見合っていない融資をした、ということです。採算が一見高く見えたが、実はリスクは全く見合っていないほど、はるかに高かったわけです。

 米国では小学校で「投資」を教えるそうです。日本では父兄の大反対にあいそうです。

ただ子供のときから様々な投資の知識・経験を教育することは、実は大人になったときに人間が大きな間違いを起こさないことにつながると思います。昔は性教育を積極的にしなかったために、かえって子供の妊娠などが起きてしまった、のと似ていると思います。投資というものを毛嫌いするのではなく、きちんと教育すべきと思います。

令和元年 7月





「倒産確率 パート1」

あまりよくわかっていない病気Aがあります。ある町の中で、この病気Aにかかっている人を見つける方法は?

普通は、「病気Aに詳しい医者が町の人々全員を診察するしかない」と回答するでしょう。ただ町の人口が1万人だったら、全員診察するのは不可能か、すごく時間がかかる。さて、どうしたらよいだろうか?

私が大学2年生のころ(昭和58年ころ)、ある本にこのようなことが書いてあった記憶があります。何と統計学を使えば、「全く医療の知識ゼロの人間でも」99.9%の確率で病気Aにかかっている人をみつけられる、と書いてありました。

  1. 病気Aにかかっている人を100人、病気Aにかかっていない人を100人選びます。
  2. 性別、身長、年齢、人種など、なるべく同じ条件の人を対になるように100名選びます。
  3. 血液成分、唾液成分、血圧、体温などあらゆるデータをとにかく、やみくもに集めます。
  4. それをコンピュータで因子分析、判別分析などにかけると、病気Aにかかってる人を見つける最適の「関数」がでてくる。
  5. 例えば「血液成分X×0.5+唾液成分Y×0.3が1以上なら、病気Aにかかっている。その正しさは99.9%」というように。
  6. これなら1万人でもデータを集めることができれば、医者がいなくても99.9%の確率で病気Aの人を探すことができる。

これはいわゆる自然科学の世界ですが社会科学でもできるのではないか?と思いました。病気Aのかわりにやってみたのが、「企業の倒産」です。ただ企業の場合、決算だけでは粉飾もありますし、社長の資質や取引先の内容、業種の差などデータ収集が困難なものが多く、当時75%程度の確率しかできませんでした。ただコンピュータと統計学の可能性は強く感じました。

令和元年 6月





「船井先生の教え」

私は以前在籍していたコンサル会社が当時船井グループであった関係で、船井幸雄先生の教えは自分の生き方の根幹にあります。いくつかある教えの中で「前向き、楽観的、すなお」についてお話したいと思います。

「前向き、楽観的」が大事ということは、何となく運や人を引き寄せる気がしますので、自然に理解できましたが、「すなお」というのが良く分かりませんでした。

私は前記の会社に入社するときに、社長から「1年間はとにかく1日も休まず働きなさい」と言われました。「いきなり根性論か?」「おれは社長じゃないんだ」などと思いましたが、理由は今でも思い出せませんが「社長のアドバイスだし、何か意味があるのだろう から、まあ1年間やってみよう」と思い、実践することにしました。

年中無休だから当然、元旦も会社に行きました。元旦の朝7時に会社のセキュリティを解除して机でパソコンを操作しながら、「今年はどうしようか」などと考え事をしていました。そうしたらやがて、社長以下役員がゾロゾロと入ってきました。年始のお参りの帰 りに会社で会議をやる様子。皆さん、私がいることに大変驚いていたのを思い出します。その後、私は会社から複数の商工会議所の講師に推薦して頂き、また入社して1年なのに本の出筆者にいれて頂きました。私が独立後、本を出筆できたのは、この本を読んだ出 版社の社長が私に出版を勧めてくれたからです。

運が良かったと思いますが、これはもしかして「すなお」だったから?

米国の映画で「YES MAN」というのがありました。全てに懐疑的・否定的なある銀行員が、ある人の教えで、全て「YES」と言うようにしたところ不思議に人生が変わり成功したというもの。

世の中には詐欺師もいれば誤った情報も沢山あるので、すなおでいいのかと考えたくもなりますが、私は「成功者のアドバイス」はすなおに聞くことにしています。

令和元年 6月





「尾張と母」

私は尾張生まれ尾張育ちです。よく「名古屋だろ」と言われますが、名古屋は尾張の一部で、清州の移転地として三河出身の家康が作った町です。母は尾張に大変強いプライドを持ち、歴史が大好きで、よく子供のころから郷土の歴史を教えられました。

母の出身小学校は名古屋市中区平和小学校で旧古渡尋常小学校。古渡は信長の城があったところで、信長が元服した場所。(ちなみに平和小学校は多くのユダヤ人を救った杉原千畝氏の出身校でもあります)戦国時代に興味を持つ境遇であったわけです。
母から教えてもらった教えは下記の通りです。

  1. 日本を統一したのは尾張の信長・秀吉。家康じゃない。
  2. 大阪城は秀吉が作った、京都も秀吉が再興した。なのに京都人も大阪人も尾張をバカにしている。
  3. 家康は信長・秀吉が城主でもあった「清州」がイヤでイヤで、名古屋を作り尾張の中心を移転してしまった。
  4. 家康は信長がいなければ、今川の人質のままだった。尾張徳川家出身の将軍がいなかったのは徳川のコンプレックスに違いない。
  5. 織田信長、豊臣秀吉だけでなく、金沢の前田利家、熊本の加藤清正、土佐の山内、徳島の蜂須賀、広島の福島、富山・甲府・郡山・高松・松江の城主も尾張出身。日本中に輩出している。
  6. 鎌倉を作った源頼朝も尾張の熱田生まれ。熱田神宮は天皇家の三種の神器の一つ「草薙の劔」がある「日本一の神社」。

などなど。

三河は愛知県の一部ですが、昔、徳川が治めていた関係で、下に見ていました。(三河の方、すみません)
面白いのは岐阜で、信長が尾張と美濃を統治していた関係で、美濃は尾張と兄弟と言っていました。
味噌汁は絶対に赤みそしか使わなかったので、私は東京に来て赤みそ以外の味噌汁に慣れるのに時間がかかりました。
皆さんの郷土も今の都道府県ではなく、戦国時代、江戸時代の区分けの影響が強いのではないでしょうか。

令和元年 6月





「社長の資質」

私が普段、お付き合い頂いている社長は大半が創業者です。国税庁によると10年続く会社は6.3%、20年続く会社は0.4%しかありません。

ですから弊社は10年続いている社長は「優秀」、20年続いている社長は「天才」と言っています。「細江さん、いい過ぎですよ」と言われますが、前者は1学年200人くらいの学校でいえば、学年で10番以内、後者は学年でトップくらいの確率ですから、そんなに大げさではないと思っています。

特に後者に対して「秀才」ではなく、「天才」と呼ぶのには理由があります。天才の条件として「先天的、感覚的」というのがありますが、まさに20年という長きにわたり社長をやられている方は天才の資質をお待ちです。受験勉強は塾や家庭教師に手取り足取り教 えて頂くことができますが、中小企業の社長は「自分で解決する」ことができないと難しいです。天才でないと20年は続かない。

ご本人は、「先天的、感覚的」なものなんか何もない、とおっしゃいます。ところが後継者問題でなぜ難航するかといえば、天才の資質など親子とはいえ引き継がれないものだからです。ご子息や従業員はどんなに立派でも創業者の社長を超える資質をお持ちの方は少ないと経験上、感じています。 徳川家康のあと沢山の将軍がいますが、家康と同等か家康を超えた将軍はいたのでしょうか?

ただ組織をしっかり作ることで承継できるものではあります。これも弊社の重要なコンサルのテーマです。

令和元年 6月





「融資の謝絶と死」

数十年前の銀行員時代、顧客が亡くなった事例が2件ありました。交通事故などではなく、「突然亡くなった」というものです。それも立て続けに起きました。私はこのあと半年で銀行を退職し、やがて経営コンサルタントとなりました。

1件目は取引先の財務部長さんでした。メインバンクの支店NO2として銀行の方針を部下と伝えに行きました。「今後、支援はできない」というものです。社長は顔色が変わりました。部長は不思議に柔和で、外まで見送りしていただきました。ただ翌日朝、駅のホームで突然亡くなりました。葬儀で、部下と二人で、ものすごい非難を受けました。

当時は金融庁の指導が大変厳しい時代でした。その会社は業績が悪いにも関わらず、社長が贅沢をし、リストラを躊躇していました。当局の検査で「こんな会社、何で支援するんですか?」という一言とともに、問答無用で重い不良債権の認定を受けてしまいました。そうなると、以降は貸した瞬間、不良債権となるので二度と融資はできません。いわゆる背任になってしまうからです。

数十年後、金融庁の幹部の人と話をする機会があって、この話をしたら、「あの時は日本の金融システム自体が信用破綻しかけていたので仕方がなかった」と大変恐縮していました。経営者は時代の変化を読み誤ってはいけない、と思いました。

2件目は取引先の社長さんでした。やはりメインバンクの支店NO2として銀行の方針を部下と伝えに行きました。「今後、支援はできない」というものです。社長は無言でした。ただ翌日、社長室で亡くなっていたそうです。

その会社には、財務の責任者として銀行からある行員が一旦出向しましたが、「ひどい粉飾があり自分は引き受けられない」と言って銀行への復帰を強く希望しました。粉飾を知ってしまった以上、新たな融資はできないのです。「粉飾が発覚すると即、不良債権となる」というルールがあるからです。

今は銀行との付き合い方のコンサルをしています。こうした不幸が二度と起きないように日々、励んでいるところです。本当に二度と起きないように。

令和元年 6月





「経営者のモチベーション イチロー、白鵬、トヨタ」

経営者にとってモチベーションは非常に大事です。モチベーションが低いと長期的に経営はうまくいきません。

モチベーションといえば、イチローと白鵬の話をしたいと思います。両者に共通なのは「前人未踏の記録を作った外国人のスーパースター」ということでしょうか。両者ともに、破ることが不可能といえる記録を異国の地で作った。

イチローは米国に渡ったとき、米国では実績が無いのにも関わらず高給を約束されていた関係で、チームメートから露骨に冷たくされた。スペイン語が堪能なのは、南米の選手と同様マイノリティであるアジア人として、立場が同じで親近感があったからだ、という発言をしています。1年目から突出した成績をあげたのは、米国で野球を続けるにはどうしても必要であり、モチベーションが極めて高かったのだと思います。彼が米国人だったら、ここまでの成績を残せなかったかもしれない。

白鵬も同様です。日本の国技である相撲の世界で、「神」のような存在である横綱の地位は、単なるチャンピオン以上のものがあります。横綱にはなったものの外国人である彼には、きっと想像を超えた悔しい思いがあり、それが大きなモチベーションにつながったのだ、と想像しています。やはり彼が日本人だったら、ここまでの成績を残せなかったのかもしれない。

トヨタは戦後、銀行から強烈な貸しはがしを受けました。特に住友銀行の貸しはがしは熾烈で、「鍛冶屋に貸す金は無い」と言われ融資を引き揚げられたのは、トヨタの社内誌にずっと残っているそうです。それから何十年も、トヨタだけでなくグループ会社にさえ、住友銀行の普通口座の開設すら許さなかった。トヨタの故石田退三社長は借金に頼らない経営を本気で目指し、鉛筆は削れなくなるまで使い、紙は必ず両面使う。多額の設備投資が恒常的に必要な業種なのに、最後は本当に無借金会社となった。あの松下幸之助氏が石田氏を「師」と仰いだ。ただやはり住友銀行の暴言・貸しはがしが無ければ、今のトヨタは無かったのかもしれない。

私が若いころお世話になった社長がトヨタの下請け会社社長で、故豊田英二会長の小学校の同級生だった。社長室にはトヨタ家の歴代の写真が沢山飾ってあった。正月にその社長が英二氏の自宅に挨拶に行ったら、英二氏が「ターセル」という若者向けの小型車に乗ってスポーツクラブに行ったそうです。お孫さんの車かと思ったら英二氏のプライベートカーだった。「一番売れていないから買った」と言われ「君は随分いい車に乗っているな、まだまだコストダウンの余地がある」と言われたと、なぜか嬉しそうに話をされていた。やはり筋金入りの堅実経営のグループなのだ。

私が付き合ってきた社長で高収益をあげている社長の多くは、何らかの「悔しい」経験を乗り越えた人が多い。相手の多くは銀行だが、様々な裏切りもある。

借金も度が過ぎなければモチベーションは上がります。借金が多かった社長が、あるきっかけで極端に借金が減少したが、途端にモチベーションが下がり会社が傾いた。また見た目が老け10歳以上年を取った。

M&Aで会社を売却し大金を得た社長がいました。いろいろな事業に手を出しましたがうまくいかず、最後のお金で結局、以前売却した会社と同じ業種の会社を買いました。何十億円というお金をじっと持っていればいいのでは?と思いましたが、それではダメのようです。

経験上、モチベーションをあげることは極めて重要と思っています。ですからコンサルタントとして企業経営者とお付き合いするときも、非常に重要視しています。

令和元年 5月






「お金はいくらあれば幸せなのか パート1」

お金が無いと生きていけません。最低限の衣食住が無ければ生きていけないことは間違いありません。収入が増えれば増えるほど幸せになります。ただこれがずっと右肩あがりでいくのでしょうか。

家が1戸、高級車が数台、執事と運転手、別荘、高級な時計と服・宝飾品があればとりあえず満足でしょうか。頻繁に旅行に行ったり高級レストランや銀座のクラブに行くお金も必要です。やっぱりお金は多ければ多いほど幸せになれる?

でも、もし一人暮らしなら大きすぎる家は寂しいですし、東京ならタクシーが便利で車や運転手は不要かもしれません。というより面倒くさい。

私は幸運にも銀座のクラブにひと月のうち一日除いて毎晩連れて行っていただいた経験があります。夕方ホステス数人と男数人で食事をし、クラブで飲み、その後カラオケに行き朝帰り。最初は3000円の焼酎が3万円で売られていることに驚き、またさらにそれに50%のサービス料が加算されることに驚嘆しました。鞄を100メートル運んでもらうのに1万円のチップを渡す。

でも飽きました。どんなにおいしい食べ物でも、高級なお酒を飲んでも(銀座のクラブでロマネコンティも頂きました)、きれいな女性と飲んでも飽きることを経験しました。

私は港区にあこがれ白金台、高輪、南麻布に計7年間住みましたが今は、やや郊外に引越しました。住宅街にどうしても住みたくなったのです。今はとてもリラックスしています。

令和元年 5月1日